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動物園のクマさんのコメント: 更新順

★3たちあがる女(2018/アイスランド=仏=ウクライナ)苔が美しい。音楽の使い方、音楽を奏でる演奏家や歌手の登場の仕方、彼女彼らとアイスランドの風景や室内調度のマッチングが美しい。主人公がエネルギッシュで魅力的であること、背景が美しい自然であること、で行為自体を目くらます意図があるなら悲しい。[投票]
★4過去のない男(2002/フィンランド=独=仏)様々な3部作の呼び名が付けられているけれど、『浮き雲』まで、と『過去のない男』から、の分類の方が、いろんな意味で個人的にはしっくりくる。救世軍バンドのボーカルの存在感にやられた。ケンさんの歌声はフィンランドにも似合う。[投票]
★5祇園の姉妹(1936/日)京町家の奥行をどこまで行くのかと思うほどの横移動で映し出し、細長い祇園の路地を縦構図で男のシルエットの大きさ変化で表現して見せて、狭い町家の部屋を障子や壁を前に置いて奥行もたせて人物を撮る。シュールで教科書のようで天才的な絵作り。10代のはずの山田五十鈴の凄さ。[投票]
★4オリーブの林をぬけて(1994/イラン)映す、映される、演じる、振る舞う、の境界が2重3重に曖昧になっていくうちに、見ているこちらがふわふわと混乱していく不思議な快感。この三部作は、ラストが抒情的で好き嫌い分かれそうだけど、素直に心震わすことにしています。[投票(1)]
★3SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022/米)映すものと映さないものを厳しく峻別している作り方に非常に驚き、かつ尊敬した。その一線を超えたアシュレイ・ジャッドのアップに心震えた。[投票]
★4そして人生はつづく(1992/イラン)再見して、つい目を潤ませた、遥か彼方に見えるストーブを手にする二人連れが見えた時。実際に体験したことを自分を他人に演じさせて、まるでドキュメンタリーのようなドラマにする作家の神経は、私には想像もできない。でも、泣かされてしまい、希望を味わされた、不覚。[投票]
★4パラダイスの夕暮れ(1986/フィンランド)ペロンパーのサングラスのカッコ付け、オウティネンが一度だけ微かに見せる笑み、などちょっとゾクゾクする小ネタとセンスある選曲に引きづられて。大きな船の航行姿は『アマルコルド』や『永遠の語らい』以上に魅力的。しかし、よくタバコ吸うなあ。[投票]
★4マッチ工場の少女(1990/フィンランド)冒頭の機械の無表情な動きがこの映画そのものなのだろうが、マッチの作り方、とか、納品チェックの中身、とか本題とは異なるものに惹かれているうちにあれよあれよと落とされていく。カティ・オウティネンは少女には見えないけれど、バーでのナンパで見せた笑い顔が頭から離れない。[投票(2)]
★4愛しのタチアナ(1994/フィンランド=独)常に画面の中央に人間がいて、それなのに何もしない無愛想さがとても際立つ。それでもタチアナと心通わす成り行きは、派手ないきさつ渦巻く巷のラヴストーリーを蹴散らす力強さがあり、たまらない。[投票(3)]
★4僕たちは希望という名の列車に乗った(2018/独)イデオロギー対立、西対東、自由讃歌みたいな構図が勧善懲悪の単純な枠組みに嵌められていて鼻白らむ。でも、強制や不自由さ、やるせなさに反発する青いエネルギーを中心に置いた数多くの映画と同じように、私はこの手の物語に弱い。[投票]
★2地下鉄のザジ(1960/仏)様々な技法を試しているかのように楽しそうにふんだんに使っていて、当時のパリの原色のポップな色合いとリズムが調和している。ただ、それで、楽しい映画にはなっていない、のはなんで?[投票]
★3遠い太鼓(1951/米)美しい画作り、特に水中の美しさ、その中でも殊にワニの美しさ、は驚き。ウィルヘルム・スクリームはこの映画が最初、だそうですね。ハリウッドの職人さんたちの名人芸。[投票]
★3招かれざる客(1967/米)旧弊状況を打ち破るのは、いつの時代でも、かの娘さんのような人だ、もちろん、性別も年齢も肌の色も無関係。多くの人はメイドさんのいう通り「よくも振り回してくれる」と嘆くだけ。映画の面白みには甚だ欠けるが、分かりやすい構図と分かりやすい名演。[投票]
★4真昼の死闘(1970/米)コケティッシュと形容詞がつくシャーリー・マクレインの不思議ちゃん的魅力、『火山のもとで』の神々しさをちょっと思い出させるガブリエル・フィゲロアの撮影。何かほわーっと見られるんだよなあ。西部劇というより、ラブコメ?[投票]
★3万引き家族(2018/日)映画好きの首相が無視する、のと、日本の縮図を描いたと叫ぶ、のとは同次元だから口にするのはやめておいて、樹木希林の早々の退場に快哉。見えない物を見えているかのように見せる演出がつらい。安藤サクラ松岡茉優 の行く末が心配。[投票]
★2阪急電車 片道15分の奇跡(2011/日)一編一編ずつの短編小説と、短編小説を関連させる本作の違いは何か。短編小説の主人公それぞれの背景に厚みを持たせるには必要、ということなのかな。だとしても、各々の短編小説に深みが足りないなあ。芦田愛菜の将来も少し心配。[投票]
★2歩いても 歩いても(2007/日)舞台挨拶で原田芳雄が撮影中のことを訊かれて「女性陣は心臓が二つも三つもあるからいいけれど、一つしかない私は針の筵だった」とか言ってたっけ。わざとらしいつなぎと捨てカットをカバーして余りある夏川結衣と子役たち。淡々とした日常なんてどこにもないっていうことだ。[投票]
★2メタモルフォーゼの縁側(2022/日)久々に見た、ちょっと種類は違うけれど、『翔んだカップル』以来かな。女の子の全力でのこういう身振りはだいすきだ。もちろん芦田愛菜の走りのこと。[投票]
★2観察 永遠に君をみつめて(2007/日)望遠鏡を通して視るピンボケな輪郭。見られていることしか感じられない輪郭さえない気配。そして、極端なアップの唇、乳首、歯並び、足元、踵。はっきり見える部分とぼんやりしか言えない全体の対比。観察には、その中間はない、たしかに。[投票]
★4The Guilty/ギルティ(2018/デンマーク)映画に騙されることはよくあるが、騙されてたと気づく快感も期待していたりする。しかし、この映画は騙すためではなく、主人公と観客が共同して状況を誤読していく不愉快な想像でできている。だから、最後は自己開示しかないんだろう。[投票(1)]