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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★3三百六十五夜(総集編)(1948/日)本筋はメロドラマだが、山根寿子が(いつものように)冴えず邪魔。悪役凸ちゃんメインの無国籍系バカ話で通せば、60年代日活を先取りした傑作になったろうに。 [review][投票]
★5秀子の車掌さん(1941/日)なぜかそういう批評にお目にかかったことがないのだが、この会社残酷物語に、軍国主義に対する成瀬の抵抗を読んでもよいだろう。「正直ってのは、一番気持ちのいいものだ」 [review][投票]
★3夜までドライブ(1940/米)脇役のアイダ・ルピノの怪演物凄く、成功物語のバランスを崩したうらみがある。脇役のボギーは抑制が効いていてとてもよい。バカ社長のデフォルメしたバカも好きだ。[投票]
★3ゲロッパ!(2003/日)子役に美味しい処を持っていかせて、ホウカムだが後味がよい。子役時代の池脇千鶴かと間違えて観ていた。2003年は小泉政権。変態プレイを描写すれば更に井筒らしかったのに(できる訳ないが)。[投票]
★3花籠の歌(1937/日)中国人コック徳大寺伸の片思いを率直に描いているのが目を引くのだが、彼より出雲八重子のほうが客の心に残るのは計算違いなんだろうかと思わされるし、終盤さらには蛇足としか思われず。 [review][投票]
★0上海から来た女(1947/米)ヴァイオラ・ローレンス、社命とはいえ史上最悪の編集。オーソン・ウェルズの指示に従わず、映像はおろか物語まで無茶苦茶にしており、我々は傑作の残骸を確認するばかり。失われたものは余りにも大きい。歯ぎしりしたい気分。[投票]
★3楊貴妃(1955/日)しっとり纏めた佳作だが、『雨月』で無名の者の哀悼を行ったミゾグチが、なんでいまさら王朝戦記の悲恋なのか、というところで引っかかってしまう。体制側からみた『山椒大夫』という取り方もできなくはないが、その視点に深みがある訳ではなかった。 [review][投票]
★4夜の女たち(1948/日)恐るべき転落もの。断られた男の背中にカスゥと罵声を浴びせるロリータの田中絹代に驚愕する。見てはいけないものを見てしまった。 [review][投票]
★3濡れた二人(1968/日)北大路欣也は殆ど『ゴケミドロ』の高英男だ。同じ七三分けで高橋悦史と相似形を成している。良くも悪くも増村作品はどれも劇画。タイトルも脱がない若尾文子もロマンポルノ前夜の趣。[投票]
★5戒厳令(1973/日)北一輝の優柔不断を、煮え切らないままに蜿蜒と描き、最期の捨て台詞に至る。この軟体動物の気味悪さこそ我々の知り得ない政治そのもの。何も描かれないゼロ地点。 [review][投票]
★3ホームレス中学生(2008/日)存外面白かった。いいのは飯喰らう有難さを思い出させてくれることと、池脇千鶴や周囲のベテラン陣の演技が充実していること。 [review][投票]
★3デリンジャー(1973/米)義賊って何なのか、観終わった後もさっぱり判らない。通念で語られる話は好まない。西部劇直系の渋い撮影(光の籠ったカーテン越しの射殺シーンが印象的)とウォーレン・オーツの魅力で、観ている間は愉しめる。[投票]
★4四畳半襖の裏張り しのび肌(1974/日)中沢洋の太鼓持ちの謡が抜群。太鼓持ちってオモロい、ドロンドンドンドンドンドン。弟子入りしたくなった。芹明香の倦怠感も全開、三味線で謡う軍歌が切ない。神代作品には俗謡が溢れている。カネフスキーは尊敬しているに違いない。[投票]
★2シテール島への船出(1983/ギリシャ)アレキサンダー大王』に感動して、封切りに駆けつけ、余りの相違、平凡さに茫然とした。今にして思えば、あのとき映画の歴史は動いていたのだった。 [review][投票]
★3にせ刑事(1967/日)冒頭が実に面白く、一本調子でどんどん詰まらなくなる。人物が生き生きしているのはいいが、積み重ねがない「娯楽作品」。中盤の警察批判はどこへ行ったのだろう。山本学爽やか、姿美千子別嬪。[投票]
★2風立ちぬ(1954/日)情けないような凡作。冒頭の風に画架が倒れる有名な件からして、画面に風が立っていない。小説では主人公は常に節子(病人)の後を歩くが、本作では常に先を歩く。杜撰な演出だ。 [review][投票]
★0東京行進曲(1929/日)18分のダイジェスト版のみ現存。冒頭のモダニズムが愉しい。傾向映画らしい仕掛けもあるが、総じて実に平凡な新派劇にみえる。ダイジェストの感想に総じてもないが。[投票]
★3ふるさとの歌(1925/日)ミゾグチの構図の才はこの初期のやっつけ仕事(この年9本も撮っている)でも明らかであるのを確認すればよいというだけの官制プロパガンダ映画。なぜ本作だけ残存しているのだろう。 [review][投票]
★4ストリーマーズ 若き兵士たちの物語(1983/米)重苦しい舞台劇で、躁状態の『M★A★S★H』と一対をなす。裏テーマであるホモセクシャルの扱いが微妙で、黒人差別と相まって曰く言い難い生々しさが残る。アルトマンの作品はいつも曰く云い難い。マイケル・ライト好演。[投票]
★1拝啓天皇陛下様(1963/日)戦犯作家長門裕之に寄り添ってくれるのは馬鹿だけでしたという閉鎖的な土管のなかの回顧録。理に落ちるユーモアが笑えず、おもろうてやがて哀しきという進行が骸骨のよう。天皇拝謁の場面は異様な緊張感があるが、別に演出がいいからではない。[投票]