水那岐さんのコメント: 更新順
出口のない海(2006/日) | 甘ったれた佐々部清作品に山田洋次がしっかりした軸木を入れるという意味で、いざ海老蔵の出撃シーンまでは期待は大きく高まった。だがそれは、後半15分でもろくも崩壊する。 [review] | [投票(5)] | |
拝啓総理大臣様(1964/日) | シリーズ前2作より切実なテーマだが、あまりにも特異な人々にスポットを当てすぎてしまい、同感の拍手を送りづらくなっているのではないか。われわれは壺井文子を見ただけで笑おうとした口をつぐんでしまう。彼女の存在はしかし、冷厳なる事実なのだ。 [review] | [投票] | |
バックダンサーズ!(2006/日) | 本来天邪鬼な性格の所為か、人が誉める作品よりはけなされたり無視される作品に肩入れしたくなる俺なのだが、これは映画だから、じゃなくテレビで放映したとしても失敗作だ。 [review] | [投票(2)] | |
河童のクゥと夏休み(2007/日) | 確かに良く出来た映画である。一種の怪異譚を軸としてやや古典的なマスコミ批判と、今らしい苛め問題などを絡めて、そつなく仕上げている。しかし原恵一がいま本当に描きたかったのは、こんな作品だったのか? [review] | [投票(1)] | |
無宿(1974/日) | 折角のスコープサイズ画面が勿体ない、奥行きのない風景の中で、勝新と高倉がどこに友情があるのか判らない腐れ縁でともに動く。梶芽衣子の思いがけない可愛さだけが救いの、東宝らしからぬ(勝プロらしき)作品。音楽も妙に安っぽい。 | [投票(2)] | |
天然コケッコー(2007/日) | 些細なこころの隔絶・行き違い。山下敦弘お得意のテーマは、少女漫画という素材と大きくシンクロし、撮り易かったかもしれない。少女の驚いたような表情は、あたかも天から祝福を受けたような愛らしい贈り物。それは陽にまばゆく照り返し、心をほの暖かくしてくれる。 [review] | [投票(7)] | |
気球クラブ、その後(2006/日) | 映像の3/4は散文であり、後の残りは詩である。詩の部分は立派なロマンスと見た。どうしてそこに主軸を置いてくれなかったのか、残念でならない。 [review] | [投票(1)] | |
酒井家のしあわせ(2006/日) | 結局この映画、実にしょーもないダジャレから始まっているのでは。まあ、ラストまで来てやっと許せたのだが。 [review] | [投票] | |
ピアノの森(2007/日) | これはTVシリーズの1クール終了頃に流される総集編的出来であって、物語としてはまだ終わっていない、という印象。映画として一時間半の枠に収めるには無理があった。 [review] | [投票(3)] | |
ボルベール 帰郷(2006/スペイン) | どうしてペネロペ・クルスには、ああまで血赤(クリムゾン)色の風情が良く似合うのだろう。「VOLVER」のヴォーカルは胸に深く突き刺さって紅い軌跡を引きずりつつ虚空に消える。 [review] | [投票(5)] | |
ガメラ対宇宙怪獣バイラス(1968/日) | 既に斜陽の趣を匂わせていた大映、その最後の輝きすら潰えようとしていた経過はこのフィルムの中に刻み込まれている。 [review] | [投票(1)] | |
ダメジン(2006/日) | 全体的に空気が重く、笑うに笑えないダークな雰囲気が漂う。三木監督の『どですかでん』というイメージが濃厚。彼はオリジナルより原作付き(にして原作をナメ切っている)作品の方が良いように思われる。音楽はポップな中にも哀愁がにじみ出ていて秀逸。 | [投票(1)] | |
図鑑に載ってない虫(2007/日) | 明らかに、今までの三木監督作品よりボルテージは落ちている。ナンセンスな笑いが身上とは言え、小ネタ連発の果てに訪れる物語そのものへの驚嘆は、この作品にはない。 [review] | [投票(1)] | |
サイドカーに犬(2007/日) | 拍子抜け。さぞ竹内結子の「カッコいい」女ぶりが見られるのかと期待していたのだが…根岸監督の人物造形の薄っぺらさは、既に老害の域。 [review] | [投票(3)] | |
悲しき天使(2006/日) | 十代ではなく、三十代の女達による、その後の「女たちシリーズ」というので興味を引かれたのだが、三人の女はほとんど最後まで関係を持たず、凡庸な刑事ドラマが続く。各人を掘り下げるのではなく、一見小粋だと見せたがっているような会話で繋ぐドラマは如何なものか? [review] | [投票] | |
憑神〈つきがみ〉(2007/日) | 妻夫木はそろそろ自分の役が見い出せてきたように感ずる。『春の雪』などに較べれば、このコミカルな時代劇の中での彼の貧乏武士は、なんと水を得たように闊達に動いていたことだろうか。 [review] | [投票(1)] | |
吉祥天女(2006/日) | 凡作製造機である及川中監督に今更何も期待しないが、若手女優実力派としては最近活躍が著しい鈴木杏の小夜子を確認すべく劇場に足を運んだ。結果はといえば、鈴木は頑張ってはいるが、彼女にも大きな越えられない壁があることを思い知らされる。彼女は江波杏子という地獄を見た女を前にしては世間知らずのお嬢さんだ。 [review] | [投票(3)] | |
虹の女神(2006/日) | 上野樹里にベタベタなラブロマンスは似合わない。だからそれをコダックのフィルムに永遠に封じ込めてしまうという粋さ加減。ガラッパチな口調で極めて自然な演技だけが眼前を通り過ぎ、そのついでに少女趣味な映画とハチミツの甘さの手紙を「そらよ!」とばかりに投げてよこす演出。その真似の出来ない、至芸。 [review] | [投票(6)] | |
恋する日曜日 私。恋した(2007/日) | 廣木監督らしい異色の難病もの。堀北真希は運命の残酷さに慟哭するどころか、自らの恋にひたむきに生き、醜い女の本性すらも剥き出しにする。けして感動大作に仕上げないのも監督らしい。 [review] | [投票] | |
女帝[エンペラー](2006/中国=香港) | 「女帝」は「エンプレス」でしょッ!…という誰もが思いつくツッコミはさておいて。( 皇后でなくとも男性名詞にはなりません。念のため) [review] | [投票(2)] |