「小津安二郎」(システム既定POV)の映画ファンのコメント
緋牡丹博徒 お命戴きます(1971/日) |
劇画のようなお竜の創造。構図の角度や、固定キャメラの長回しなど独特な味わいが加藤泰の特徴。他監督作品以上に、お竜に貫禄と懐深さが出る。ロケ撮、セット撮の配合がうまく、地域性や季節感が香り立つ。河津清三郎が天津敏を超えた。 (ジェリー) | [投票] | |
この藤純子は菩薩のように美しい。結城(鶴田浩二)一家に草鞋を脱ぎ子供と戯れるつかの間に見せる母の顔。一転、はだけた黒髪振り乱しドスをふるう修羅の顔。止めの返り血受けながら、子供の視線で我に返って見せる恥じの顔。全てひとりの女の顔なのだ。 (ぽんしゅう) | [投票(3)] | |
ケレン味ある演出と画面から漂う気品・厳格さの相反ぷりが加藤泰らしくて面白い。構成は他のシリーズ作よりいささか弱いか。 (赤い戦車) | [投票] | |
『ゴジヘド』と同年製作が意味をもつ公害問題が映画のモチーフをも浸食したメルクマール。シリーズ中では本流とは言えないかも知れないが、背景の荒みと穢れの陰影が末期感に感応し藤純子の殺陣に於けるシリーズ最高の濃厚なエロティシズムを引き出した。 (けにろん) | [投票] |