寒山拾得さんのコメント: 投票数順
マイ・ビューティフル・ランドレット(1985/英) | 外国人と商才について考えさせられる作品。日本のパチンコ屋やフィリピン・パブについてこのように撮られたら、きっと興味深いものになるだろうと思う。 [review] | [投票] | |
ぐるりのこと。(2008/日) | 世の諸悪対藝術という余りにもナイーブな対照をいまだに信じているとは滑稽至極。ほとんど宗教だ。助演陣の失礼なバカぶりが昼メロ調。 | [投票] | |
福沢諭吉(1991/日) | いくらなんでも大風呂敷の広げ過ぎだが、ひとつの極端として記憶されるべき素晴らしい失敗作 [review] | [投票] | |
愛のお荷物(1955/日) | 冒頭の薀蓄と国会中継からフランキー堺のソロドラム辺りまで、実に愉しい。三橋達也と高友子の兄弟喧嘩の件など、とても生き生きとしている。後半は存外平凡な収束に向かい、残念。 [review] | [投票] | |
わが町(1956/日) | 尺の短い半生記にはろくなものがないが、本作は見事な例外。 [review] | [投票] | |
悲愁物語(1977/日) | 個人的には清順の最高傑作。タイトルと予告編は真面目なのがまず素晴らしい。 [review] | [投票] | |
張込み(1957/日) | 被害者の心理をご親切にも観客にいちいち説明してくれる高飛車な映画のどこが面白いのか不明。鉄ちゃん振りを発揮する金があったら、余りにもショボい工事の発破をもう少しなんとかすればいいのにと思う。大木実の暑苦しい顔しか記憶に残らず。 | [投票] | |
兵隊やくざ(1965/日) | 単独主演の重責から外れて生気溢るる勝新、淡路恵子のコメディエンヌ振りやカップミュートのラッパでもって醸し出されるヒューモアが、アルトマンの諸作と共振を起こし、『人間の條件』とは別の切り口で、個人であることを全面肯定している。 | [投票] | |
ノン子36歳(家事手伝い)(2008/日) | 坂井真紀が鶴見辰吾を殴るパンチの角度が決まっている。ヒヨコも良かった。あとは普通。 [review] | [投票] | |
ある戦慄(1967/米) | ニューヨーク深夜の三一致の法則物というだけで興味深く、美術も撮影も優れていて、途中まではとても面白いのだが、後半は地味になる。 [review] | [投票] | |
郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942/伊) | なんとも凡々たる情痴もの。無一文の風来坊が颯爽と登場して期待させるが、後は凡々とウジウジ悩むだけ。この監督のマゾっぷりが処女作から堂々披瀝されており、生理的に駄目。 | [投票] | |
風船(1956/日) | オツムの弱い芦川いづみはロシア文学のキャラの翻案だろうか。とても愛着が湧いた。 [review] | [投票] | |
樋口一葉(1939/日) | 一葉と「たけくらべ」の美登利とのツーショットは、虚構が現実を侵犯したかのような幻覚に満ちており、まるでアンゲロプロスのようだ。実話を小説(映画)にする論理の奇妙さが浮き彫りになっている。冒頭の豪雨も遊郭のセットも素晴らしい。収束は弱いが構わない。 | [投票] | |
BALLET アメリカン・バレエ・シアターの世界(1995/米) | 170分の作品、あっという間に終わる。まだ観足りない。トルストイは人間の呼吸に合わせて筆を運ぶとナボコフは云ったが、ワイズマンの作品を観るといつもこれを思い出す。フィルムの底で鳴っているリズムがとても心地いい。 [review] | [投票] | |
すべてが狂ってる(1960/日) | 禰津良子の『河内カルメン』にした方がどうみても清順向きで、大島渚や中平康の類似作と比べれば余所行き感が漂う。 [review] | [投票] | |
風前の灯(1957/日) | 佐田啓二と凸ちゃんの夫婦喧嘩の最中に、下宿人が合唱するおいら岬が隣室から聞こえてくる。満員盛況のオールドファンから怒涛の如き爆笑が起こり、まるでこの騒ぎにはぐらかされたかのように喧嘩は水入りとなった。 [review] | [投票] | |
ヘンリー五世(1945/英) | 面白いのはもっぱら原作の、シェークスピアらしいいつもの長広舌。「戦争で切られた手足や首が、審判の日に集まって王を呼び出すだろう」 [review] | [投票] | |
みかへりの塔(1941/日) | 「どっか行っちゃおうか」と山の池辺りを放浪していると塔の鐘の音が聞こえて施設へ帰ってきてしまう善ちゃんと信ちゃん。夢遊病みたいな子供の頃の記憶を甦らせてくれる。 [review] | [投票] | |
秋のソナタ(1978/スウェーデン) | 主演俳優の表現の巧拙は、いかに全体を通して起承転結をつけるかにかかっているのだと、名優ふたりに丁寧に教えてもらった。タイトルバックの美しさが主題を優しく包んでおり、これも印象に残る。 | [投票] | |
妻として女として(1961/日) | 風俗映画の体裁でギリシャ悲劇を観せられたような遣る瀬無さが残る。キメの場面で派手に陰影が強調されるが、主題に沿っているからこそ巧みと思わされる。あと、冒頭の飯田蝶子と凸ちゃんの謡がとてもよい。 [review] | [投票] |