ゑぎさんのコメント: 点数順
市民ケーン(1941/米) | これが世界映画史上のベストワンか? 映画史の「踏み絵」。 [review] | [投票(24)] | |
鳥(1963/米) | 最も映画らしい映画は何か?と問われたならば、私は迷わずヒッチコックの『鳥』と答えるだろう。映画には物語などこれっぽっちも必要じゃない。映画のエッセンスは画面だ。ガソリンスタンド炎上シーンに挿入される大俯瞰ショット(カモメが一羽また一羽とフレームインする)は映画史上最高の視点移動。これこそ映画だ。 | [投票(16)] | |
麦秋(1951/日) | 小津の中では『東京物語』と並ぶ完成度だろう。プロット構成や人物の深みの点でも画面のスペクタクルという点でも最も均整の取れた豊かな映画だ。 [review] | [投票(15)] | |
乱れる(1964/日) | [ネタバレ?(Y1:N5)] これは日本映画史上最高の突き放し。ここまで人間を突き放して描いた成瀬巳喜男の演出に徹底的に打ちのめされる。これに比肩しうるのは、フォード『荒野の女たち』やアルドリッチの『キッスで殺せ』(オリジナル版)ぐらいだろう。 [review] | [投票(15)] | |
許されざる者(1992/米) | この映画の演出の素晴らしさを上げ出せばキリがない。しかしこれだけはどうしても記述しておきたい。ラストの決闘シーンは『リオ・ブラボー』のホークスさえ真っ青という決定的な、現在の活劇では希有の簡潔さである。このガン・ファイトに私は涙を押さえきれなかった。それは純粋に演出力に涙しているのである。 [review] | [投票(13)] | |
恐怖のメロディ(1971/米) | この処女作の完成度は大したものだ。イーストウッドは職人ではなく作家だ。一貫している。不道徳なヒーロー、海の見える風景、忌まわしい過去、フラッシュ・バック、空撮、必要以上に暗く蒼い夜、ロー・キー。この処女作で、もう完全に作家の資質が決定している。 | [投票(13)] | |
友だちのうちはどこ?(1987/イラン) | この映画もドアと窓の映画だ。 [review] | [投票(13)] | |
穴(1960/仏) | いつまでも耳に残る恐るべき音の映画。 [review] | [投票(13)] | |
マイライフ・アズ・ア・ドッグ(1985/スウェーデン) | 見せないことで観客の心を揺すぶり、描かないことを崇高に昇華させる演出の際だった例。 [review] | [投票(13)] | |
チェンジリング(2008/米) | 本当にすべてのシーンが驚きの連続、ハッとさせるディレクションに満ちている。端役の演者においてさえ、所作、表情、台詞の間合い等がほとんど完璧にコントロールされていると感じる。或いはプロットの連携においても見事に統制の取れた演出だ。イーストウッドは前人未踏の域、人類史上最高の映画監督の位置に近付きつつある。 [review] | [投票(12)] | |
トカレフ(1994/日) | 「ご都合主義こそ映画」という極めて当たり前のことを実践しているだけ。映画は力強い画があれば成立する、という確信。 [review] | [投票(12)] | |
続 夕陽のガンマン 地獄の決斗(1966/伊) | これは決定的にウォラックの映画。このキャラクターのUGLYさは狡猾だが憎めない。彼のキャラクタリゼーションの豊かさがこの映画を支えている。砂漠のシーンでピンクの日傘をさしながらイーストウッドをいたぶるウォラックの面白さ!ラスト近く、墓地でのウォラックの疾走。そのカメラワークのスピード感! [review] | [投票(12)] | |
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019/米) | 冒頭近くのインタビューシーン。西部劇のセット。酒場かなんかの前の通路で、俳優・レオナルド・ディカプリオと、そのスタントダブルであるブラッド・ピットがインタビューされる設定なのだが、まず、この場面に違和感を覚える。 [review] | [投票(11)] | |
晩春(1949/日) | 私はある時期この映画が日本映画の中で一番好きだった。原節子と三島雅夫(「汚らしい」叔父さん)とのやりとり、出戻り娘・月丘夢路の男性観の現代性、杉村春子のコメディ・リリーフの見事さ。「熊太郎」をめぐる杉村春子の演技の妙味は何度見ても驚嘆ものの可笑しさだ。 [review] | [投票(11)] | |
浮草(1959/日) | 中村鴈治郎は全く凄い役者だ。絶妙の表情と台詞回し。京マチ子もいいし、若尾文子の可愛らしさも絶品。鴈治郎と京マチ子が通りを挟んで悪態をつきあう雨のシーンのその雨の土砂降りなこと!この過剰さこそが映画だ。 | [投票(11)] | |
雨に唄えば(1952/米) | MGMミュージカルの最高作。そしてこの映画は敵役の悪声の大女優を演じるジーン・ヘイゲンが支えていると言っても過言ではない。 [review] | [投票(11)] | |
アイガー・サンクション(1975/米) | クリント・イーストウッドの絶対映画的なアプローチ。プロット展開の性急さは否定できないが、補って余りある演出力。 [review] | [投票(11)] | |
アイズ ワイド シャット(1999/米) | やはり、キューブリック。素晴らしく魅力的な映画。彼の遺作に相応しい傑作。 [review] | [投票(11)] | |
マルホランド・ドライブ(2001/米=仏) | これはリンチらしい不条理劇の目下のところの集大成だ。また女優の多面性を引き出す演出についても抜きん出ている。ナオミ・ワッツの登場の可憐さ、オーディション・シーンの妖艶さ、ラストに向かって加速度的に崩れていく様。もう堪りません。 [review] | [投票(10)] | |
ドイツ零年(1948/伊=独) | 傑作。元教師の気持ち悪さ。さらに彼が閣下と呼ぶ男の薄気味悪さ。閣下とはいったい何なのだろう。 [review] | [投票(10)] |