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太陽と戦慄さんのコメント: 投票数順

★5日本侠花伝(1973/日)人物を手前と奥に配置して奥行きを強調した画面設計。それが構図の面白さのみにとどまらず、ユーモアとして機能した「くしゃみ我慢」のシーンは秀逸。これに限らず、画面に映る全てのものに興味を惹かせる演出のこだわりが隅々まで行き届いている。 [review][投票]
★4男の顔は履歴書(1966/日)民族対立という、一筋縄ではいかないテーマにあえて踏み込んだ監督の意欲を買いたい。ここで提起されている問題は、今でも充分に通用すると思う。配役も新鮮で、医者を演じる安藤昇、殴り合いの喧嘩を繰り広げる伊丹十三なんて他では見られまい。[投票]
★3炎の城(1960/日)狂人の振りをする大川橋蔵の芝居が臭く、加藤泰の情念演出も空回りしている。百姓たちが決起するクライマックスの映像美は流石だが、どうにも間の抜けた映画だ。刀に小細工を施すシーンのセコさには笑ってしまう。[投票]
★4紙の花(1959/インド)ヒロインが撮影所のセットの中に迷い込んでしまうシーンが印象的。真っ暗な室内に一筋の光が差し込む、『市民ケーン』ばりの鮮烈なショットには瞠目。華やかな歌唱シーンと陰鬱な物語が同居している不思議な作品だが、ドラマチックな展開はいかにも映画的だ。[投票]
★4現代娼婦考 制服の下のうずき(1974/日)ヒロインのやさぐれきった佇まい、回想シーンの暗さが何とも言えず良い。洗車場のシーンの緊張感は曾根中生の真骨頂。[投票]
★4若妻官能クラブ 絶頂遊戯(1980/日)まったく訳の分からない脱衣テニスシーンの間抜けともシュールとも言える演出が、映画全編を覆う80年代的ダサさと相俟って味わい深い。凝った撮影には作り手の意欲を感じるし、アイドル顔の主演女優もなかなかだった。[投票]
★4安藤昇のわが逃亡とSEXの記録(1976/日)やたらカッコつけてるわりにカッコいいことは何もやってない安藤組長。石橋蓮司にしろ蟹江敬三にしろ、ヤクザのギラギラ感よりも情けなさが強調される。東映実録路線でありながら日活の田中登を起用した本作は、まさしく異色の作品に仕上がった。[投票]
★4実録外伝 大阪電撃作戦(1976/日)脇に至るまでイイ顔揃いな役者陣が最高。ボクシングの試合が大乱闘に発展する冒頭シーンをはじめコミカルな演出が多く、どこか愛嬌のあるヤクザ像が楽しい。中でも芸者たちとドンチャン騒ぎをしている時の、松方の目を剥いたえげつない表情とアクションは出色。[投票]
★4アバウト・シュミット(2002/米)東京物語』の笠智衆には、孤独を当然のこととして受け入れるような超然とした佇まいを感じたが、この映画の主人公は孤独を受け入れられず足掻いて、尚且つその足掻きが報われない。そこが悲しくも人間的だし、ニコルソンが演じることで微妙な可笑しみも生まれた。[投票]
★4ゴダール・ソシアリスム(2010/スイス=仏)文句なしに美しいし、かっこいい。相変わらずストーリーは皆無だが、あの澄み渡るような青空だけでもゴダールは素晴らしいと思う。更に言えば、女優の胸元を強調するような撮り方がやたら目立ったので、まったくこのスケベジジイは!と嬉しい気持ちにもなった。[投票]
★3ロッキー・ザ・ファイナル(2006/米)努力や根性が美徳とイコールで結ばれるような価値観に抵抗のない人にとっては、素晴らしく感動できる映画なのだと思う。自分はそうではないので、説教されてるみたいでしんどかった。息子の心の葛藤に、もうちょっと理解を示してやってもいいと思うが。[投票]
★4夏物語(1996/仏)恋愛の結果よりもプロセスを丹念に描くのがロメールの良いところ。誰と付き合っても良さそうなのに、それぞれの女に美点があるため、なかなか結論を出せない主人公。でも、そんな滅多にない状況を楽しんでるようにも見えて、心底羨ましいよ・・・。[投票]
★3わたしの凡てを(1954/日)早口の関西弁でまくしたてる有馬稲子が強烈な印象。プライドの高い女を見事に演じきってる。彼女が時折見せる刺すような視線が凄い。[投票]
★4団鬼六「黒い鬼火」より 貴婦人縛り壺(1977/日)責められ悶絶しまくる谷ナオミに興奮。荒唐無稽なストーリー展開もそれはそれで味がある。[投票]
★4ウォレスとグルミット チーズ・ホリデー(1989/英)孤独なロボットの姿に、思わず『WALL・E』を想起させられた。バックグラウンドは語られずとも、その佇まいだけで哀切を感じさせるキャラクター。彼にも良いパートナーが見つかることを願う。[投票]
★4イワン雷帝(第一部・第二部)(1946/露)何の予備知識もない僕でさえ、「これがイワン雷帝だ!」と言われれば確かにそうだろうと思うしかない、ニコライ・チェルカーソフの堂々たる雷帝っぷり。細かい所作にさえ滲み出るカリスマ性が見物。カラーパートに至って、彼の禍々しいオーラは頂点に達する。[投票]
★3ミラノの奇蹟(1951/伊)風の谷のナウシカ』のナウシカに心を動かされないのと同様、人格的欠点皆無な主人公のキャラにまず白ける。奇蹟の描写はカタルシスも何もないうえやたらしつこく、いい加減にしろとさえ思う。その突拍子のなさと何でもアリ感が微妙に面白くはあるが。[投票]
★4黄線地帯(1960/日)迷路のような街の造形とカラフルな照明が楽しく、天知茂のキザな台詞もいちいち様になる。たいした活躍をしない吉田輝雄が何故かヒーロー的に格好良く描かれるのも、実に面白い。彼の傍観者的ポジションが、後の石井作品でも欠かせない要素になっていく。[投票]
★4昇り竜鉄火肌(1969/日)役者はそれぞれ好演してるが、珍妙なシーンの連発に、まともな仁侠映画を撮る気がない石井輝男の姿勢がはっきり見てとれる。それを楽しむか呆れるかが評価の分かれ目だが、ラストの殴り込みには誰もが堪えきれず笑ってしまうんじゃないか・・・。[投票]
★3恋の門(2004/日)散りばめられた小ネタが楽しく感じられるのは前半だけで、後半見事に失速。酒井若菜が可愛いというだけではどうにもならん。オタクも童貞も深く掘り下げられることなく記号としてしか機能しないのが辛い。忌野清志郎の使い方に至っては完全な内輪受け。[投票]