★2 | 高橋英樹ではインテリに見えず、吉永小百合では、漂泊の旅芸人に見えない。両者の交流をのんべんだらりとキャメラは追うが、鳴動するものが皆無。旅情、恋情、懐旧の情一切合財がフィルムの表面にも表面下にも現われてこなかった。何を撮りたかったのか。 (ジェリー) | [投票] |
★4 | 原作との相違はプロローグとエピローグの追加以上に十朱幸代演じる酌婦や郷えい治にまつわるシーケンスの追加が重要だろう。性的な描写が盛り込まれ過ぎ原作の持つ清冽さが損なわれた感もあるが貧しい庶民の悲哀と図太さを現して映画を豊かにしている。吉永小百合は14歳の可憐な表情を見せる場面もあるが、多くは成熟し過ぎな印象。 (ゑぎ) | [投票(1)] |
★3 | 「活動に連れていってほしい」とあれほどねだっていたのに、願いが叶わなかったのは、映画好きとしては観ていて辛い・・・という細かい感想はさておき、幼い恋心をピシッと諦めさせた浪花千栄子の演技が大変に良かった。 [review] (青山実花) | [投票(1)] |
★4 | シンプルながら味わい深い日活文芸映画の佳作。屈託のない踊子(吉永小百合)の行く末が、酌婦達(南田洋子・十朱幸代)の末路や野卑な人夫頭との関係に暗示され実に切ない。若いカップルを見つめる老教授(宇野重吉)の悔悟も胸を打つ。 (ぽんしゅう) | [投票(2)] |