コメンテータ
ランキング
HELP

ジェリーさんのコメント: 投票数順

★1人のセックスを笑うな(2007/日)変なたとえだが、この映画、美人ですよ、確かに美人。しかし衆人の前にお出ましになる前の長々としたお化粧最中の美人なのだ。誰がそこまで付き合うだろうか。過剰な自己信頼と思想と信念があるが、謙遜と効率と経済がない。かつて小津は「映画は橋の下で客を引く夜鷹だ」と言った。思い出してほしい。[投票(6)]
★3ヒトラー 最期の12日間(2004/独=伊=オーストリア)ヒトラーに光を当てれば当てるほどくっきりしてくるのは、反駁を忘れた追随者たちのよわよわしい孤独の影だ。怪物が怖いのではなく、追随者の弱さこそ実は怖い。これが全体主義の本質だろう。地下室の入り組ませ方は、この映画のテーマに関わる表現の要。[投票(6)]
★3エデンの東(1955/米)最後のシーン、病床に伏すレイモンド・マッシーにドラマ的必然として惨酷にも延々と語り続けるジュリー・ハリスを見ていて、脚本の底の浅さを思い知らされた。どこかデリカシーにかける。夜が夜としてではなく、ライトを落としたセットにしか見えない照明も品位がない。[投票(6)]
★4ラブ・アクチュアリー(2003/英=米)こんな恋、ひとつひとつじゃとても映画にならぬ。普通すぎる恋を、普通が許されぬ映画にどう定着するかに、この映画の大成功のキーがある。脇までそろったよい役者。ひねりすぎないエピソード。優れたコメディ・リリーフ。その結果、素直な球筋の快速球投手の完封試合という趣きの気持ちよい映画が出来上がった。[投票(6)]
★5いま、会いにゆきます(2004/日)映画が終わって、館内が明るくなる。10代から20代前半の女の子を中心にした観客の中に、中年男はどうやら私一人。しかし、彼女たちと同様に、すこぶる上質の感動に涙を流せたことをうれしく思う。少し面映さを感じつつ。 [review][投票(6)]
★4アンダーグラウンド(1995/独=仏=ハンガリー)何かを手に入れた瞬間に失われる別の何かかけがえのないものへの鎮魂曲。人間にとって時間は単線ではない。悲しいことに「今」が成立するためには、「ありえたかもしれない今」が不可欠なのだ。[投票(6)]
★4椿三十郎(1962/日)ほどよくゆるく進行するドラマが、ラストで一気にアドレナリン出まくりの緊張した画面に収斂していく。そしてその後に何も残さない。この剛腕、この深謀![投票(6)]
★5ストレイト・ストーリー(1999/米=仏=英)最後の旅だということを分かって旅する人間の目に映る風景はどんな色を帯びているのか。ゆったりした画面は確かに美しいが、キャメラは決して老人の内面を事あからさまに描こうとしない。その節度の潔さ・美しさ。[投票(6)]
★5或る夜の出来事(1934/米)ラブ・コメの最高傑作。乗り込みのシーン・木賃宿のシーン・野宿のシーン・ヒッチハイクのシーンどこも大満足。[投票(6)]
★5髪結いの亭主(1990/仏)怖いほど切ない小宇宙。脱出できないのは当然だし、ああなるほかないという説得性がある。[投票(6)]
★5パラサイト 半地下の家族(2019/韓国)人物を型通りに造形したことでストーリーのエンジンとして使いやすくし、加速もコーナリングも思いのままに操った運転能力に賛嘆のほかない。舞台となる豪邸の造形もすごいが、この豪邸から寄生家族の自宅に戻る道への下降感覚が強烈で、消えゆく中間層へのレクイエムとしてのこの作品の性格が実に露わだ。[投票(5)]
★3ラ・ラ・ランド(2016/米)エマ・ストーンエレノア・パウエルに勝てないのは、テクニックの差とは言わないようにしよう。それは時代のせいである。それは、ライアン・ゴズリング扮するしがないピアニストが、好きなジャズで世に出られなかったのとまったく同じだ。時代のせいなのだ。 [review][投票(5)]
★4シン・ゴジラ(2016/日)登場人物は多かれど、悪化する事態に皆なすすべもない。描かれない細部は確かに複雑なものがあろう。しかし、描かれている状況自体はシンプルそのもの。いったん落着を見出すという劇映画の御定法一点を除けばこの映画、実に夢に、特に悪夢に構造が似ている。 [review][投票(5)]
★4007 スペクター(2015/米=英)酒と女と騒動を楽しむためにかりそめにスパイをやっているようなスパイだったのがショーン・コネリーとすれば、ダニエル・クレイグは初代のような不謹慎さを漂わせない、この仕事を天職と受け止め任務にひたすら忠実なリアルなスパイである。素の部分の肌合いの違いが面白い。 [review][投票(5)]
★4GODZILLA ゴジラ(2014/米)クライマックスの戦いぶりのコッテリ感こそ、最近のハリウッド映画に感じるバズ・ラーマン的あるいはジェームズ・キャメロン的なくどさであるが、ここだけがたっぷりとしているので、それまでのテンポと変わったことで救われている。どころか、とても良い効果を与えている。 [review][投票(5)]
★5007 スカイフォール(2012/英=米)活劇シーンがトルコ、上海、マカオ、日本、イギリス、スコットランドと007シリーズらしく国際色豊かに展開される。それらはさまざまな移動手段上で、高層ビルで、廃墟で、地下通路で、そして見はるかす広大な平地の中で異なる色合いを持たせられている。活劇の傑作だ。 [review][投票(5)]
★3空気人形(2009/日)高い批判性と映像の希少性とが無理なく共存した作品。人間と同じ心を持った無生物という設定の論理的な帰結として身体感覚の欠如した主人公の起こした悲劇を通じて、同じ身体感覚を有するはずの人間同士がまともに他者理解できなくなっている寒々とした現実を逆照射する。 [review][投票(5)]
★5丹下左膳餘話 百萬両の壷(1935/日)被写体が動くことにより映画の価値が生まれるという生無垢の基本原理が全ショットであらわである。とにかく佐膳と子役と壷がよく動く。この動きを動きとして面白く見せるのに不動の被写体があえて取り込まれている。それが女達で、この静と動のずれが上等のユーモアを生む。[投票(5)]
★5怒りの葡萄(1940/米)ジェーン・ダーウェルには舞台俳優のような深い思い入れのある演技の顔がある。ヘンリー・フォンダ には映画俳優らしいクローズアップに応えうる内省性を感じさせる演技の顔がある。そしてジョン・キャラダインの顔は演技を超えた実存そのものである。顔々の波動が交響し傑作となった。[投票(5)]
★4アフリカの女王(1951/英=米)ある男女が出会い共通目的に向かって行動しているうちに惹かれあっていくプロセスを寓話的に描いた恋愛映画として観ると、大変含蓄深い。主人公二人の掛けあいのテンポは、まさにどこにでもいる夫婦のそれだ。そして、川は多難な人生の象徴である。 [review][投票(5)]