★3 | ゴジラ FINAL WARS(2004/日) | 「東宝チャンピオンまつり」テイスト復刻の出来レースと割り切ったサバケ方は方法論としては有りとも思うが最後を謳うのなら矢張り王道でいって欲しかった。何より北村の志向が怪獣よりミュータントの肉弾戦に有るのが失礼と思う。この男抽斗が少なすぎ。 | [投票(8)] |
★3 | ラスト サムライ(2003/米=ニュージーランド=日) | カスター大虐殺に立ち会いウィンチェスター社を指弾する男が遙か最果ての国とは言え近代武装化の一翼を担う、又英語を取得し進取の気性に富む男が近代化に反旗を翻す。こういうアンビバレンツな感情機微を十全に描けてないから、ラストがどっちらけに白ける。 | [投票(8)] |
★3 | キル・ビル(2003/米=日) | 序盤には曲りなりにも垣間見えた復讐と言うパッションは後半のお遊び三昧の中で雲散霧消。そもそも前篇も後篇もない一気呵成の展開の中でこその東京シークェンスだろうにダルに引き伸ばされクライマックスに配置されたんじゃ何もかもおじゃんのアッパラパー。 | [投票(8)] |
★3 | ギャング・オブ・ニューヨーク(2002/米=独=伊=英=オランダ) | 「復讐」も「恋」もラスト30分で済し崩しに歴史の荒波に飲まれてしまうのなら、2時間半に渡って語られた物語は何だったのかと思う。論理的に構成された物語の快感は無いが、圧倒的なデイ=ルイスをはじめ見所満載で3時間は全く飽きなかったのも事実。 | [投票(8)] |
★3 | 赤線地帯(1956/日) | ピークを迎えた女優と忘れられクスブってる女優を、その通りの配役で使う冷徹さが溝口の溝口たる所以だったのだろうが、京と若尾の挿話は図式的で木暮と三益の部分が胸に沁みるのも溝口だったからこそとも言える。 | [投票(8)] |
★3 | トップガン マーヴェリック(2022/米) | そうせざるを得ない遂行方途を馬鹿にする無能上司に抗い俺について来いの還暦親爺の若者掌握が凡庸なベタに留まり反転昇華しない。普通すぎる。世界のリアルから遊離したプラスティックな原子炉爆破ミッションはまんま『スター・ウォーズ』のデススター攻撃。 | [投票(7)] |
★3 | マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015/豪) | 濡れた仔犬のようなハーディは孤高というより優柔不断な場当たりに見え「マッド」度はてんで低い。『サンダードーム』の拡張的ジョー王国は既視感拭えず、規格更新されたチェイスは馬鹿騒ぎ的な過剰さで修飾されただけだ。ここには新しいものは何も無い。 | [投票(7)] |
★3 | オブリビオン(2013/米) | まあ、一応ビジュアルは良しとしても、フリーマン以下の面々が物語的に機能せずで寧ろ妻への想いの純度を薄め切なさを拡散。で、彼らがいないとしても、このネタは余りに近年で多く語られハードルが高い。そして案の定、超えてない。健闘作だが志は低い。 | [投票(7)] |
★3 | 悪の教典(2012/日) | 主人公の来歴なぞ必要もないものを寸語りするので純度が落ちる。故に一方的に「モンスター」に蹂躙されまくるだけのバカ絶対映画の地位さえ失った。でも、そんな地位に意味があるとも思えない。伊藤は確かに悪くないが、終盤の二階堂の目力こそ特筆。 | [投票(7)] |
★3 | ダークナイト ライジング(2012/米=英) | 究極悪だか絶対悪だか知らぬが、9・11から10年を経て尚、イスラム景観な地獄穴から来し爆弾テロリズムという底浅ぶりの陳腐。しかも、ヘタレ野郎だったというんじゃ自壊領域の張子の虎。冒頭を筆頭に肉厚なアクション描写には随所で惹かれたのだが。 | [投票(7)] |
★3 | コンテイジョン(2011/米) | デイモンの遣り切れなさやウィンスレットの遣る瀬無さといった多くの感情の行き場に帳尻をつけぬことで怜悧に状況の混沌を描くソダーバーグの群像処理は買うが、収束への過程が端折り過ぎで尻すぼみ。ロウの役もネットの今を捉え切れてない。 | [投票(7)] |
★3 | 恋の罪(2011/日) | 過去のトラウマに解を求めるようなことをやっては後退としか思えないし、禍々しいアナーキズムも所詮はバブル前のロマンポルノの形骸的トレースに見える。堕ちる堕ちないのグダグダが水野のドラマに侵食もしないのではヘアを晒した甲斐もない。 | [投票(7)] |
★3 | ハート・ロッカー(2008/米) | 現在進行形の戦争に対し及び腰で、多くのメッセージを内包するかに見えつつ余りにスルーが目立ち斟酌が足りない。主人公をマッチョなカリスマにも設定しないので割り切った作りにもならない。中盤の砂漠のシークェンスも良いが狙いすぎであざとさギリギリ。 | [投票(7)] |
★3 | インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国(2008/米) | 正直、懐旧の想いより爺いの冷や水的一抹の寂寥が拭いがたく、又冒頭からの見せ場も場当たり的で乗れない。中盤以降の釣瓶打ちは流石とも思うが、行き着けばナスカに宇宙人と出し殻材料。新味無き『聖櫃』なSFXで処理されたそれが又粗くて白けるのだ。 | [投票(7)] |
★3 | 嫌われ松子の一生(2006/日) | カラフルでポップな語り口は闊達だが、受動的な生き方の末の転落人生に対する共感も反意も感じられない。したたかな女が跋扈した昭和へのアンチテーゼとしての平成イズムは、やはり語るべきものを持たないのか。松子を通して何かを直截に撃って欲しかった。 | [投票(7)] |
★3 | デイ・アフター・トゥモロー(2004/米) | エメリッヒ演出は接写と鳥瞰の緩急が巧く、局地的カタストロフが頻発する前半は圧倒的(特にLAの竜巻)なのだが、人類滅亡という暗鬱な詠嘆的基調旋律が台風一過とばかりに一気に陽転してしまうのでは最早唖然とするしかなかった。 | [投票(7)] |
★3 | 獄門島(1977/日) | 前半に関しては快調な市川節も後半になるにつれテンポが落ち、ただ単に物語を語るに終始していく。興行的戦略だけに眼目を奪われ、無理矢理の別犯人を仕立て上げて、物語の本質を蔑ろにするとこうなってしまうのだ。 | [投票(7)] |
★3 | 日日是好日(2018/日) | 消極的意思で何もない人生の空隙を埋める手管としていたものが本当は素晴らしいものであったという、その肝の1点を映画は凡庸にスルーする。時候や季節の移ろいが心に染入るには周辺街路や街並みや家屋の設計や庭の草木の細緻な描写が茶の道と同期してこそ。 | [投票(6)] |
★3 | ゲット・アウト(2017/米) | ことが明らさまになる前2/3くらいまでの微妙な「変」の描き方は抑制が効き巧緻だが一旦バレちまって以降タメもクソもない。面倒臭え!ってな感じの殺りまくりで物語を畳んでしまった。大体そもそも身体優位性への羨望が高じるとそうなるのか?の疑問も。
| [投票(6)] |
★3 | 沈黙 -サイレンス-(2016/米) | 彼がそれを踏む瞬間にエモーションが集約するようには作られていない。隠れ切支丹の虐殺描写と神不在の自己問答がリンクせず意識的でもないからだ。消えた先達を追う旅路の側面も淡泊。転向述懐が明晰であるだけに構造の脆弱が露呈。日本勢のキャストは健闘。 | [投票(6)] |