[コメント] 勝手にしやがれ(1959/仏)
ゴダール嫌いはかくも多いものなのかとここのサイトとで知り、とても興味深く感じている。彼の各映画に関する数多のコメントを読んでいると、「このカントクは…」というものが散見され、その裏人気ぶりはスピルバーグ並だとも思えるからだ。
それだけ、(良くも悪くも)有名な、独特の色を持つカントクなのだろう。ヌーヴェルヴァーグについて考えるうえでは決して外せないし。つーか、彼なくしては何も始まらないみたいだし。
で、かくいう私はと言うと、彼の、めちゃくちゃセンスがよいくせにただのインテリゲンチャで無意味に青い、そういったダメっぽい部分が大好きだ。結局は「アンナが好きだー!」ということ? その音楽を使いたかっただけ? そういう映像を見せたかっただけ? みたいなところが。
一部の人々からすれば「君はゴダールを何もわかっていない!」のかもしれないけど。実はもっと複雑なものがあるのかもしれないけど。
けれど、私にはそうとしか思えないし、知識武装で虚勢を張っているにすぎない彼の引用過多な映画たち(とは言っても全て見たわけではないので、中には真に知的な映画もあるのかもしれないが)を、頭よさげでカッコイイ!と手放しで賞賛する気にはならない。また、難解だと思ったこともない。センスよくてカッコイイ!ならわかるけど。難解を装ってやがるな、ならわかるけど。
ともあれ、ゴダール映画は好きだけど、好きなカントクとして真っ先にゴダールを挙げるような人にだけはなりたくない。固有の作品名ならいざ知らず、ゴダールがめっぽう好き!だなんて、恥ずかしくてとても言えない。白昼堂々ゴダール好きを自称する人より、ゴダール嫌いを自称する人の方がよっぽど信頼がおける。ような気がする。
でも、この偉大なるアイドル映画にはやっぱり5点。女の子を可愛く撮ることにかけて、彼はまさに天才だと思う。ベルモンドもとてもいい。単に、絵になる人にはあんなこともこんなこともさせてみたい、というニーズが私と一致しているだけなのかも知れないけど。
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