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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★3元禄忠臣蔵・後編(1942/日)後編は『残菊物語』の厳格な情緒を取り戻しており、殿中斬込を引き止める山路ふみ子、寒椿とともに目覚めている三浦光子の件がいい。芸尽くしの横笛など、極右もいいなと思ってしまうほど求心力がある。しかし高峰三枝子の件は余りにもやり過ぎ。[投票]
★2元禄忠臣蔵・前編(1941/日)内蔵助の逡巡が、朝廷の後援(これ本当?)を背景とした三年寝太郎の確信犯として描かれ、講談読み物レベルに堕している。撮影は厳格で興味深いが、情緒を求める井関徳兵衛自害の件などとうまく噛み合っていない。不評につき後編では方針変更されたとのこと。[投票]
★3俺はまだ本気出してないだけ(2013/日)独立の夢を描いて『かもめ食堂』と似た気持ちのよさがある。金銭への無頓着さが欠点で、だから登場人物が抽象的な印象しか残さない。ここもかもめと似ている。挿話されるマンガ「人生300年」がいい。これをもっと敷衍すれば面白くなっただろうに。[投票]
★3人生は四十二から(1935/米)没落貴族と踊り子がドラムとピアノでデュエットする微笑ましい件がいい。『我輩はカモである』の監督だもの。有名な酒場でのリンカーン演説引用も、鼻白む演出ではあるが、亭主の一言「今日は店の奢りだ」が素晴らしい。このリアクションこそアメリカ。[投票]
★4名刀美女丸(1945/日)「この刀には心がない」「ええっ、心」てな具合の出鱈目な戦中映画だが、いつもの「撃ちてし止まむ情報局國民映画」なるテロップが見られないのは物資不足のせいなのだろうか。 [review][投票]
★3宿無し犬(1964/日)居候できなきゃ木賃宿の田宮二郎も、無精髭にハンチングの天知茂も、居るだけで怪演の坂本スミ子も愉快、キャラが立っている。本作の展開は小振りだが次回以降盛り上がるかも知れないという予感漂うシリーズ第1作。[投票]
★5暴力(1952/日)大阪ミナミの不人情を描いて『浪華悲歌』と『(秘)色情めす市場』との間のミッシングリンクを埋める傑作。新藤会心の作だろう。 [review][投票]
★2青空娘(1957/日)スチュワーデス物語』系統の煮ても焼いても食えない作品。田舎出の少女東京を行くという東宝系アイドル映画の先駆として、いかにも類型的。敬して遠ざけたい世界。[投票]
★4座頭市血笑旅(1964/日)橋の上で子守唄を歌う子守、遠くでこの歌を聴かせて赤子をあやす市。哀しみが重なり合い、しみじみ美しい。寺の和尚がいい人。[投票]
★5嵐の孤児(1921/米)ドロシーとのコケティッシュなかけ合い、傘で憲兵に立ち向かう健気さ、全身で訴える正義、涙、キス、キス、キス。嗚呼、リリアン!!! [review][投票]
★3オペレッタ狸御殿(2004/日)チープな様式美と奇抜なジャンプカットが愉しい、いつもの清順作品。アクションやホラーなどジャンル映画の括りの外でつくられている分、清順の志向が剥き出しになっているに違いなく、結果なんと大林(『ねらわれた学園』)との類縁性が浮かび上がるのであった。 [review][投票]
★1ピンク・フラミンゴ(1972/米)退屈な飲み会でピンク・フラミンゴと呟いてみよう。思わず厭な顔をした人と貴方はもう友達、お互い被害者友の会会員として二時間は会話に花が咲くだろう。本作の鑑賞にはこのような効用がある。[投票]
★3図々しい奴(1964/日)TVドラマ草創期ヒット作のつまみ食い系総集編で、革命を恐れる特権階級のインテリ杉浦直樹など興味深い人物だが造形がいかにも中途半端。それでもクライマックスはしんみり美しい。テレビはさぞ面白かったのだろう。佐久間良子は、あら何故? という表現がとても巧い。[投票]
★3からっ風野郎(1960/日)私は駄目でした「バナナソング」。神山繁がハマり役で踏切の銃撃戦がいい。若尾文子もヤラレてついていくバカ女にリアリティを持たせてさすが。増村は切返しのショットが巧い。当時のトルコ風呂の描写が貴重。いいのはそんなところ。[投票]
★1エル・トポ(1969/メキシコ)作者はメキシコを自分の趣味的な表現の発露として利用しただけで、メキシコとは何かを見ようとしていない。しかもその映像たるやアントニオーニの物真似。最低である。 [review][投票]
★2エルミタージュ幻想(2002/露=日=独)太陽』にしても本作にしても、近年のソクーロフは自分の撮りたい美的な映像にしか興味がないらしく、エルミタージュ美術館の歴史も美学のために捨象され、よくできた観光パンフ程度の映画が残ったという感想。ワイズマンとは比べものにならない。[投票]
★2オー・ブラザー!(2000/米)コーエン兄弟がたまにしでかすボテボテの内野ゴロ。ロバート・ジョンソンの造形が及び腰で魅力を欠くのが致命的。洪水の水の色は黒いと知るべき。[投票]
★4水のないプール(1982/日)しかし内田裕也では格好良過ぎる。久保新二主演なら超ド級の傑作になっていたのではないだろうか。[投票]
★3うつせみ(2004/韓国=日)家宅侵入ものとして『水のないプール』が想起されるが、超然とした本家には遠く及ばず。機械を直す変な妖怪みたいな前半はとても愉しいが。 [review][投票]
★4白い指の戯れ(1972/日)見事なラスト、シニカルなロジック。風呂場での乱痴気騒ぎの見事なこと。 [review][投票]