[コメント] デビルマン(2004/日)
予告編公開と同時にオフィシャル掲示板が荒れに荒れて即閉鎖。公開を4ヵ月延期して仕切り直しを図ったにも関わらず、試写会と同時にまたもや掲示板が大荒れに荒れて閉鎖という、今までに聞いたこともないような大悪評を耳にして、予習をキッチリした上で「どんだけヒドいんだろう」とワクワクしながら劇場に足を運びました。まぁ要は「このデビルマンダメだよ祭2004」に参加しに行ったわけです。するとそこでは期待通り、いやむしろ期待以上の物が公開されてまして、もう大喜びでウヒャウヒャ笑いながらの鑑賞となりました。正直、満足度でいったら凡百の★3映画よりよっぽど満足なんですけど、だからといってここで★4を付けちゃうのはさすがに問題だと思うので、涙を飲んで★1にさせていただきます。
実際ね、「原作がしっかりしてるから」「アニメが有名だったから」っていうので、少しくらいは「逆に下駄を履かされた状態」になってるところもあるんじゃないかな、とか思ってたんですよ。「あの作品をこんなにヒドくされた!」っていうね。
ところがとんでもない。全く甘かった。もうね、普通に「映画としてヒドい」んです。何だか要領を得ない各々のエピソードが、オープニングから観客置き去りのままダラダラと垂れ流されてゆき、しかもそれぞれの辻褄が合ってない。滑舌の悪い主演伊崎央登の演技は大事なところですっぽ抜け、「あちゃー」と思っているうちに羽毛より軽々しいCGバトルに突入。見事なまでに監督・脚本・主演・CG全部ダメ。ダメすぎて面白かったけど、今までのどんなつまらない映画より映画としてはダメです。
監督夫婦も一応いろいろ考えてはいるみたいなんですけどね。デビルマンにも変な決めポーズがあったし、「滅びろ!デーモン!」っていうマヌケな決め台詞もあった。阿木燿子が「浮気したことある?」なんて聞くシーンも、脚本の那須真知子的には歴史的名シーンになる予定だったんだろうと想像できます。でもそれも全部無駄。いやむしろマイナス。何やってもダメ。もうねぇ、お前はのび太かと。いやのび太にだってあやとりがあるから、最早それ以下かと。
まぁこうやって面白がってはいるものの、やっぱりこれが(せめてそこそこに)良くできた実写版デビルマンだったら、正直それが一番幸せだったんですけどね。これでも僕だってアニメと原作にいろんな思い出を持ってる一人だし。
でもね、我々にとっては「“大根アイドルの主演”や“訳の判らないカメオ出演者”でボロボロにされた“大切なデビルマン”」だったとしても、もしかしたら制作陣にとっては「大根アイドル」や「意味不明カメオ」と等価の物でしかなかったんじゃないのかなぁ、なんてことを思いました。極端に言えば、「アイドルで女性客呼んで、カメオで話題作って、あ、じゃあこの際『デビルマン』にしちゃってオタク層も集めとけ」くらいの感じ。好きじゃないなら作らなければいいのにね。
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