イレイザーヘッド(1977/米) | ★3 ヘンリー(ジャック・ナンス、当時はジョン・ナンス)はボサボサ頭で神経質な男。煤煙たちこめる工業都市の小さな部屋(26号室)に住んでいる。ヘンリーは親の薦めで、ある娘と無理やり結婚させられるが、まもなく自然の法則で赤ん坊が生まれてしまう。それにともないヘンリーの不安や悩みが増幅され、悪夢はどんどん膨らんでゆく……。美大を卒業してまもないデビッド・リンチの劇場公開デビュー作。資金不足のため、監督みずから撮影の合間にウォールストリート・ジャーナルを配達していた。撮影開始は 1971 年。白黒/約 89 分。 (カフカのすあま) | [投票(6)] |
カリガリ博士(1919/独) | ★5 ふたりの男が並んで腰をかけている。そこに一人の女がフラフラ歩いてくる。美しいがかなり病んでる。視線も定まっていないし動きも異様。どう見てもアヤシイ。そんな彼女を指し示し、男の一人が話しだす。「実はオレ、彼女の婚約者なんだけどね…。」そして、彼らが体験したオソロシイ話が、何もかもが奇妙に歪む不思議な町の映像とともに再現されていく…。サイレントの古典にしてホラーの原型でもあるという狂気の殺人鬼モノ。夜祭り、見せ物小屋、香具師、眠り男、予言、連続殺人、影、おびえる女、拘束衣、精神病院、心の闇、催眠術、古い文献…。本来はもっと短い作品だったが、検閲を恐れた制作者が上記のシーンとエピローグを付け加えさせたとのこと。ドイツ表現主義について→ [more] (tredair) | [投票(16)] |
永遠と一日(1998/仏=伊=ギリシャ) | ★4 詩人は不治の病に冒され、余命幾ばくもない。身辺整理を済ませ、メイドにも暇を出し、自分は旅に出ると娘に嘘をついて入院することにする。ところが、娘から大切な思い出の残る「海辺の家」を売りに出したことを告げられ、愕然とする詩人。その瞬間から、妻や生まれたばかりの娘、親戚たちと過ごした「ある夏の日の一日」を強く思い出し始める。一方、街で車の窓拭きをするアルバニア難民のストリートチルドレンの少年と知り合うが、ふとしたことから、少年が「人身売買市場」に売りに出される事を知る。思わず助けようとする詩人。少年との出会いは、過去と現在を行き来し、自分の芸術、思索を振り返る旅でもあった。 [more] (ボイス母) | [投票(3)] |
完全なる飼育(1999/日) | ★2 ある日、拉致された女子高生・邦子(小島)。そして彼女をアパートに運び込み、縛り上げた所で「ごめんなさい!」と言う中年男・岩国(竹中)。岩国は「完全な愛が欲しくて連れてきた。」と言うが、当然、邦子はイヤイヤする。まるで子供をあやす様に岩国は一生懸命。しかし、邦子が逃げようとすると容赦なく縛り上げ「何で判ってくれないんだ!」と躾けるのだった。いつしか邦子も監禁生活に慣れてきて、岩国との生活を楽しむようになってきた、のか?実話を元に脚色されたお話。新潟の少女監禁事件で少女は「犯人を許せない!」と言ってるが、こっちは「パパは悪い人じゃない」と庇っているとか…。男の根性を見る一作(犯罪だけど)。 (ピロちゃんきゅ〜) | [投票(7)] |
硝子の塔(1993/米) | ★2 はいはい、寄ってらっしゃい見てらっしゃい!さぁさぁ、ここに用意したのは天下御免のシャロンストーン!ストーンといやぁ、誰もが知ってるスペシャリストの女優さんだぁ!え、知らない?ばか言っちゃいけねえよ。あれだよ?マイケルダグラスを虜にした女だよ?あいたたた、スタローンの間違いよ。ってなわけで、さぁ!さぁ!さぁ!今日の出し物は掘り出しモンだ。ストーンの私生活が色んな角度で覗けるってんだからお宝モンだぁね。天下の女優さんがオフロ場であんなこんなどころか、男の部屋でおぅおうおぅ、言っちゃぁいけねえ。そこが商売ってもんよ。さぁ、1週間覗きぱなしで350円。どうでいどうでい! (ピロちゃんきゅ〜) | [投票(14)] |
ゴーストワールド(2000/米) | ★5 高校卒業後青春を持てあましてぷらっぷらしている根性曲がり&仏頂面のイーニド(ソーラ・バーチ)と友人レベッカ(スカーレット・ヨハンスン)。待ちぼうけを食らわせて笑ってやろうと出会系広告でいたずら電話。呼び出した男がなんとブシェ〜ミ(シーモア)。初めは面白半分に尾行する二人だったが、自分と同じ匂いを感じたのか、イーニドは次第にブシェ〜ミに興味を持ちはじめる・・・。
原作はアメリカの人気コミック(だそうだ)
[more] (ペペロンチーノ) | [投票(10)] |
パンチライン(1988/米) | ★4 医学部を放校になったスティーブントム・ハンクスは、街のスタンダップ・コミック・バーでの人気者。一方、ライラサリー・フィールドは、子供がいる主婦で同じようにスタンダップ・コミック・バーに立つのだが、客の受けが悪い。そんな二人が出会い、惹かれあう。またスティーブンの教えで客に受けるようになるライラ。そして、TV局主催のコンテストに二人で出場することになるが。。はたしてその結果は!そして、二人の間はどうなる!
この映画では男女として惹かれあう二人なのに、『フォレスト・ガンプ』では母子となってしまう二人ってのも、可笑しい。と当人達も思ってくれているでしょう。 [more] (ALPACA) | [投票(4)] |
砂漠のシモン(1965/メキシコ) | ★4 見渡す限り続く砂漠のど真中に、突如としてそびえ立つ奇妙なやぐら。その上で世俗と離れ修行に勤しむ聖人シモン(クラウディオ・ブルック)。そんな彼の前に現る謎の女(シルビア・ピナル)。実は彼女、人間に化けてシモンをたぶらかして、やぐらから下ろそうとする小悪魔。自慢の「足見せ」攻撃を始めとして、様々な手練手管でシモンを窮地に追いやりつつ、映画は実に珍妙な世界へと突入。果たしてその行方は如何に?ブニュエル氏が再びメキシコ資本で撮った45分余りの中篇。氏はこの妄想に悩まされる男が大層お気に入りだったそうな。ちなみに巖谷國士氏曰く「天地の関係をカメラの上下動として撮った、クレーン偏重映画」だそうで。ベネチア国際映画祭審査員特別賞('65)。 (くたー) | [投票(3)] |
バトル・ロワイアル(2000/日) | ★3 神奈川県城山中学3年B組の生徒42人は新世紀教育改革法により、最後の1人になるまで殺し合いを続けるというゲームの対象に選ばれた。離島に隔離された生徒達は任意に渡された武器を手に取り否応なしにゲームに参加させられる。スポーツ万能の七原(藤原竜也)は、負傷した中川(前田亜季)とともに生き残る道を探る。その他の生徒は戦闘の意志をむき出しにして闘う者、隠れる者、仲間を集める者、自殺を図る者、ゲームからの脱出を企てる者と様々。極限状態に追いつめられた時、人を信じる事、生きる事を問いつめた問題作。原作は反社会的な内容から、出版まで紆余曲折だった。 (more)は小説と映画の相違や生徒名簿について [more] (アルシュ) | [投票(24)] |
話の話(1979/露) | ★4 住んでいた人が引っ越していき廃屋となった家の前で、狼の子は回想する。親子が平和に暮らしていた時代。子どもたちが縄飛びで遊んでいたあの昔。男女が街燈の下でダンスを踊ったあの頃。そして男たちが戦争に駆り出されていったあの時…。どことなくノスタルジックな、また淡々とした画面の中で、狼の子の想い出と現在が交錯する。[27分/カラー/スタンダード] (Yasu) | [投票(5)] |
田園に死す(1974/日) | ★5 奇才(これは本物)・寺山修司の詩集「田園に死す」をモチーフとした異常・異形な映像群。母・後妻・柱時計・恐山・イタコ・空気女・駆落ち・てて無し子・そして、20年前の過去の自分との対話という、その異常な時間軸の中で改めて己を母を存在を考える。圧倒的なイメージングの集大成に驚きを隠せない作品。←作品という響きが似合う映画。余談だが、某大手レンタル屋の「有名人が推す1本」の企画で、あの庵野監督が推してた1本。この映画からどう影響を受ければエヴァが出来あがるのか真剣に検討中。回答望む。それにしても、この映画のあらすじはコメントを書くより遥かに難しかった。 (ピロちゃんきゅ〜) | [投票(11)] |
アタラント号(1934/仏) | ★5 セーヌをひたすら上り下りするだけの船、艀(はしけ)。若き船長であるジャンは村娘のジュリエットと結婚したばかり。ラヴラヴなふたりの新婚生活は順調なように思えたが、やがてジュリエットは艀での単調な生活に飽きだし…。短編も含みたった4本の作品を残し、29才で夭逝したジャン・ヴィゴ。彼の遺作にして代表作でもあるこの映画は、(その前作がアナーキー過ぎると公開禁止を受けたことなどから)配給会社により初めは24分も短縮され、タイトルも当時のヒット曲「流れゆく艀」に変更されるという憂き目にあう。が、1990年、イギリスでひょっこり元のフィルムが見つかったことにより、その年のカンヌ映画祭でみごとに復元公開。絶賛される。公開までのいきさつ付き、101分。 (tredair) | [投票(3)] |
太陽を盗んだ男(1979/日) | ★5 完全武装のちょっとアレな老人が中学生の観光バスを占拠。 「天皇陛下に会わせろ!」皇居に向かって手榴弾。 これを見ていた担任の先生、一念発起で東海原発に進入を敢行。 見事プルトニウムを奪取! 続いてサラ金から金借りて六畳一間で被爆しながら原爆製造に大成功。 気を良くした先生、警視庁を脅しプロ野球の延長放送を要求。 渋谷のデパートから5億円をばら蒔いたりやりたい放題。 しかし!抜ける髪の毛、歯茎から血が! ど〜しよう…そうだ自殺しよう。決意する先生。 だけどできませんヘタレだから。 執拗にせまる不死身の文太刑事との死闘。 壮絶なカーチェイス!武道館での最終決戦!乱れ飛ぶ弾丸(?) ああ!もう時間がない!!はたして東京の運命はいかに!? (toga) | [投票(22)] |
月曜日のユカ(1964/日) | ★5 「ユカ(18歳・加賀まりこ)って、いい娘よ。カワイくって。やさしくって、親切なの。パトロン(加藤武・刑事ではない)と恋人(中尾彬)がいるの。でも誰とでも寝るわ。すんごいサービスだって。男を喜ばすのが最大の喜びなんだって。人生の目的。純なの。無邪気なのよ。でもキスはだめなんだって。伝説よ。清潔だし、商売女と違うのよ。教会にもちゃんと行くんだから。要するに「かわいい女」って事。」「いやいや、我々(おやじ共)の夢のような女性だな。わははは」■「ねぇ、パパ…黒んぼって何で黒いの?」「お前はホント白い」「ねぇ、パパ…コーヒー色の肌ってセクスィー?」「お前は白でいい」「ジャマイカで肌を焼くの」「お前は白でいい」…加賀さん…こんなに可憐だったんですね… (ピロちゃんきゅ〜) | [投票(10)] |
マタンゴ(1963/日) | ★5 現代社会の鬱屈を逃れてヨットで大海原へと繰り出した7人の若者。だがヨットは嵐にもまれ漂流し、とある不気味な島へと辿り着く。難破船に残っていた日誌からこの島には「マタンゴ」というキノコが巣食っていることが分かるが、それを食べたものは二度と姿を見せなくなったというのだ。やがて恐怖と飢餓、絶望感から次第に仲違いがおき、エゴを剥き出しにしていく若者達。そしてついに仲間の一人がマタンゴを食したことから崩壊が始まっていく……。ある世代の方々にはトラウマにもなっている(?)邦画SFホラーの名作。 (荒馬大介) | [投票(4)] |
さらば箱舟(1982/日) | ★5 架空の村“百年村”を舞台に、いとこ同士が結婚すると豚のシッポの生えた子供が産まれるというタブーを犯して一緒になった山崎努と小川真由美の運命を縦糸に、村落共同体が近代化へと脱皮していく過程を横糸にして織り成された、約一世紀にわたる一家の興亡を描く一大叙事詩。ロケ地の沖縄で描かれた寺山映像詩の到達点であり遺言である。G・マルケス「百年の孤独」の映画化として完成するも、マルケスに頑なに断られた作品だが。寺山からみたマルケスとの共通項も、マルケスとしては受け入れられなかったのだろう。が、(コメントへつづく) (ALPACA) | [投票(1)] |
スコピオ・ライジング(1963/米) | ★5 甘くてどこか退廃的な匂い漂う60年代ポップスをBGMに、黒皮をまとったライダーたちの姿をファナティックにかつ淡々と写し撮ったショート・フィルム。挿入されるマーロン・ブランドやヒトラーの肖像のショットや、全編を彩る真紅と深青のイメージに見られる退廃美。アンダーグラウンド映画の元祖的存在ケネス・アンガーの代表作と呼ばれる一作。 (crossage) | [投票(1)] |
アメリ(2001/仏) | ★3 アメリ(オドレイ・トトゥ)は学校へ行かなかったために、周囲の人との触れ合いを知らずに育った。大人になってモンマルトルのカフェで働くようになったアメリは、ある日部屋で見つけた古いおもちゃ箱を元の持ち主の手元にこっそり戻してやったことで、「周りの人を幸せにする」という楽しみを発見する。しかし人の世話に夢中なアメリは、自分の幸せということになるとてんで引っ込み思案。そしてある日、そんな彼女の前に現れたのは、証明写真のボックスに落ちている写真を集めている青年・ニノ(マチュー・カソヴィッツ)だった。[121分/カラー/シネマスコープ] [more] (Yasu) | [投票(10)] |
シュート!(1994/日) | ★2 おっす。オレの名前は田仲俊彦(ナカイ君)。掛高1年生。俺は久保さん(キムタク)に憧れてここのサッカー部に入ったんだ。けど、久保さんが病気で休んでるのをいい事に、神谷(草薙君)っていうヤナヤローが先輩面してボールすら触らせないんだ。ひどいよな?そうしたら不良娘の遠藤(水野美紀)が勝手に挑戦状を叩きつけて試合する事になっちゃって…。大量にリードされて正直あきらめかけたその時、中学の戦友、健二(故・森くん)と和広(シンゴママ)が「サッカーがしたいんですぅ…」(←違うマンガ)ばりに強引にフィールドイン。俺は信じてたぜ!さあ!勝負だ神谷!(まだまだ続く) (注:吾郎ちゃん、存在薄です。かなり後半、馬堀くん役でファールして怪我、退場。) (ピロちゃんきゅ〜) | [投票(11)] |
ヘアスプレー(1987/米) | ★5 1962年のボルチモアを舞台とした、オールディーズがガンガン流れる(ちょっとだけ下品な)ミュージカル。『ピンク・フラミンゴ』で大人気!みんなのアイドル、ディヴァイン様が出演した最期の映画であり、また、今ではすっかりやせてしまった
リッキー・レイクのパッツンパッツンな笑顔が見られるデビュー作。実際にあった黒人差別事件を題材の一つとして、当時のアメリカ文化や若者像などが「カレンズ・ショー」という架空のダンス番組を軸に描かれてゆく。ソニー&シェールのソニー・ボノやブロンディのデボラ・ハリー、ザ・カーズのリック・オケイセック、ルース・ブラウンなど、(まるでアメリカ版三谷幸喜というか竹中直人というかの)多彩な出演者も見どころの94分。 (tredair) | [投票(2)] |