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disjunctiveさんのコメント: 点数順

★3キューポラのある街(1962/日)貧困が人を蝕むのは確かだが、その過程には多様性があり、それが芸になる。説話の緩やかな外延は優しさでありながら、時に悲劇と喜劇を紙一重に制御するように思う。[投票]
★3シカゴ(2002/米)ごく真っ当に監獄物をやるための頭脳労働と、水増しの肉体労働がトレードオフする作劇の経済学。均衡点にはなかなか至らぬ語りのフォーマットの明滅が、光学の文芸表現と放送事故の間を往来。[投票]
★3戦争と人間 第2部・愛と悲しみの山河(1971/日)北朝鮮建国神話の底抜けスケールを余所に、西村晃(=俺)のセクハラ芸と高橋悦史の小物感が三國&芦田を補完して楽しげにフィルムを踊らせるヘヴィ・コミュニスト薩夫の苦悩。[投票]
★3二十四の瞳(1954/日)未来へ拡がる世代の連なりが、逆に人生という破壊のサイクルを後ろ向きに強調してしまう木下クオリティ。男どもの墓標が地表に居並ぶ寂寥感は終末映画と見違うような通景。[投票]
★3憎いあンちくしょう(1962/日)福岡と熊本の県境をどんな秘境だと思ってるんだこいつらは。全くの真実とはいえ悔しい。焦燥した浅丘が堪らんだけに、ますます悔しい。[投票]
★3シン・シティ(2005/米)ドラマ画質のセル素材が背景の質感と乖離して、昔なつかしスクリーンプロセスの味わい。ちゃんと職業的撮影監督にやらせればいいのに勿体ない、と思うものの、その齟齬感がウィリスの隔靴掻痒な行態とシンクロするあたりは、良くも悪くも映画的。[投票]
★3日本の首領 野望篇(1977/日)佐分利、鶴田、松方、千葉、成田、文太って、この面子だったら関東どころか銀河系でも逝けるのでは、という前作からの違和感を、組織の凋落イメージでちゃんと合理化してやるところが偉い。原作の軛を外れた高田脚本はほとんどメルヘンである。[投票]
★3ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔(2002/米=ニュージーランド)サムは俺の嫁![投票]
★3告訴せず(1975/日)現実がトリックスターを破砕してしまうイヤイヤ感。あんな黒い加藤嘉なんか俺様の加藤嘉じゃないやい![投票]
★3続・新悪名(1962/日)フェンスに叩き付けられてほとばしる遠藤辰雄の放埒な肉厚。不快と快楽の往来を高速で転調するミヤコ蝶々の舌調。こういうものを見つけた映画は強い。[投票]
★3大菩薩峠(1960/日)エロと背徳感の間を反復する、肝臓の不安定なアルコール分解性能。基本的に雷蔵が畳でゴロゴロしておれば、それで自分は満足なのだが。[投票]
★3世界の涯てに(1996/香港)意外にフラットな造形が、情緒不足なのか洗練の結果なのか判別しがたい。ただ、語り口の工夫で欠落気味な人生の動機を補おうとした努力は認められる。[投票]
★3陸軍中野学校 密命(1967/日)ええい、ヤク中の野際陽子はいらん。俺様の加東大介をもっと見せろ。[投票]
★3トゥモロー・ワールド(2006/米)いささか循環的になってしまう長回しよりも、車のドアに蹴られてゴロゴロ転がってゆくような直線の運動が気持ちよい。[投票]
★3ラフ(2006/日)われわれは、まさみの競泳水着に引っかき回されつつも、まさみを超えて行かねばならぬ。[投票]
★3山椒大夫(1954/日)インテリ受けな私有財産制批判を越えて、ちゃんと物語しちゃうあたりが健気というか、語り手として身をわきまえているように思う。[投票]
★3日本沈没(2006/日)石坂浩二のソーリっ振り、狩猟民族を気取る癖に、研究室に牛乳を置いて健康をアピールするトヨエツ、もはや国宝級のレベルに達した國村隼のカワイイ小役人演技。その素晴らしい大人たちの小芝居を無慈悲に破壊尽くす、草なぎの魔法のような空間移動。[投票]
★3戦国野郎(1963/日)何だよ〜、星由里子も水野久美もなびきやがって、くそっ、くそっ! 加山の莫迦たれ! 佐藤允の安心感もこの悔しさを中和できず。[投票]
★3硫黄島からの手紙(2006/米)ヘタレが漢となった、ひと春の物語。それとは別に獅童かわいいよ獅童。[投票]
★3ゼロの焦点(1961/日)加藤嘉が社長なんて合わないなあと思ってたら、やっぱりおそろしいことに。加藤嘉虐待映画の最高峰『砂の器』の前哨戦である。[投票]