寒山拾得さんのコメント: 投票数順
| 冬物語(1991/仏) | 歪な性格の主人公に付き合っていられたのは、どのショットも一幅の絵になる見事な撮影から目が離せなかったから。そして最後には、彼女のような不幸と幸福もあるものだと得心させられる。映画の力を感じた。シェイクスピアの舞台の撮影が特に印象的。 | [投票(1)] | |
| 野火(1959/日) | ブラックユーモアになるはずの軍靴の履き替えの件など、市川崑の演出ではほのぼのユーモアになってしまっており、いかにもちぐはぐ。しかし地元民がいて野火が上るという当たり前の事実を重視した和田夏十の脚本は、野火を観念劇の道具にした原作への批評になっており立派。 | [投票(1)] | |
| 青春の夢いまいづこ(1932/日) | 小津作品の男はなにかと平手打ちの連打を繰り出す。時代が男の暴力に寛容だったからなのか、小津の猟奇的な側面をみるべきなのか、私には判断がつかない。そのフォームはピッチングマシーンのような機械的反復を特徴としており、典型的なサイレント仕様であると同時にブレッソンを想起させる。 [review] | [投票(1)] | |
| 鬼が来た!(2000/中国) | この重喜劇のクレジットに崔健の名前を見つけて吃驚した。天安門事件の後、活動を制限されていた間に曲を提供したことになる。本作は天安門の隠喩として観ることができるのだろうか。 | [投票(1)] | |
| ブロークバック・マウンテン(2005/米) | 原作がいいのだろう、物語は面白い(「町の笑いもの」のエピソードが効いている)が、演出は駆け足で淡泊。いかにもCGな書割みたいな風景も嫌いだ。羊の数もCGで増やしたに違いない。 | [投票(1)] | |
| エレファントマン(1980/英=米) | 初対面で涙を浮かべるアンソニー・ホプキンスの造形には感嘆を覚える。偉い人だ。「病室に鏡を持ち込んではいけません」など、後のネタ振りを科白で示すところがいずれも空々しく、興醒め。 [review] | [投票(1)] | |
| 旅の重さ(1972/日) | 裸一貫、自分探し、生活への憧れと、70年代だなあ。極度に観念的だが、同時にひたすら地道でもある。現代のしがらみ抱えた16歳は、この映画をみて何を思うのだろう。紅い鼻緒の草履はどこにいったのだろう。 [review] | [投票(1)] | |
| 心中天網島(1969/日) | 壁一面の草書体が最近の居酒屋みたい。岩下志麻の二役は失敗だろう。同じ役者が義理だ何だとやり合うのは妙ちくりんで、悲劇がボケている。没個性な登場人物ばかりのなか儲け役である小松方正のデフォルメした悪漢振りがいい。もっと活躍してほしかった。 | [投票(1)] | |
| アジアの純真(2009/日) | 道行メロドラマの秀作。政治映画としては残念な出来。 [review] | [投票(1)] | |
| 北国の帝王(1973/米) | 私にとってはアルドリッチ随一の傑作。笑うべきなのか怖がるべきなのか対処の仕方の判らない異物、「意味不明の迫力」を絵に描いたよう。大衆作家がいきなり純文学の傑作を物したような。 | [投票(1)] | |
| 浜辺の女(1946/米) | 驚いたのは早々に立ち上がるエンドマークで、ええっ、もう終わるのか! という71分の作品。平凡なカット割りですいすい進行するばかりで、ルノワールらしいコクがなく、不満。 [review] | [投票(1)] | |
| トーク・トゥ・ハー(2002/スペイン) | 冒頭と最後の創作バレーが斬新でとてもよい。本編もこの調子でやればいいのに正反対の、自虐と自慰のねっとりしたとぐろ巻き。人生不器用にも程があるだろうし、女性賛美は化粧品の広告めいており、結末を奇跡と呼ぶのは一方的な願望に過ぎない。 [review] | [投票(1)] | |
| 終電車(1981/仏) | すっかり騙された快感に浸れる傑作 [review] | [投票(1)] | |
| 南部の人(1945/米) | 逆光の老婆、小屋を遠目に捉えたディープ・フォーカス、耕地を斜めに耕す馬、綿花畑の移動撮影、全てが美しく心に沁みる。水没した農地の描写、庇を強調した構図のなんと見事なこと。タルコフスキーは影響を受けたに違いない。 [review] | [投票(1)] | |
| キートンのマイホーム(1920/米) | まるで新婚の多幸感が一連の災難を具現化させたかのようで、しかも二人はこれらを愉しんでいるかのようだ。一緒に尻餅ついたりして。 | [投票(1)] | |
| キートンの蒸気船(1928/米) | 災害時だけ普通に歩ける人、という典型を画面に定着させた驚異的な傑作。CG映画は本作を超えることができないと予め定められている。 | [投票(1)] | |
| 白人酋長(1922/米) | 昆虫採集からキスシーンまで、クールなキートンが格好いい。アニメ合成なのか、追っかけシーンで何度か空を飛ぶが、見事にきまっていて痛快。帽子を弓で射抜かれるシーンを、黒澤は『蜘蛛巣城』でいただいたに違いない。 [review] | [投票(1)] | |
| キートンの漂流(1921/米) | ブラック・ユーモアの傑作。感嘆を覚える冒頭のヨット水没の構図に始まり、不気味さに満ちたラストに至る。 [review] | [投票(1)] | |
| アリスの恋(1974/米) | いかにもハリウッドな小ネタ満載で愉しく、女性映画にありがちなナルチシズムがないのが好ましい。満点とはいかない人生を上がったり下がったり、日々充実しながら歩んでいる主人公に羨ましさを覚える佳作。 [review] | [投票(1)] | |
| 台風騒動記(1956/日) | 土建屋系の町会議員三島雅夫ほか助演陣のお祭りのような作品で、これでもかとばかりに露悪的な町議会が、場所を料亭に移してほとんどロマンチックに議事を運営する。多々良純の警官もえげつない。 [review] | [投票(1)] |

