[コメント] ミスティック・リバー(2003/米)
人生は平等じゃない。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
「勝ち組/負け組」と言う言葉が流行った事がある。当然好きな言葉ではないが。
真摯に犯人を挙げようとする正義の刑事と、心から娘を愛する悲劇の父親。前半はアメリカ映画的ミステリーの体裁を取りながら、ラストのパレードのシーンでは見事に彼らの、傲慢で残酷な人間の本質を暴いている。誤った人間を殺めながら、平然とたたずむ男と、その罪を知りつつ、愛妻の肩を抱き、祝福のウインクを送る刑事。息子の姿に懸命に手を振りながら、その視線を捕らえることが出来ない「かわいそうな」いとこ。そんな彼女が、その場にいなかったかのように、冷ややかに目線をそらす男の妻。そして冷たい川の底の死体。
人間の人生は、決して、「平等」なんかではない。「運悪く」連れ去られた少年と、「運良く」残ることが出来た少年がいるように。
あの道端を通りかかった人は誰もが、そこに「ジミー」と、「ショーン」と言う名の人間が、あの文字を書いたと言う事を知る事が出来る。
けれど、「彼」の名を知る事は、決して出来ない。
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