高橋悦史の映画ファンのコメント
水那岐のコメント |
皇帝のいない八月(1978/日) | 至純の右翼は美しさに通じ、至純の左翼は鈍クサさに通じる。どちらが素晴らしいというものではない、ただ見かけだけだと山本薩夫は見抜いている。双方が怪物的成長を遂げるに至り、例外なくファシズムの唾棄すべき怪物へと姿を変える。国を憂える者は国の中枢から遥かに遠ざかった者だけだ。 | [投票(3)] | |
濡れた二人(1968/日) | 日焼けボンボン北大路欣也といい、存在そのものが脂ぎった高橋悦史といい、この映画の若尾文子はつくづく濃い男に好かれやすい女だった。でも一番濃いのは、民宿の縁側でストリップしつつ小僧を待ちうける若尾自身なんだろう。相手の必死な問いにしれっと若尾が放つ「判らないわ」の言葉が、彼女の全存在を象徴している。 | [投票] | |
吶喊(1975/日) | んだなや、イグサ(戦)のおんもしれェトゴロさゆうたら、砲弾ビュンビュン飛んでくるトゴロでオナゴの柔肌さ抱いで、オノレの縮こまったキンダマに未来のワラシ子さたっぶり充填されでるのを実感するコドだっちゃね〜。嘘だ思うならやっで見れ、このホデナスがァ。 | [投票] | |
赤毛(1969/日) | 集団における三船の正しい役回りと言えば、「バカ大将」。それも誰もついて来ない哀しい大将である。連合艦隊司令長官などに祭り上げられた日には、部下がヒドイ目にあうのは実証済みだ。そして喜八が彼の上におく唯一無二の存在。 [review] | [投票(2)] | |
ブルークリスマス(1978/日) | 青い血のみなさんも、口の中はちゃんと赤いんですよね。UFOがらみでなければ傑作になったかも。天本英世の怖ろしさは、本作品が白眉。 [review] | [投票(2)] | |
戦争と人間 第1部・運命の序曲(1970/日) | 浅丘ルリ子の気位の高いお嬢様はハマリ役。大陸伍代・芦田信介の「おぬし」にシビレる。 | [投票(3)] | |
斬る(1968/日) | 仲代達矢はサムライ退屈男。高橋悦史にサムライ人生のくだらなさを説き続ける。しかし中村敦夫や岸田森の人生には華があり浪漫がある。そこらを超越した気分にはなるなよ、仲代。 [review] | [投票] | |
EAST MEETS WEST(1995/日) | 竹中直人の怪演に呑まれてしまって、真田広之が味もそっけもないヒーローに成り下がっている。これは竹中の映画だといってもいいくらいだ。真田が岡本の下で真価を発揮するのは、『助太刀屋助六』まで待たねばならない。 [review] | [投票(1)] | |
肉弾(1968/日) | ひとりの気弱なネズミ男が、「死に甲斐」を求めて彷徨するということ。ネズミは可愛い「ウサギ」を抱いて、やっとオレは死ねる、と確信する。…これは砂浜と海に展開されるチープ極まりない悲喜劇だ。本当のものは何でデタラメなのは何か、知っているのはお天道様だけだ。 [review] | [投票(2)] | |
戦争と人間 第2部・愛と悲しみの山河(1971/日) | 山本圭と吉永小百合のカップルだけで+3点。左翼運動家に憧れた遠く幼き日の思い出です。 | [投票(2)] | |
愛の化石(1970/日) | 浅丘ルリ子は終始一貫して美しくクールでもあるけれども、高橋や田宮といった共演の男たちがどうにも生彩を欠いている。引き立て役を演ずるのにこうもつまらぬ演技に終わるのは自分が期待を寄せ過ぎたためなのだろうか。流れるプロテストソングやあちこちに覗くビアフラの写真群は、うがった見方をすれば演出家その人の「こんなメロドラマより社会派志向の一作こそを撮りたい」と思う心の反映か。 | [投票] | |
激動の昭和史 沖縄決戦(1971/日) | ひとつの島レベルではもはやない、本土決戦の幕開け。そしてそれは、かつて一王国をひらいた民族のジェノサイドである。 [review] | [投票(1)] | |
日本のいちばん長い日(1967/日) | 生きて虜囚の辱めを受けず。美しい言葉のように聞こえる。だがその心をおのれと他の者に無理強いし死んでいった者の死に様の、なんと醜悪なことだろうか。 [review] | [投票(12)] | |
柳生一族の陰謀(1978/日) | 「ゆ、夢じゃ!これは夢でござる!」あの流行語にもなった(?)セリフをいかなるシチュエーションで萬屋が口にするかを楽しみに観ていた。結果…まだ歴史改竄アナーキー時代劇の完成までは数年を要したか。 [review] | [投票(6)] |