[POV: a Point of View]
アジアの片隅で…狂い酒飲み干せば…このままずっと生きていくのかと思うのだが…
A:香港 B:中国 C:台湾 D:韓国
C | 河(1997/台湾) | 夢も希望も無くても人は喰い寝て排尿し性交する、その様が哀しく侘びしい。相変わらずの閉塞感と孤独感の世界だが序盤の展開はフェリーニやアントニオーニを彷彿とさせる虚無感満載。それだけにギリシャ悲劇めいた後半が著しくバランスを崩した。 | 投票(2) | |
C | ふたつの時、ふたりの時間(2001/台湾=仏) | どん底に落としたヒロインを救済する前作『Hole』との類似性が興を削ぎテーマも一元的で物足りない。仕掛けられた「時間」ギミックは内実を伴わず上滑る。ただ、照明による画面の奥深い色彩設計はゴダールやベルトルッチの最良作をも想起させる。 | 投票 | |
C | 冬冬の夏休み(1984/台湾) | ジャンルの同工作が多数あるなか突出した何かがあるわけでもない。垣間見える大人世界が少年の自我の萌芽に寄与することもないスケッチ。ピンビン共闘以降のスタイルは未だ確立されていないが『童年往事』の前半はこの映画の凝縮版だったことだけは解る。 | 投票 | |
C | 戯夢人生(1993/台湾) | 撮影をはじめ技術パートの完成度は一種の到達点と思えるが、正直、この李天祿の人生が余りにドキュメンタルな事実にとらわれすぎで面白くない。『非情城市』で兆しが顕現した侯孝賢ルーティーンイメージで凝り固まっていくような窮屈さもしんどい。 | 投票(1) | |
C | エドワード・ヤンの恋愛時代(1994/台湾) | 人物捌きが親切でないので錯綜した物語が入ってこず狂騒の度合いも生温い。従って宴のあとの何とやら的感慨もドッチラケで湧かない。如何にもなギョーカイを舞台に持ってきたのがどうにも鼻につき、安手の台湾版トレンディドラマを途中から見せられた感じだ。 | 投票 | |
C | 童年往事・時の流れ(1986/台湾) | 少年時代ものというジャンル訴求力に侯孝賢の作家性が未だ拮抗していない感じだ。編年体の叙事性は後の『非情城市』で、叙情性は『恋恋風塵』で透徹した深みに至る。郷愁は堪らなく切ない。ただし思いの丈が過ぎて年代的にあれもこれも入れ込み過ぎた。 | 投票 | |
D | オアシス(2002/韓国) | この世には圧倒的に美しいものと小汚いものがある。越境を恐れ同一地平でたゆたう者は美しいものの価値に永久に気付くことはない。そして、それに気付けば、決して適わぬ想いも「心の温もり」が適えてくれるかも知れない。切ないまでの真ラブストーリー。 | 投票(2) | |
D | 殺人の追憶(2003/韓国) | 野村や熊井や黒沢在りし頃の嘗ての日本映画が持ち得ていた社会派推理劇の豊穣なる文法に乗っとりつつ、得てしてノスタルジーに装飾される多くの未達感や悔恨は現実には今の時代にも綿々と繋がっているという詠嘆。そこが一線を越えてる。 | 投票(7) | |
D | 銀馬将軍は来なかった(1991/韓国) | 自分と子供達が生きて行く為にゃあ、どう言われようがこうするしかない…っつうボーダーを越える女の開き直りの図太さが素晴らしく今村的。余りにストレートな表現に序盤は臭みを感じたが中盤以降はずるずる引き込まれた。主演のイ・ヘースクが良い。 | 投票 | |
D | 反則王(2000/韓国) | この主人公に共感したくはないが、一種の閉塞感やマイルドな破壊願望とでもいうアナーキーさは解る。何よりソン・ガンホがドロップキックやバック中を初めとした技をこなすのに驚嘆した。演出面でも風の表現は万感が込められていたし、女の子も皆可愛い。 | 投票 | |
D | 桑の葉(1985/韓国) | 初期の今村やイタリアンネオリアリズモのような土着的で図太いユーモア。イ・ミスクの明るさが全く素晴らしく被虐は裏返されて泰然自若の境地に至る。終盤の種明かしも物語の深度を深めており、儒教観の頸木から解かれたコリアンポルノの例外的達成。 | 投票(1) | |
D | オールド・ボーイ(2003/韓国) | カフカ的迷宮に陥れるのではなく明快に解答を出してしまうところが物足りなく、しかも何十年もかけての執念というのが説得性を持たせ得たかというと…?人間ってのはけっこう忘れちまうもんだと思うから。そこらへんが幼児的な感じがする。骨太だから買うが。 | 投票(7) | |
D | 甘い人生(2005/韓国) | これがイ・ビョンホンですか…確かに恰好いいっすな。ヨン様は理解を超えててもビョン様はわかる気がします。ただ俺としては、そういう男前野郎のプロモを技を尽くして淡々とこなすキム・ジウンも好きなんです。一塵の風に意地を見ました。 | 投票(1) | |
D | プライベートレッスン 青い体験(2000/韓国) | 省略ではなく安易で強引な展開がポルノだから仕方ないかと諦める前半をクリアすると予想外に真摯な脱トラウマ劇としての煌めきのようなものが浮かんで来て最後は感銘を覚えた。しかもポルノとして最高にそそるのである。 | 投票(3) | |
D | 風の丘を越えて 西便制(1993/韓国) | 少女が清冽な空気の中で朗々と歌い上げる場面の数々が修行の厳しさと同時に体得していくことの喜びを漲らせている。展開は芸道物として殊更目新しいものとも思わないが、佳境の再会シーンとそのあとのザ・無常とも言うべき突き放しはさすがに惹きつけられる。 | 投票 | |
D | シュリ(1999/韓国) | ユンジンの刹那とミンシクの非情は自由への憧憬を孕みつつ、可逆的に韓国の北への想いを露呈させる。その辺は胸を打つが、コマーシャルな戦略がダサ過ぎ。『踊る大捜査線』あたりと卑近な空疎感。どこかで見たような設定やキャラが多すぎる。 | 投票(1) | |
D | 友へ チング(2001/韓国) | どっかで見た印象の話なのは仕方ないとしても、ヤクザの息子を中心に対立軸が優等生とグレていく奴の2つあるのが盛りすぎで結果どっちとも浅い。撮影面での銀残しやライティングやフィルターワーク、70年代を表象する数々の小道具等は素晴らしいのだが。 | 投票(1) | |
D | JSA(2000/韓国) | 南北国境の紛争事件を調査するのが北の将校を父に持つスイス国籍の女性将校という魅力的な設定が活かされず、ポリティカルな深掘りはせれず浮かび上がるのは結局いつもながらの友情と信義の物語のみ。情に流されず描写に抑制が効いてるだけに惜しいと思う。 | 投票 | |
D | 箪笥(2003/韓国) | 少女の生理とも言うべき匂いが横溢する前半が終盤に収束され行くのは女同士の骨肉合い咬む憎悪心であったという骨太さには惹かれる。散りばめたネタがロジカルに整合されずとも構わないがJホラーな幽霊や2番煎じな世界観の転倒が惜しすぎた。 | 投票(2) | |
D | 二重スパイ(2003/韓国) | 丁寧に撮られた映画だとは思うが、決定的にサスペンスが足りない。劇的な誇張を良しとしないのなら、中途半端な恋愛感情も抜きにして欲しい。脱北者に対する意外と冷徹な韓国感情はこれが全てではないとは思うが予想外であった。 | 投票(1) |
資本提供国を必ずしも国籍とはしていません。
この映画が好きな人達このPOVを気に入った人達 (16 人) | いくけん kiona tat ree ぽんしゅう makoto7774 べーたん KADAGIO mimiうさぎ SUM マッツァ エピキュリアン worianne スパルタのキツネ 町田 ボイス母 |