太陽と戦慄さんのコメント: 投票数順
緋ぢりめん博徒(1972/日) | 主役のお勝(中村英子)よりも盲目の女侠客・お紋(藤浩子)がかっこいい。彼女の殴り込みシーンの殺陣の美しさもさることながら、派手でケレン味満載な照明の使い方に痺れる。物語は脈絡がなくグダグダだが、やはり石井輝男、要所要所で魅せてくれる。 [review] | [投票] | |
チチカット・フォーリーズ(1967/米) | 面白いと言うと不謹慎と思われてしまいそうだが、しかし面白い。単調に陥りそうな部分もあるが、ワイズマンは編集によってうまくリズムを生み出すことに成功している。歌で始まり歌で終わるという構成も気が利いている。 | [投票] | |
キングス&クイーン(2004/仏) | 病的でエキセントリックな登場人物たちを、寄り添うように見つめる作家の眼差しが温かい。変人ヴィオラ奏者イスマエルと、彼が精神病院で出会う若い女の関係の描き方などとてもいいし、唐突なバイオレンスが驚きと笑いを誘うコンビニ強盗シーンも傑作。 | [投票] | |
現代悪党仁義(1965/日) | 中平コメディとしてはあまりテンションの高い出来ではないが、これでも充分面白いとは思う。詐話師グループのチームワークの描き方など実にいい。 | [投票] | |
嵐の果し状(1968/日) | 日活の職人松尾昭典の演出は突出こそないが悪くもない。主演の小林旭もさることながら、ニヒルなイカサマ師を演じる高橋英樹が登場シーンから実に格好良く描かれており、この二人を観るだけでもそれなりに満足はできる。 | [投票] | |
あした晴れるか(1960/日) | マンガ的キャラクターを活き活きと演じる芦川いづみが可愛すぎ。彼女のくるくると変化する豊かな表情に釘付けだ。石原裕次郎の屈託のなさも、この映画の脳天気なムードにピッタリ合っている。中平康の最高に楽しい快作コメディ。 [review] | [投票] | |
猟人日記(1964/日) | 『おんなの渦と淵と流れ』と同様、凝りに凝った物語構成がまず素晴らしいのだが、中平康の演出もまったく緩むことなくサスペンスを盛り上げる。中谷昇のぬめっとした変態臭さが良すぎるし、外人を装ってナンパするという発想もバカバカしくて好き。 | [投票] | |
夜霧よ今夜も有難う(1967/日) | 浅丘ルリ子が唯一溌剌とした笑顔を見せる冒頭シーン。受話器を置いて突然踊りだすカットが実に鮮やか!セットや照明も洒落ていて、ムード・アクションという呼び名にも納得。一方で、ウェットすぎる演出と魅力のない裕次郎にはやや辟易した。 | [投票] | |
処女の生血(1974/米=仏=伊) | ポランスキーの『吸血鬼』とはまた全然違うベクトルのユニークさ。 [review] | [投票] | |
野郎に国境はない(1965/日) | キザな小林旭、ヘタレな鈴木やすしのキャラクターや、無国籍なノリに魅力を感じられるならば楽しい映画なのだろうが、どうにも心に引っかからなかった。 | [投票] | |
東京=ソウル=バンコック 実録麻薬地帯(1973/日) | マッチョさとファニーさを兼ね備えた千葉真一の魅力が満載。スーツ姿でビシッと決めた川谷拓三も新鮮だったが、やられっぷりはいつもの拓ボンだった。 | [投票] | |
狂った野獣(1976/日) | 逃げる側と追う側、双方の執念のぶつかり合いが圧倒的なエモーションを生み出している。役者陣のノリの良さが素晴らしく、また渡瀬恒彦の視界が乱れる時の映像表現なんかも悪くない。あくまで単純明快さに徹する中島貞夫のB級魂に惚れ直した。 | [投票] | |
ツリー・オブ・ライフ(2011/米) | 芸術としても人間ドラマとしても中途半端。ストーリーテリングの拙さをハッタリで誤魔化してるのだろうが、そのハッタリさえつまらない。パゾリーニ、ゴダール、フェリーニ、キューブリックらを引き合いに出すまでもない刺激の足りなさ。大仰な音楽もかえって安っぽい。 | [投票] | |
血とダイヤモンド(1964/日) | 光と影の過剰なまでのコントラスト。佐藤允率いる強盗グループが身を隠す廃屋内での、バラバラに配置された人物をロングショットで捉えたカットなど、ユニークな画面造形が全編冴え渡る。 [review] | [投票] | |
悪魔の毒々モンスター東京へ行く(1989/米) | 酷い映画だとは思う。だが、好感の持てない映画ではない。少なくとも、あの手この手で観客を楽しませようとするサービス精神はあるようだ。だとすれば、しょうもないギャグにもあえて乗ってやるのが人情というモノだろう。 [review] | [投票] | |
正義だ!味方だ!全員集合(1975/日) | それなりに笑えるとはいえ全体的に緩いコメディなのだが、サイレント風のドタバタアクションが始まる終盤あたりは演出が乗ってくる。車の破壊・組立ての描写の荒唐無稽さ、屋根の上を滑り落ちるギャグは文句なしに楽しい。完全に付け足しのラストはご愛嬌。 | [投票] | |
虎は新鮮な肉を好む(1965/仏) | 監督は「ジャンル映画を撮れることを知らしめた」と語っていたそうだが・・・ご冗談でしょう、と言いたくなる珍妙なアクション映画。むしろ鈴木清順ばりにジャンル映画の解体作業が行われている。ショボい暴力描写に脱力した笑い・・・なんとも微笑ましい。 | [投票] | |
緋牡丹博徒 お竜参上(1970/日) | 自ら小指を詰める安部徹の恨みがましい表情!彼の卑劣漢ぶりが半端ではなく、物語は凄惨を極めるが、それゆえに加藤泰演出の激しさも増している。これも『花札勝負』にまったく劣らない、芸術性と娯楽性を兼ね備えた傑作だ。 | [投票] | |
不戦勝(1965/ポーランド) | 演出・カメラワーク共になかなか実験的なことをやっていて、視覚的には楽しいが、最後まで観てもこの映画が一体何だったのか分からずじまい。ところどころ寝てしまった。 | [投票] | |
キンスキー、我が最愛の敵(1999/英=独=フィンランド=米) | こんな頭のおかしい奴とは関わりたくないが、ヘルツォークが思い入れたっぷりに語るせいで愛すべき人物に思えてしまう不思議。ヒステリックに怒鳴り散らすキンスキー、笑顔で監督とじゃれあうキンスキー。その多面的な人物像に惹かれるものはある。 | [投票] |