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太陽と戦慄さんのコメント: 投票数順

★4カニバイシュ(1988/ポルトガル=仏=伊=スイス)ヴィスコンティのような格調高い画面と、鈴木清順でもここまでやるだろうかというようなふざけきった演出が同居しているが、まるでそれが当然と言わんばかりのオリヴェイラは、まったく超然としているというか、変人というか、どうとも形容し難い。 [review][投票(1)]
★4徳川セックス禁止令 色情大名(1972/日)バカとエロで権力を茶化す鈴木則文の真骨頂。マヌケさの中にも垣間見える作り手のマジな姿勢が頼もしい。クライマックスのシリアスな転調こそ映画的だ。荒木一郎の音楽のミスマッチ感も素晴らしく、特に切腹シーンはアヴァンギャルドの領域。[投票(1)]
★4フルスタリョフ、車を!(1998/仏=露)大勢の人物たちがそれぞれ解読不能な言葉を喚き散らし、成り立っていない会話が延々展開される。寒々とした風景と相反するような賑やかさ、動的なカメラが生み出すエネルギッシュな映像には、猥雑さが増したフェリーニという印象さえ持った。[投票(1)]
★3ブラック・スワン(2010/米)鏡に映る自分自身に怯えるポートマン。ラストに至るまで、鏡が恐怖を盛り上げるアイテムとして効果的に使用される。しかし、不安定な精神を表現するのにカメラまで不安定である必要はない。[投票(1)]
★3長江哀歌(2006/中国)画面の奥のほうで突然に起こる異変。何も起こらないような物語の影で、確実に「何か」が起こっている。ハッとさせられる瞬間をうまく捉えた映画だ。[投票(1)]
★2ゴールデンスランバー(2010/日)劇団ひとりの安い三文芝居は見るに耐えないが、それがお似合いと思えるほど映画の出来もお粗末。そりゃないだろうと言いたくなる、違和感だらけの展開には目を瞑ったとしても、設定のスケールの大きさに演出がまったく追いついてないのは駄目だろう。[投票(1)]
★4(500)日のサマー(2009/米)恋をした時の恐ろしく視野が狭くなっていく感じ、独りよがりに陥っていく感じを、ジョセフ・ゴードン・レヴィットが見事に体現。この情けなさを通過してこそ人は大人になっていく・・・のか?未だに自信がない・・・。[投票(1)]
★3黒い十人の女(1961/日)気の利いた設定のわりには展開にさしたる面白味がない。これだけ多彩な女優を集めているのに、それぞれの個性が浮き彫りにならず、十把一絡げのような扱いになってしまったのは勿体ない。台詞もやたら説明臭く、この市川崑演出にはまったく好感持てず。[投票(1)]
★5車夫遊侠伝 喧嘩辰(1964/日)一本気で喧嘩っ早い主人公といい、貫禄ゼロのすっとぼけた親分といい、登場キャラクターがマンガそのもので、これは脚本にクレジットされている鈴木則文の嗜好と思われるが、このクセのある人物たちを見ているだけでも充分楽しい。 [review][投票(1)]
★3喜劇 日本列島震度0(1973/日)誰もが単調な日々の営みに閉塞感を覚えているからこそ、地震という極端な状況を夢想することは人々に生気を取り戻させる。災害こそが希望の光であり、終わりの見えぬ日常から脱するための突破口であるという逆説。シニカルさが歪な魅力を放つ異色喜劇。[投票(1)]
★2サマーウォーズ(2009/日)巨大スケールの危機を形だけは描いても、終始ままごとのノリなので、正義の連帯もカタルシスを生まず茶番にしかならない。可愛い女子の前でいい格好したいという非モテ男子の露骨な願望に、自慰的な気色悪さもぷんぷん臭う。監督とは女の趣味も合わない。[投票(1)]
★4松ヶ根乱射事件(2006/日)田舎者の醜悪さをねちっこく描きながらも、単なる露悪趣味に陥らない見事なユーモア感覚。木村祐一にゆすられる双子の兄が、自転車で爆走しながら泣き叫ぶシーンの悲哀感には打たれる。この情けなさすぎる姿こそ、僕にとってのリアルな青春だ。[投票(1)]
★4そろばんずく(1986/日)狙いまくったシュールな描写は全面的に好きとは言えないものの、この頃までの森田演出に時代性とリンクした魅力があったのは確か。徹底して笑えないギャグの積み重ねによって生まれる白けきった空気感は『みんな〜やってるか!』と双璧。この異様さは得難い。[投票(1)]
★3嫌われ松子の一生(2006/日)この監督の小賢しくて下品な演出や画面作りがどうしても好きになれないのだが、とてもよく作り込まれているのは認めざるを得ない。決してつまらない映画じゃないとは思う。 [review][投票(1)]
★4ビヨンド(1980/伊)残酷描写への執拗且つ意味不明なこだわりは、『やくざ刑罰史 私刑!』あたりの石井輝男作品にも匹敵する。このいかがわしさが堪らない魅力であるが、その一方で冒頭やラストの美しさには、単なるキワモノではないフルチの才能を充分に感じ取れる。[投票(1)]
★2悪魔の部屋(1982/日)舞台がほぼ室内に限定されているため映像的な変化が乏しいうえに、演出に緊張感が全然なく弛緩しきっている。しつこくインサートされる屋外のショットも意味不明。ジョニー大倉の好演は見物だが、何度となく睡魔に襲われた。[投票(1)]
★4マンハッタン(1979/米)こんなにぐじゃぐじゃな男女関係を描いているのにじめじめしない、余裕とユーモアがあって、みんな悩みながらも結構楽しそう。男も女も気まぐれで自分勝手で、どうしようもないけれど、恋っていうのはそういうもんじゃん!と全肯定するような姿勢が素敵。[投票(1)]
★4ポンヌフの恋人(1991/仏)あんまり出来がいい映画だとは思わない。暗い映画なんだけど、なんでこんなに暗いのかがよく分からないし。いろいろ納得がいかないところは、確かにある。 [review][投票(1)]
★3ドリーマーズ(2003/伊=仏=英=米)ドリカム編成のシネフィル3人組が繰り広げる変態青春エロ映画。チャップリンキートンのどちらが偉大かを議論し合うシーンなど、典型的なウザいオタクの会話って感じで笑ってしまった。欲望に忠実なのか、頭でっかちなのか、よく分からない。 [review][投票(1)]
★4パンチドランク・ラブ(2002/米)アダム・サンドラーの性格描写が面白い。キレやすくて危ない性格なのに、彼女の前では必死でそれを隠して紳士のように振舞う様がいじらしくて堪らない。また、過剰なまでにうざったい姉たちの描写で、彼の屈折の原因も痛いほどよく伝わる。 [review][投票(1)]