[コメント] ザ・セル(2000/米)
この映像が本当にすごい「美」なのか?「表面的な美」と「本当の美」を勘違いしてはいけない。
ある有名な写真家が言った。「本当に美しい写真は構図、色、明るさ、コントラストなんて関係ない。頭で考えた美なんて所詮理解できるもの、本当の美は理解できない所にある。心が動いたときシャッターを押せばそこに本当の美が存在する。しかし本当の美はなぜか完璧な構図と光を持っている。」
この映画はどうも先に構図ありきな作品のような気がする。所詮頭で考えられた「表面的な美」。例えばファーストシーンの白い砂漠。完璧な構図だ。しかしそれはそれだけの「絵」であってそこにはまったく「物語」はない。この「物語」はストーリーではなく言い換えれば「本質」のこと。夢のシーンだからいいじゃないかと思うがこの映画全体が全部そんな「絵」しかない。ベルトリッチの「シェルタリング・スカイ」と比べてみよう。あれこそ本当の美だ。「シェルタリング・スカイ」を撮ったカメラマン、監督の砂漠を前にした「心の動き=感動」が画面から伝わってくる。
確かにこの映画で内容的にそんなリアルな美しい映像は必要がないかもしれない。 別に「リアルな映画」ではなく「幻想的なホラーサスペンス」をめざしているからと言われるかもしれない。しかし「セブン」「エイリアン」「羊たちの沈黙」「エンゼル・ハート」「シャイニング」には「本当の美」が存在している。
結局この映画は人の「こころ」を描きたかったのに映像にはまったく「こころ」が入ってなかったと言わざるえない。また観客の「こころ」も動かさなかった。
(余談) ジェニファー・ロペスのパンツ姿だけは私にとって「リアル」でした。「こころ」が動きました。
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