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ぽんしゅうさんのコメント: 更新順

★3鰐〈ワニ〉(1996/韓国)既成倫理を挑発するかのように冒頭から発散される自由奔放な内面感情。後の作品で噴出する暴力と痛みをたっぷりと内包したギドク特有のロマンチシズムの萌芽。生命を放棄してまでも、自らの最も美しい時を保持し永遠を獲得するということ。水中花を想起した。[投票(2)]
★3スパイダーマン2(2004/米)そうですか。基本的な約束事が守れないのは正義のために忙しいからですか。でもね、やるべきことちゃんとやって信用つけてから蛮勇ふるわないと納得どころか迷惑する人もいるわけで。言い訳すると大好きな正義も価値が下がりますよ。全米のアメコミファンの皆様。 [review][投票(2)]
★4風と樹と空と(1964/日)大勢、俳優さんが出ているが吉永小百合の純朴な明るさの前に全員かすむ。こういうお茶目で活発な少女というのが小百合さんの実像にも一番近いのだと思う。歯切れ良い松尾昭典演出もあいまって実に活き活きとしていて楽しい。点数は全て小百合さんに献上。[投票(1)]
★1変身(2005/日)分かりやすくするために漢字には読み仮名をふりましたという程度ならまだしも、どうせお前らバカだから全部ひらがなで書いてやったよ、という観客愚弄演出。この演出家は、我ら観客の手によって即刻映画界から追放されなければならない。 [review][投票(1)]
★2親指さがし(2006/日)過度なCGを使わないのか、使えないのか知らないが、その姿勢はかうものの、ならば映画史のなかにいくらでも手本はあるはずで、この無策無能ぶりに呆れる。きっちりと映画的日常が描かれてこそ、非日常の異常さが恐怖になる。何だ、あの「シャイニング」もどきは。[投票]
★3泥だらけの純情(1963/日)絵空ごととしか言いようのない純愛物語だが、台詞の歯切れよさと簡潔で潔いカッティングが心地よいリズムとなってちっとも話しがべとつかないのは馬場当脚本と中平康演出の功績。浜田光夫の、何も考えない軽やかな突進力と軽薄さが悲しくて良い。 [review][投票(2)]
★3旅の重さ(1972/日)例えば父性を求める平成の少女たちは都市化した居住地と真の大都市の狭間を一見楽しげに行き来しつつ沈殿する。70年代の少女は家を出て彷徨うか、小説世界へ未来を見い出し突進した。正と負の差はあれ高橋洋子秋吉久美子の鮮烈なデビューは飛翔だった。 [review][投票(2)]
★3明日の記憶(2005/日)日常の何気ない物忘れを見て、あっ、俺もヤバイかも・・・。美しく献身的な妻を見て、うっ、うちはダメかも・・・。施設のパンフレットを見て、げっ、きっとココだな・・・。と、わざとふざけてコメントしないと精神の平常が保てないほど怖かったのであります。 [review][投票(5)]
★2ローズ・イン・タイドランド(2005/カナダ=英)魔女だろうが、女神だろうが、現実世界に化身を誕生させるためには神話が必要で、現実世界の神話とは、正常さから微妙な距離を保った異常さの中に成立する。この映画には遊びとしてデフォルメされた異常さのための異常しかない。オタク的自家中毒を起こしている。[投票(2)]
★5バベル(2006/仏=米=メキシコ)巧みな脚本、演出、編集で、時間と地平を操りながら143分間、延々繰り広げられる人々の苦渋と焦燥は、とりとめなく拡散し続け収拾を見ない。死の問題は放置され、他方で唐突に誕生が示される。しかし、この混沌と迷走こそが人間を真摯に描こうとした証なのだ。 [review][投票(12)]
★4白夜(1957/伊=仏)ナタリア(マリア・シェル)と出合った瞬間、マリオ(マストロヤンニ)の時間もまた彼女同様停止した。二人の時間が不器用に弾け動き始めるダンスパーティ。運河の船出で未来へと流れだした時間を再び凍結する美しくも冷たい雪。今度は男の時間が停止する。 [投票]
★3夏の嵐(1954/伊)軍人や貴族という身分は本来の人間の性的衝動とは何の関係もなく、占領者と被占領者という状況も男と女の剥き出しの欲情の中では意味をなさない。だた両方とも、我が身の悶えに反して知らず知らずのうちに「裏切り」の引き金を引いてしまう遠因にはなり得る。 [review][投票]
★4郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942/伊)サスペンスでなく、浮浪者と元街娼の虚ろだが根深い定住願望の末の悲劇という抗いがたい宿命に主眼が置かれた時点で、ビスコンティの過剰なまでの「破滅の美」への執着が垣間見える。心情が時代や状況に凌駕される男女の関係は確かに美しいが不可解でもある。 [投票]
★3駅前旅館(1958/日)システムとして供給された旅館を騒乱の渦に巻き込む中高生たちとは、まさに戦後の価値の破壊と生成を担った今で言う団塊の世代たちで、その喧騒に抗うでもなくまみれるでもない森繁ら番頭たちの存在と心情は、同時代性を持って当時の中高年の正鵠を射たのだろう。[投票(1)]
★2少女娼婦 けものみち(1980/日)岸田理生が描こうとした、子を身ごもるという事実が、誰が父親であるかという真実よりも優先するという雌としての女の生理が、神代辰巳の映画の解体という作業で本来先鋭化すべきところ逆に母親と娘の関係性の中に埋没している。 [投票]
★4日本一のゴリガン男(1966/日)日本等(植木)の何処にも属さない自由奔放さは『ニッポン無責任時代』に匹敵し、話しの飛躍もバカバカしいほど野放図で楽しい。不況のさなかの能天気な社会主義を皮肉りながら人見明とのデュエットまで聴かせてくれる古沢監督のサービス精神を堪能。 [review][投票]
★4スパイキッズ2 失われた夢の島(2002/米)ツール(科学)偏重を皮肉りながら繰り出されるギャグのアイディアと間が絶妙で爆笑しつつ妙に納得。男はカッコつけて体裁と野心を生き、女は現実を見て手段を選ばず状況を生きる、というシンプルな真理が子供から大人まで徹底されいるのが実はロドリゲスの凄さ。[投票]
★4セックス・チェック 第二の性(1968/日)獣であれと助言され本当に戦場から獣となって帰還した男は、性交でのみ女は肉体の性を開眼させると信じ実現し、武者小路実篤的友情に苦悩する男の妻は、貞操と恋慕と汚辱の軋轢に気がふれる。極まりない通俗の中で描かれる人間復興。あるいは確信的価値の紊乱。[投票]
★4でんきくらげ(1970/日)同じように男のなかを彷徨する人生だとしても、母(根岸明美)が「おんな」を生きたのだとしたら、由美(渥美マリ)は「自分自身」を生きた。何故なら由美は全てのことを自身で決めた。母がした唯一の決定は娘のために男に刃を向けることだけ。[投票(1)]
★3しびれくらげ(1970/日)不自然なほど硬質で体温を感じさせないみどり(渥美マリ)と山崎(川津佑介)の台詞回しは空疎さの体現であり、堕落の象徴である父親(玉川良一)やヤクザ(田村亮根岸明美)たちの世界にこそ温度を見出しているところが増村。 [投票]