[コメント] 下妻物語(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
通常の映画は登場するキャラクターの正当性をいかにして観客に共鳴させるかで 客ににじみよりそのキャラクターを殺してしまう事がよくある。 この映画はそのかけらも見せない。DJ-1(R)を神格化するやつが観客にいるか!? そんなの知らねえってやっぱチャンプだろ!とか熱くなってる時点で俺は共鳴してるのかもしれんが・・・。 チャンプに乗っていた当時やたら難癖つけられてパトカーに 止められた。多摩統一!とかいう連中と間違われたんだ、今わかった。
誰しも自分の価値と集団の価値が一致しないことはある。その時どうするのかこの映画は語る。 いちごは散々学校でいじめられた。映像では面白おかしくしてあいまいにしていたが世の中では こういう地獄を味わっている人もいるだろ?要は集団の価値基準と違うとバッシングを受けるのだ。
バッシングを受けた人が取るべき道は何通りかある。1.そのまま泣き寝入りする。 2.違う価値基準の集団に政治難民する。3.自分の価値基準を信じてそのままマイウェイ
イチゴがとった道は2、ももこがとった道は3。いずれにせよ彼女らは1,2,3どの道の可能性も 模索しただろう。だから最後の喧嘩の時、お互いが同じ道程を歩んできたのだと理解しあえるのだ(その前から感覚では理解している)。「桃子は友達じゃねえよ!」このセリフは 正直こちらが考えたオチとは違った。だけど相手(+観客)の価値基準を覆すには 決定的だった。
大事なのは最終的な生き方の共鳴(族なら族、ロリータならロリータ同士 )ではなく、その過程の苦悩の共鳴なのだ。同じ趣味なら仲良くなるなんて のは見せかけだ。
自分の価値観を守る為の苦悩に共感できる仲間。こういうのが最強の親友なのだ。 正直な話、若い時にこういう親友が欲しかった、というか、こういう映画が欲しかった。 (いつかは大仏見に行きたい)
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