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ゑぎさんのコメント: 更新順

★5燃えよドラゴン(1973/米=香港)この映画においては脚本の出来不出来は勿論、演出・撮影の巧拙も全くとるにたりない埒外の問題に過ぎない。「天才」なんて言葉ではとても収まりきらない、一人の演者の肉体に「映画の神」が宿った奇跡の映画。将来、CGやワイヤーワークに映画の神が宿ることが仮にあったとしても、このような感動を得ることはできないだろう。未曾有の感動。[投票(5)]
★3ドラゴン危機一発(1971/香港)今となればオバカ映画として楽しむこともできるが、しかし、それにしてもファイトシーンのフレーミングとカッティングがいまいちだ。だから「痛み」が表現しきれていない。『燃えよドラゴン』と比較してはいけないが、彼の運動にもまだ神懸ったものが感じられない。後から付け加えたとしか思えない怪鳥音も耳障り。[投票]
★5パジャマゲーム(1957/米)色とりどりの縞模様のパジャマ生地をバックにした冒頭から、ハリー・ストラドリングのカラー撮影の素晴らしさは尋常ではない。 [review][投票(1)]
★3レディ・キラーズ(2004/米)コメディとしてウェルメイドだと思うし、いつもながらソウルフルな音楽の使い方が見事だし、毒気やオフビートの間合いも健在だし、尚且つ手抜き無く実に木目細かく演出されていると思う。一言で云えば面白い。なのにどうしても失望を感じてしまう。コーエン兄弟も枯れてきているように思えてしまう。 [review][投票(7)]
★4愛のそよ風(1973/米)いい映画だ。登場人物全員に納得性がある。また、撮影が素晴らしい。ケイ・レンツが浜辺を走ってきて、ホールデンに抱きつき初めてのキスをするカットなんか完璧じゃないか。とにかくイーストウッドの演出は、すでにこの時点で成熟している。パン・フォーカスとピント送りの演出の勘所を捉えていると思う。犬の名前「Love a lot」[投票]
★5牛泥棒(1943/米)ファーストカットからこの映画が力に満ちた傑作であることを確信する。ウィリアム・A・ウェルマンらしい小刻みな前進後退移動で丹念に緊張感を盛り上げるが、特に冒頭の自警団を組織する過程で観客を完全に映画の世界へ引き込んでしまう。 [review][投票(6)]
★4西部の王者(1944/米)全く名作然とした、ウィリアム・A・ウェルマンレオン・シャムロイによる傑作西部劇。黒澤明』を遙かに凌ぐ、そして『』を想起せずにはいられない素晴らしい合戦シーンがある。 [投票(1)]
★4長屋紳士録(1947/日)飯田蝶子の圧倒的な素晴らしさ。その睨んだ顔の怖いこと。劇中、吉川満子から「あんたは土佐だもん。ブルも入っているけど」と評されるがそんな形容じゃ足りない足りない。般若と云ったほうがシックリくるくらい。また茅ヶ崎の浜辺のシーンで子供から逃げるために走る飯田蝶子も実にいい。 [review][投票(7)]
★4戸田家の兄妹(1941/日)前作『淑女は何を忘れたか』(1937)に引き続き相当のブルジョア家庭を舞台にした映画だが、家屋や家具調度品の豪奢さは前作の比ではない。小津は戦後の作品でも一部の例外(『早春』『お早う』等)を除いてある程度の上流家庭を好んで描いたが、しかしこれほど富裕な家を舞台にしたものは無い。 [review][投票(1)]
★5浮草物語(1934/日)サイレント後期の小津作品だが、もう殆ど小津の特質をゆるぎない形で見ることができる。ローアングルと完璧なアクション繋ぎによる、或いは相似形を反復する画面によるこゝまでの画の安定感は今更ながら映画史上空前絶後だと感じ入る。 [review][投票(3)]
★4タルチュフ(1926/独)モリエールの戯曲を映画中映画としてもってくる構成は趣向として悪くはないと思うけれど、プロローグとエピローグの現実世界が少々教条主義的。 [review][投票(1)]
★4猟奇的な彼女(2001/韓国)前半はヒロイン(チョン・ジヒョン)の表情の演技に頭抜けた独創性を感じたが、中盤からは寧ろコロッケ似のキョヌ(チャ・テヒョン)にたまらない愛おしさを感じてしまう。目を瞠るような画面造型はないが、プロット構成も非常に良くできているし、とても丁寧に演出されている。しかしそれら以上に主役二人のキャラクター作りがこの映画を支えている。 [投票(1)]
★4愛しのタチアナ(1994/フィンランド=独)これをカウリスマキの境地と考えるか、ちょっと作りすぎと考えるか。いずれにしても、すかした演出をこゝまで徹底されると恐れ入るものがある。そんな中でラスト近くのフラッシュバックには飛び上がるほど驚いた。このコントラストの妙も憎たらしい。[投票(2)]
★4エルミタージュ幻想(2002/露=日=独)全編ワンカット、さらに全編主観ショットとする、という企ては確かに不適切な選択だったのだろう。またこれらが喧伝され過ぎたことが見る者にとっては不幸だったとも思う。この映画が途切れないカメラアイの制約から解放されていればどれほど良くなったかと誰もが思ってしまうのは当然だ。 [review][投票(3)]
★4人生案内(1931/露)ジャン・ルノワールを想起させる。ラストでむりからに悲劇にしてしまっているが、「映画の喜び」が伝わって来て嬉しくなるシーンで一杯だ。それにしても最初と最後の変なおじさんの変なお説教はロシア映画らしくて、笑ってしまった。[投票(1)]
★4残酷ドラゴン 血斗!竜門の宿(1967/台湾)巻頭から数分はまさに絶好調だ。縦の構図で見せる見せる。平原の中、木立のある道を行く逃亡者チームへ、悪漢チームが追いかけ斬りつける場面。悪漢達が岩の上へ順々に立ち上がる奥行きのあるカットの素晴らしさ。 [review][投票(2)]
★4八月の狂詩曲(1991/日)将来再評価されるに違いない力を持った映画。「惜しむらくはこれが遺作であれば...」と云われるようになるだろう。この映画はラストシーンのシュールさに尽きるのだが、しかし描きこみの不足があっても中盤までだって悪くない。家屋と人物の出入りのコントロール、望遠レンズでのダイナミックな画角等、黒澤らしさを堪能することができる。[投票(6)]
★4醜聞(1950/日)前半部は実に小気味好い話の運びで、あらためて黒澤の実力に惚れ惚れする。プロット展開の主軸が三船敏郎から志村喬に移るあたりから、黒澤らしい小恥ずかしい台詞や絶叫演技が目に付いてきて興醒めとなるが、それでもこの映画は魅力的な細部に溢れている。 [review][投票(7)]
★3暗黒への転落(1949/米)この映画のボガートのアップは僕が知っているどのボガートよりいい顔をしている。少々オーヴァーアクトかな、と思えるシーンもあるが、彼が佇んでいるだけで、歩いているだけで、何かを考える表情をしているだけで、映画に艶が出る。[投票(2)]
★4暗黒街の女(1958/米)もうただ事ではないムードのギャング映画。このリー・J・コッブは間違いなく『アンタッチャブル』のデ・ニーロより上だ。また、シド・チャリシーのこの肢体。いやあ興奮した。 [review][投票(1)]