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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★3素浪人罷通る(1947/日)当時全盛の産みの親賛美の物語のなかでもある意味極北。現代では見事にリアリティが失われた物語構造で、醒めて眺めるとかえって面白かったりする。序盤のドタバタが面白い。 [review][投票]
★3われ幻の魚を見たり(1950/日)いかにも明治の人間が喜びそうな夫唱婦随の立志伝。控え目に云って苦手だが、端々の描写に明治大正の含蓄が篭っているのが見処。 [review][投票]
★2王将一代(1955/日)阪妻版より長い期間を一篇に押し込めて描写は淡泊、辰巳柳太郎なのに三吉は印象散漫で、収束に至っては訳が判らない。現像失敗などトラブルが多かったらしく、不幸な一作なのだろう。 [review][投票]
★4花嫁の寝言(1933/日)姉妹編『花婿の寝言』から教訓を取り去ったようなナンセンスコメディ。いつもの面々がバカバカしいお笑いに打ち込む様が美しい。 [review][投票]
★5愛撫(アムール)(1933/日)家父長制はある日突然破綻したのではなく、このような和解の積み重ねでもって相対化されたのだと判る好篇。フランス語のサブタイトルが効いている。本作の岡田嘉子は小川真由美似。 [review][投票]
★4五重塔(1944/日)名刀美女丸』みたいな匠の戦意高揚映画かと思いきやまるで違った。上官の命令は絶対の時代にこれ撮っちゃうのは凄いことだろう。 [review][投票]
★3或る夜ふたたび(1956/日)失業者佐野周二の屈託と謎の乙羽信子で序中盤はひたすら面白いのに終盤失速。不快な風俗記録に終わった。五所作品には当時の常識の差別が何本かあり、鑑賞機会が少ないのもむべなるかな。 [review][投票]
★4愛と死の谷間(1954/日)実存と不安の椎名麟三作。ポール・オースター好みの主題は、安楽死や貧困地域の際限のない無償医療の要求を受け止める津島恵子を漠然とだが宗教に向かわせる。ブラックユーモアは余計。 [review][投票]
★5わかれ雲(1951/日)穿った天邪鬼の生態考察で『愛撫』の変奏の趣。私もその気があるのでイタい映画だった。沢村契恵子好演。五所らしい脇役の活写も愉しくドラ娘倉田マユミが印象的。 [review][投票]
★2欲(1958/日)幾らでも面白くなりそうな喜劇なのに全く笑えず客席は静まり返っていた。観客が自分を嗤うように仕向けられるブラックユーモアは白坂の先駆の類で興味深いのだけれど、五所平好みじゃないのだろう。収束はこれも時代遅れ。 [review][投票]
★2チスル(2012/韓国)悲劇的事件をアートっぽく撮って虻蜂取らず。派手に撮るばかりなのは素人と証明して判りやすく、劇伴だけお涙頂戴なのがキツい。別の監督で全部やり直し希望。 [review][投票]
★4蜂の旅人(1986/仏=伊=ギリシャ)ポップス連発する吸血娘アメリカ。対するマストロヤンニは歌を知らない。 [review][投票]
★3霊幻道士(1985/香港)残業帰りにカップ麺喰らいながら下らねえと云いながらひとり観るのに格好の映画。そういう図しか思い浮かばない。 [review][投票]
★4デッド・オブ・ナイト(1972/米=カナダ=英)ベースの物語と登場人物の回顧譚5作(1.霊柩車の運転手・2.クリスマスパーティ・3.呪われた鏡・4.ゴルファー物語・5.腹話術師)から成り、モノクロらしい深夜と真昼の得体の知れなさが蔓延している。コメディ作品4がHGウェルズ原作の由。 [review][投票]
★4アルチバルド・デ・ラ・クルスの犯罪的人生(1955/メキシコ)過去の異常事にかかるトンデモ批評の連発。『銀河』や『ブルジョアジー』などフランス移動後の傑作群に直結するタッチでもって、意地悪爺さんは人の善意と悪意を揶揄い続ける。 [review][投票]
★3ブルー・ガーディニア(1953/米)上質のサイコサスペンス。アン・バクスター横転時のぐるぐる渦巻きのイメージが白眉で『サイコ』に先行している。収束が弱いのが残念。 [review][投票]
★3戦艦バウンティ号の叛乱(1935/米)冒頭、「喜べ、海軍に入れてやる」と酒場に乱入して客を無理矢理連行する強制徴募隊。ボスのクラーク・ゲーブルは悪役なんだなと見ていると以降は正義感になるのが訳判らなかった。昔の常識は計り知れない。 [review][投票]
★3スピオーネ(1928/独)序盤と終盤の演出は冴えまくっている。この調子で全編通してほしいのだが、中盤は淡々と物語を追うのが当時の常識だったのだろうか(オーソン・ウェルズも同様だ)。大半はありがちな物語を追いかけるばかり。ハラキリは笑えるが。 [review][投票]
★3タルチュフ(1926/独)複雑な現実を一方的な視点から裁断しており浅墓な印象。美術は素晴らしく、グロテスクに大きな呼び鈴のベルがいかにもサイレント映画の小物で異常に印象に残る。 [review][投票]
★4素晴らしい哉人生(1924/米)ポーランド人はなんて苦労したのだろう。この苦労は、ドイツ人は忘れてもポーランド人は絶対忘れないのだろう。映画はそんななか、小さな幸せを綴ってIsn’t Life Wonderful?と呼びかける。肉屋の行列の件がすごい。 [review][投票]