コメンテータ
ランキング
HELP

水那岐さんのコメント: 更新順

★2哀愁の夜(1966/日)舟木一夫は泣き出しそうな声で悪人を糾弾する、探偵には似つかわしくないキャラクター。和泉雅子は陽性で微笑ましいが、当時人気絶頂の『オバQ』のアニメーターが、自分勝手に海外旅行などできる筈もなかろう。このあたり、日活の「ムードアクション」路線も袋小路に落ち込んだ観がある。[投票]
★3火火〈ひび〉(2004/日)焼き物の修羅と化し、我が子への愛情すらも表には見せずに情熱を信楽焼きに賭ける女の一代記であったなら、この映画の輝きは倍増したろう。だが、息子が死病に取り付かれたと判った途端、作品はお座なりな愛情物語に堕してしまう。 [review][投票(3)]
★5嫌われ松子の一生(2006/日)ここまで陰惨な原作を、ディズニーのファンタジック・ミュージカルのように彩り、爽やかな余韻すらも残す中島哲也監督。やはり、尋常な才能とは思えない! [review][投票(14)]
★2昭和枯れすすき(1975/日)秋吉久美子は、70年代前半の映画界を覆っていた虚無と絶望を一身に受け、体現していた女優なのだと、その当時の主演作を観るたびに痛感させられてしまう。 [review][投票(2)]
★5間宮兄弟(2006/日)敢えて言おう、『電車男』は裏切り者の物語だ。我らオタクにとってもっとも親密な朋友、そして我らの実像こそが『間宮兄弟』なのだと。 [review][投票(20)]
★2NERO ザ・ダーク・エンペラー(2004/伊=スペイン=英)衣装は綺麗。人物の掘り下げ方が足りないためか、ネロが「方法を間違えた理想主義者」という、ステロタイプな人物に落ち着いてしまう。彼の複雑な側面を描かぬ限り、『スター・ウォーズ』のダース・ヴェイダーに等しく子供騙しにしか映らない。[投票]
★4銀のエンゼル(2004/日)東京のコンビニなど擬似交流すらない人間砂漠の最たるものだけれど、まだまだ地方の町村では町民のコミュニティとして機能しているようだ。その中で、自分の知らない隙間が廻りにいくつも育っているのを知った父親の驚愕と悲嘆。小日向文世の好演が際立つ。[投票(2)]
★3惑星大怪獣ネガドン(2005/日)大人向け怪獣映画が永遠に「冒険」であり続けることが理解される現在、大人たちに残された鬱憤の捌け口はここにしかないのかもしれない。夕日町三丁目からしか覗くことのできない「永遠の昭和」のひそかな愉しみ。[投票]
★3カクレンボ(2005/日)大友克洋ばりのオリエンタルな大都会描写は見事なもの。ヴィジュアル的にも閉鎖空間と化した都会が立派にイマジネートされているが、もう驚かない。→ [review][投票]
★3河内カルメン(1966/日)他の監督が撮れば「お色気アバンチュール・コメディ」にでもなろうものを、清順はこれを「トラウマ・セックス地獄めぐり」にしてしまった。やっぱりこの監督間違いなく基地外だ。[投票]
★3びっくり五十三次(1954/日)野村芳太郎のナレーション好きは既にこの頃確立されていたようだ。泣かせのシーンと見せてスルリと抜ける茶目っ気は何とも小憎らしいテクニックであり、セリフに応じて劇伴音楽がコロコロ変わるなど小技も効いている。[投票(1)]
★2SHINOBI(2005/日)双方の忍者たちのエスニックな風体とヘアスタイルは面白いが、生のダイナミズムや愛情への激しい渇望はなく、さらりと流されてしまっているあたり物足りない。そのぶん鬼気迫る戦闘が描かれていたなら文句はないのだが…。悲劇は人間そのものへの深い洞察抜きには成立し得ない。できてもロミオ&ジュリエットの下手な剽窃に留まる。[投票(1)]
★2鞍馬天狗 角兵衛獅子(1951/日)強いのか、はたまた滅法弱いのか判らない「天狗のおじさん」。いくら優しくとも、こんな情けない正義の味方に当時の子供は満足したのだろうか。脚本と編集の徹底した下手さに理由があり、アラカンは熱演していただろうことは判るのだが…。 [review][投票(1)]
★3寝ずの番(2005/日)一夜を徹してハイになりまくる死者の一族郎党。猥歌で盛り上がり、一夜だけの誰にも見せることなき芸を連発するかれらは、初対面の人間も含めて擬似ファミリーへと変貌する。なにかこの大人たちのノリは、舞台がはねた学園祭の生徒たちによる二次会に酷似していて、思わず頬を緩ませられる。[投票(2)]
★3運が良けりゃ(1966/日)落語から換骨奪胎したギャグは端から本家に劣り、ことさら新鮮味はなし。しかし年を経るほど当りが少なくなるハナ=山田コンビの作品としては、なかなか爽やかに観られた。倍賞千恵子のお転婆ぶりも愛らしい。[投票(1)]
★3野菊の如き君なりき(1955/日)内容は既に風化しているが、この古色蒼然とした『野菊の墓』を飽きさせずに見させたのはやはり評価すべきだろう。いちいち入る笠智衆の「歌」は空回りしており、追想からの回帰は現実に引き戻される効果しか生まないのだが。[投票]
★3RENT レント(2005/米)連帯の時代だった20世紀中期を越え、ベトナム戦争の傷跡は癒えたものの、個人の幸福のみを追うに至った世紀末に製作されたこのミュージカルは、例えば『ヘアー』なども持つ貧しくもそれを乗り越えるパワーは持ち合わせない。だが本作の中には、瞠目させられる珠玉のことばがある。 [review][投票(3)]
★2鉄火場の風(1960/日)熊井啓が日活から「そうしろ」と命じられたのか、チンピラはおろかいい壮年男までもが「○○だぜ」などという言葉を口走るのには失笑させられた。赤木圭一郎は主役を張れる頃よりもこの頃のほうが男前である。[投票]
★3続拝啓天皇陛下様(1964/日)時代の幸運と不運。軽蔑される「チャンコロ」と嫉妬される「第三国人」。犬が結びつけた令夫人と、米兵に引き離されたパンパン。大便にまみれた「ウンコ屋」と戦後なお高貴であり続ける「天皇陛下」。…それでも、生きていかなければならないのだ。 [review][投票(3)]
★5仮面ライダー THE FIRST(2005/日)表情や感情を仮面に隠す、おお、絢爛たるマスカー・ワールド。死にゆく怪人たちの秘めた思いは、石ノ森章太郎よりそのまま井上敏樹に受け継がれた!! [review][投票(2)]