人気コメント | 投票者 |
★5 | DUNE/デューン 砂の惑星(2021/米) | 文字通り血を吐く異文化交流。五感で飛び込み命を賭ける全霊のコミュニケーション。これはヴィルヌーヴらしい「境界線」上のドラマの徹底。無類の「巨きさ」と細部の意匠、「豊穣な緩慢さ」にも磨きがかかり、もはや新古典の趣。ド直球で好み。嫌いな人がいるのも相変わらず頷けるが。
[review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | モンキー・ビジネス(1952/米) | ホークス初見。突然跳んだり跳ねたりのジンジャーらの痙攣的な突拍子もないアクションが楽しい。コップ芸の動きを見るに体幹バッキバキだろう。グラントの余裕(でも真面目にやってる)、暴走シーンのスピード感も含めて他愛ないように見せかけて紛れもなくプロにしか出来ない高度なおふざけ。フェイスペイントに瓶底眼鏡のグラントが愛おしいです。モンローはモノクロの方がかわいく見えますね。 | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★4 | 茶目子の一日(1931/日) | シュール。人が物や生活を支配しているつもりになっているのは大きな思い違いではないか、という気持ちの悪い気付きがある。物と生活が人を支配するのだ。(服を着るのではなく着られるシーンで安部公房の『壁』を想起した)作り手がその気なのかわからない脳天気がまた異様で、自由意志が蹂躙されてるようにも見える結構なホラーフィルム。(寒山さんのレビューで興味を持ち、調べたところ、YouTubeで視聴出来ました) | 寒山拾得 | [投票(1)] |
★3 | トマホーク ガンマンvs食人族(2015/米) | 『ブルータル・ジャスティス』から逆走して観た。穴居人はネイティヴ・アメリカンとは峻別して提示されるが、「白塗りの黒人が白人を駆逐する」という『ブルータル〜』のモチーフを踏まえると、やはりここでも登場する黒い肌を白く塗った未開のモンスターのイメージには監督の強迫観念的なものがあるのかなと思う。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★4 | Mr.ノーバディ(2021/米) | 要するに回春ネタだというのが可笑しい(アツくなってきた!)。全編にわたり冗談、シャレが貫かれており、何度も観たくなる画も多い。殺戮をギャグにしようと思っても、凄惨な影を払拭するのは結構難しいもので、これがちゃんと出来るのは絶対偉いと思う。Don’t stop me now.Cause I’m havin’ a good time, havin’ a good time
! [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★4 | タクシー運転手 約束は海を越えて(2017/韓国) | 「息子」の言によればいくつかの事実は異なり、描写の公平性はバランスを欠く。終盤の暴走でもいったん「うーん」と腕組みをしてしまったし、虐殺描写時のスローも好ましい演出には思えない。だが、作品の全体を見渡せば些細なことのように思える。それぐらい、目で見て伝えることの困難さ、崇高さや、小さな力のバトンを繋いでいくことに寄せる思いの強さを娯楽で伝えようとする気概に打たれた。いい映画だと思いました。 [review] | おーい粗茶 | [投票(1)] |
★4 | 初恋(2019/日) | 死んだつもりで生きるより、生きるために生きる方が難しい。怖いだろ、でもそれが生なんだぜ。走り抜けろ!・・・って何マジになってるの三池さん、という驚きと喜び。少なくとも私には若干照れの入っただけのマジ映画。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | ベイビー・ドライバー(2017/米) | 男と女と車一台あれば映画はできるかもしれないが、音楽があれば、もっといいだろう。甘口な中弛みは否めないが、映画の基本的な興奮に立ち返ったアクションは秀逸。即ち、アクション、編集、音楽のシンクロの快楽。リズムとしての映画。殊勲賞は編集だと思う。 [review] | ゑぎ | [投票(1)] |
★3 | アド・アストラ(2019/米) | 無限の夢も底なしの狂気もない御都合ミニマム収斂で膝カックンなのだが、狙ってこっちに行ったのが明らかなのがむしろ天晴れ(マーロン・ブランドが出てくると映画が壊れてしまう)。ホイットマさんにしろブラピにしろ、ガワだけでこれだけ見せるのは凄い。それでも『火の鳥』くらいあっちに逝ってこいが観たかった。 | けにろん | [投票(1)] |
★3 | ヴィジット(2015/米) | 「俺たち、お互い(家族)のこと、何にも知らないね・・・」(『おそ松さん』第一期13話「トド松のライン」より) [review] | けにろん | [投票(1)] |
★2 | マグニフィセント・セブン(2016/米) | 私利私怨を超えて尊厳や大義のためだったとするなら、恐れや「正義」への疑念を跳ね除ける情念と挿話の彫り込みが少ない、あるいは矛盾があって説得力がない。結構駄目な映画に見える。どの辺が現代的なのだろう。この中途半端だとイーストウッド先生あたりにドヤされるんじゃないだろうか。原作もこんなものなのだろうか? [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★2 | ジョン・ウィック:パラベラム(2019/米) | ヤヤンさんとセセプさんの登場で腰が抜けた。とんだ八百長試合だ。出力20%くらいだろう。許し難い。お芝居じゃなく命のやりとりが観たいのに。微妙に『キル・ビル』に喧嘩売ってるのも堪忍袋の緒に過大なストレス。フィッシュバーンが「インターネット」とか「IPアドレス」とか言い出すシーンが一番面白かった。ところで背中押す人が悉く無策で殺られるのはなぜなのか。鈍感力? | ロープブレーク | [投票(1)] |
★3 | ゴーストランドの惨劇(2018/仏=カナダ) | 人は人形ではない。傷つければ血が出るし、何より魂が傷つく。人は人だからこそ、その傷ついた小さな体と魂で、この醜い世界で逆襲するのだ。スリラーのためのスリラーでなく、このジャンルが忘れていた当たり前を見直そうとする批評性をシナリオに感じる。真摯だが二度観たい映画ではない。 | けにろん | [投票(1)] |
★2 | カサノバ(1976/伊) | 散々派手な口上を述べ、奇天烈BGMに乗せて披露した性技について大使よりいただくご講評が「お前の正常位には独創性がない」。この渾身の一発ギャグ以上のものがほとんどない。化粧、衣装、お追従、いかがわしい知識、下品で退屈な宴、あらゆる虚飾で隠される貧弱な肉体。何もなし得ず、ただただ醜く哀しいだけ。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★2 | 殺人狂時代(1967/日) | 正攻法で撮ったら悲惨になる話だし、既存概念の逆へ逆へ作る試みは分からなくはないが、ブラックコメディというか諧謔の心情は監督には向いていない気がする。アクが強いだけで旨味がない。賑やかしの砂塚が苦手で、ジャー=ジャー=ビンクスを想起した。病棟や拷問フィルムの描写も居心地が悪い。 | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 孤狼の血(2018/日) | 役所大先生の右も左もなぎ倒す全能感が次第にクセになり、戸惑う松坂との対比で黒い笑いのリズムを生む前半。キッタナイ役所大先生が大好きな私には最高のアイドル映画で、石橋御大との対峙など、願ってもない顔合わせが垂涎モノ。それでも、時代の中でこうあるしかない、汚れ承知の義だったという吐露と顛末も期待通りの絶対アイドル映画。 [review] | けにろん | [投票(1)] |
★4 | エイリアン:コヴェナント(2017/米=英) | 容赦ないグロはともかく、キーマンがちょっと他に例を見ないレベルで狂っており、このキレ振りは凄いとワクワクしながら見た。私のSF偏差値は全然高くないので詳しい方には序の口なのかもしれないが、手塚治虫が本気で病的な側面を晒したのに触れたような感触がある。 [review] | 袋のうさぎ | [投票(1)] |
★5 | 仁義なき戦い 代理戦争(1973/日) | 混迷が深まれば深まるほど、その愚行に注がれるエネルギーの大きさのグロテスクが際立つ。何のためかも大義も忘れ、ひたすら騙し合い、殺しあう。何故そんなに一生懸命なのか。もはや無常感に己の道を振り返る暇もなく、行き場をなくしたエネルギーが連鎖爆発する。怒りや哀しみを通り越して命の浪費を楽しんでいるような情念の徹底を前に、人間って不思議な生き物だという感想が浮かんだ。 [review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★2 | 武器人間(2013/オランダ=米=チェコ) | コンセプト画に唆られて観てしまったが、悉く悪い方向に予想を超えていく。冗談が真理を超える瞬間はない。ファウンド・フッテージの技法は演出・撮影下手の言い訳に過ぎず、クリーチャーも含め、まともなアクション演出はおよそ存在しないものと言っていい。もとよりZ級なので人造人間の悲哀など望むべくもない。この意味で、「フランケンシュタイン」を排した邦題は正解かもしれない。「ポッドマン」は哀しくて少し笑える。 | けにろん | [投票(1)] |
★4 | 電人ザボーガー(2011/日) | 鼻が詰まったような主役の発声など開幕は微妙に感じたが、意外や業が業を呼ぶ骨太展開と、まともにやれば『ブレードランナー』もかくやという生命SFのモチーフに驚き。そしてまともにやらないという驚き。それが原作通りである(らしい)という更なる驚き。しかもどれも本気らしく、確信に満ちたバカのキレが良い分、職安等でのセルフツッコミが惜しい。もっと脇目も振らず突っ走るべきだった。柄本大先生が素晴らし過ぎる。 | けにろん | [投票(1)] |