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disjunctiveさんの人気コメント: 更新順(1/35)

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★3書かれた顔(1995/日=スイス)歌舞伎をフリークショーとしか解せないドメスティックな脊髄反射に文化相対の作法はとうぜん反発する。クロスジャンルは越境ではなく漂流の結果であり、その弛緩に身を任せた玉三郎は形式主義者たる役者の本分を発揮して、言動をどこまでも軽くする。 [review]けにろん[投票(1)]
★3LOOPER ルーパー(2012/米)ウィリスの話が捨て石にされるとは思ってもいないから、中盤でエミリー農園の話が長々と始まると、進行しつつある事件を意味のあるまとまりとして把握できなくなる。クラビティのサンドラの愚痴のように、演出家脚本のバランスの悪さが露呈している。 [review]KEI[投票(1)]
★4はなれ瞽女おりん(1977/日)撮影技師の邪念が盲人の屋敷にランプをともし、演出家の邪念は岩下に精神と肉体の詐称を強いて座りが悪い。瞽女の家事は触覚に依存して静物に帰着する運動の端緒となり、岩下はその運動にともなう自律性の喪失を性的に解釈する。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★4リオ・ブラボー(1959/米)友情を性愛で捉える合宿映画は、ディーン・マーティンとリッキー・ネルソンの関係性を扱いかね、後者の加入で予示される三角関係の不穏を誘拐で済ますような去勢の感性を発起する。そもそも臀部に気をやるウェインの歩き方から不穏である。 [review]けにろん[投票(1)]
★3RRR(2022/インド)最初から共通している利害が人を追い込む義理の仕込みを無効にしている。感情の裏打ちを失っている武力は、英国文官陣のサイズの合わない衣装のようにフワフワと滞空し、路上に撒かれる釘から始まって棘の鞭にエスカレートする無感情の暴力を滴らせる。 [review]3819695[投票(1)]
★4日本列島(1965/日)怪獣が出ないゴジラ映画であり、殊に景物のディテールと熊井のレイアウトに北米コンプレックスが絡めばシンゴジの前兆が方々で観測される。 [review]けにろん[投票(1)]
★4狼男アメリカン(1981/米)都会者が属性の招来する好意によって田舎でモテる邪念をオフセットできるのは器質の叛乱である。 [review]けにろん[投票(1)]
★4Keiko(1979/日)口語体と景物の饒舌な情報量を整理して文化を実装する過程で人間の内面が密かに脱落している。 [review]けにろん[投票(1)]
★4笛吹川(1960/日)反生産行為者を次々と懲罰する家政学の悪意は、合戦の物量に魅せられ社会小説を裏切ろうとする。観念の恐るべき感染力は、あくまでマイクロな家政に執着する高峰をだからこそ、当人を意識させぬままフェイタリズムの奔流に合流させる。ぽんしゅう[投票(1)]
★4インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013/米)音は形をもたないために楽曲の評価はマーリー・エイブラハムの眉間のシワのように肉体で評価される。精神と肉体を媒介するのは猫の流体筋肉であり、死者の作り出した小宇宙に監禁された男は、波のように遁走する猫に導かれ当て所もなく灰色の景色を徘徊する。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4木靴の樹(1978/伊=仏)地主の搾取に由来する限界状況が歳時記を家畜の健康に人生が左右されるスリラーにして、事態を合理化すべく人々の宗教観は神の規範意識を先鋭化させる。 [review]ぽんしゅう[投票(1)]
★4フィツカラルド(1982/独)計数力がオペラ狂の動機から解離し、クラウス・キンスキーは頭髪の形状に顔容を同期できなくなる。カルディナーレは肖像画を嗤いながらその矛盾を指摘する。 [review]DSCH[投票(1)]
★4ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023/米)全編に立ちこめる霧のような感傷はドニーの扮装に由来するノスタルジーにすぎないのか。体のキレが人々から貫録を奪い続け、氷結した時空に成熟を見失った男たちは大階段を上っては転げ落ちる。 [review]DSCH[投票(1)]
★3哭悲/THE SADNESS(2021/台湾)ゾンビを人間性の喪失ではなく解放だと解釈するヌーディズムのような世界観では、ゾンビになればたちまち言語は明瞭になり体が動くようになる。 [review]DSCH[投票(1)]
★3かくしごと(2024/日)少年に記憶がなければ然るべき筋に相談する案件に過ぎなくなる。児相のマンパワーを問う技術的課題をフィクションに値する題材にするために、野趣深い法令遵守意識を前提として創話が営まれている。 [review]ひゅうちゃん, ぽんしゅう[投票(2)]
★4ソウルの春(2023/韓国)ミドルクラスへの憎悪は画面をニュー新橋ビル変えてしまう全斗煥の魔術的外貌にいら立つあまり、理念的な裏付けを見失っている。 [review]けにろん[投票(1)]
★4関心領域(2023/米=英=ポーランド)ノイジーな音響意匠が記録映画の叙体を要求する一方で、暮らしの細部に審美を見出す趣向は生活のディティールを捕捉するために静物画を要求する。 [review]ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★4落下の解剖学(2023/仏)妻のキャリアが夫をインポにする橋田寿賀子ドラマは女にも負い目を設定して家庭崩壊に導けず、夫の方も盗作という留保によって体裁が繕われ憎悪の水路は閉塞する。 [review]死ぬまでシネマ, ひゅうちゃん[投票(2)]
★4碁盤斬り(2024/日)骨相からすでにサイコな草なぎがグレーディングに季節感を依存した人工空間でニヤケ気味にたたずむだけでそこはホラー。サイコ化する言動よりも討伐行の途中で気狂いを自省できる方がむしろ奇妙だ。 [review]けにろん[投票(1)]
★4わが青春に悔なし(1946/日)原の野太い骨格は本来は帰農して然るべきなのだが、この人はノンポリであるから信条ではなくスリルに欲情して行動が決まるために帰農が迷走の顛末に見える。原を欲情させたリスクテイカーのギラギラした色気を大仰な叙体が捕まえられないから昏迷してくる。 [review]ゑぎ[投票(1)]