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エピキュリアンさんのコメント: 更新順

★328DAYS(2000/米)すごい陰惨なテーマだしストーリーなのに、この明るいフィルムのルックは何?コメディタッチの演出は何?と思いながらも、見ているうちにすっかりリズムに飲み込まれて最後まで楽しんで(?)しまった。こういうタッチって、誰に見せるために作られてるんだろう・・。すごく良い映画とは思うんだけど、なんか後味がちぐはぐなのね・・。[投票]
★5ドッグヴィル(2003/デンマーク=スウェーデン=仏=ノルウェー=オランダ=フィンランド=独=伊=日=米)あー退屈かも・・と思って見たら、めちゃくちゃ面白かった!。演技ってなんだろう、って考えちゃうぐらい、個々の役者の感情が赤裸々で、それが壁のない空間で透けて見えちゃうことが、ひとつの演出なんだなー、と感心した。見る物を悪へとつれてゆく手並みが鮮やか。しかし命を削って撮ってるね、トリアーは。[投票(3)]
★5ロスト・イン・トランスレーション(2003/米=日)言葉が通じない外国で、なぜか親しいはずの夫や家族との意志疎通が不能になるお話。いやー、この状況設定がリアルだわ。仕事で訪れている海外での孤独が自分の内面を鮮明に写す出してしまうって切ないほどリアルで、笑いながら痛かった。小児的なキャラの国日本をよく忠実に捉えていたしね。照明をほとんど使わない撮影には勇気を感じました。[投票(5)]
★4誘う女(1995/米)いい役者って、そのシーンに必要な感情そのものになれることだとおもう。で、ニコール・キッドマンはすげー演技者であることをこの段階で明らかにしてたんですね。自分がどう見えるかを知り尽くしてワルのキャラが見事。しかもガス・ヴァン・サントらしいテイストでね。たとえばヒッチコックが監督だったら彼女はまた違ったキャラを演じたに違いない。[投票(1)]
★4ジム・キャリーのエースにおまかせ!(1995/米)ファレリー兄弟物を先に見てしまってたのですが、いやー面白かった!こんなに毒があるとは・・。でもこの分だと、映画やテレビでは出来ないネタをこの人は沢山もってるな、と思った。あまりの意味がアウトした逆にしらけそうになるところをぐいぐい押しまくって納得させてしまうワザは、世界に彼しかいない気がする。[投票]
★4宋家の三姉妹(1997/日=香港)個人的は、マギー・チャンの存在感、色気、演技をただただいつまでも鑑賞して居たかったなー、という作品。それにしても、欧米流のいわゆる文化的な生活があって、そこから共産国家になってゆくという流れが、歴史的な転倒の滑稽と悲劇とのダイナミズムとして鮮やかに描かれていて、素晴らしかった。もっと長尺にしてもよかったのでは?[投票]
★5ガッジョ・ディーロ(1997/仏=ルーマニア)トニー・ガトリフの作品の仲では、もっとも映画的だし、もっとも好きな作品。雪で凍ったり、ぬかるんだりする地面が見せる表情がいい。その土地とジプシーたちが交感してることが伝わってくる。そして彼の白い息のように身体から立ち上る音楽!唾を吐くように警戒しながらも狂おしい愛。しかし道ばたにあるのお地蔵さんかと思っちゃったぜ(笑)[投票]
★4クロッカーズ(1995/米)この作品あたりからスパイク・リーは、テーマを丸ごと象徴的に扱うのをやめて、それぞれ個人の仲で何が起きてるのかを、探るようになった感じ。ので、映画に大きなカタルシスはなくなったけど(それは危険なものと考えたのかも)、いま起きていること、いま考えないといけないこと、って感じの臨場感が生まれた気がする。消防士、似合ってるし。[投票(1)]
★3ジターノ(2000/スペイン)なんかストーリー運びがもたついているのは、世界のホアキンに周りが気兼ねしてたんじゃないか、って邪推しちゃいました。あと、踊っている時は大きく見えるけど、カメラの仲で普通の演技をしてるホアキンは、すごく小ぶりに見えて、その存在感に説得力がなかったな。でも音楽のシーンに、1点。[投票]
★3彼女たちの関係(1994/仏)ベティ・ブルー』のような奇跡のような作品でデビューしたことがベアトリス・ダルの不幸かも。『ナイト・オン・ザ・プラネット』は例外的に素晴らしいけど、あとは、なんか、そこで演技している事そのものがカメラに映ってしまうような存在感がストーリーを座礁させてしまう。なんだかなー・・。[投票]
★3ニュー・シネマ・パラダイス(1988/仏=伊)とても映画的な映像に溢れてるので、物語を忘れても楽しめる作品だとおもいます。それにしても、映画づくりのためには捨てなければならないものがある、という非常に過酷で反ロマンチックで反人間主義的なテーマなのに、多くの人がこの映画を好きというのはなぜ?それが一番の不思議。テーマは好きだけど何か「あざとい」感じなんだよなー。[投票(1)]
★4クライング・ゲーム(1992/英)政治理念や思想がいかに強固であろうと、無作為に起こる出来事でまるで脱臼するように個人の人生はあらぬ方向に飛んでいってしまう。それを虚無感に陥るぎりぎりのところで踏ん張っている映画。映像のわずかなノイズのように希望がちらつく。しかしこの映像の色と湿度とぶしつけなカメラの動きは、イギリス映画そのものだと思った。[投票(2)]
★3ベンゴ(2000/仏=スペイン)これを映画というかどうかは、私は問わない。『ラッチョ・ドローム』みないなセミドキュメントと思って観ればいいんじゃないかな。音楽と聴いて観られただけで満足。この人、ほどんどアドリブのように映像を撮って繋んだけど、調性感が薄くて(アウトって意味じゃなく)構成力も緩いのね。だから物語が音楽と現場に引きずられてしまうのね。[投票(1)]
★5ラッチョ・ドローム(1993/仏)1999年にパリで現地のミュージシャンから、フラメンコはインドから来たんだ、と教えられたその話しそのもの。もしかしたら、奴ら、この映画を観て受け売りしてたのかも。しかし、彼らの旋律、和声、リズム、踊りの振り、衣装、アクセサリーに、1000年を越えて変わらない「芯」みたいなものがあることが、激しく胸を打つ。[投票]
★4僕のスウィング(2002/仏=日)チャボロ・シュミッド好きだからなー。その人本人が、ちょっとづつ口にする演奏へのコツは有難すぎてついDVDをポーズにしてギターと取り出してしまうじゃないか(笑)。日本もちょっと前には東京でも子供は草むらで転げ回ってイノコズチとか身体中にくっつけていたもんだけど、あれはスウィングだったのか・・・・・。[投票(1)]
★5刺青(1966/日)物語と撮影と美術と役者とその演技が、見事にひとつに解け合った希有な作品。その美しい語り口から恐ろしい物語が次第に明かされてゆく手際の良さに、つい極悪な所業なのについ想いを寄せてしまうほど、この若尾文子の美しさにはちゃんと理由がある。身を滅ぼしても良いとさえ思う甘い毒って、こんな感じなんだろう、と思った。[投票(1)]
★3やさぐれ刑事(1976/日)手負いの野良犬であるはずの原田良雄が、ものすごくタフに見え、また彼は土地土地で結構おしゃれなものを着てるので、なんか、余裕に見えちゃうのね。だから寝取られた自分の女房を抱く哀愁も感じられない。むしろ翻弄される女を無表情に諦め顔で演じる大谷直子にリアリティを感じてしまう。哀愁の演技は『寝盗られ宗助』まで待たないと、って感じかな。[投票]
★5春桜 ジャパネスク(1993/日)ビデオだからなー、という先入観は、冒頭いきなりの清順節カットつなぎで、あっさりと洗い流され、つづく桜の素晴らしい使い方のアイディアと風吹じゅんの色っぽさでもう私は虜になってました。必要なものだけのシーンをつなぐと、どうしてシュールに見えるのか、まいど目から鱗が落ちますです。[投票]
★4ウォーターボーイズ(2001/日)役者たちにぎりぎりの努力をさせて、その成果を他の出演者ともども受け止める、という構造は本物の感動になるんだ、と感心した。真剣にシンクロしてる役者も必死なら、それを観ている子たちも素で応援してるし。でも、あれだけの魚を傷つける必要ななかったと思う。ギャグのために魚を平気で痛めつける神経は、ちょっとヤだったな。[投票]
★3天使のはらわた 赤い眩暈(1988/日)習作、って感じでした。車の中の人物をどう撮るか、雨の光をどう表現するか、カーテンをつかってどうサスペンスを高めるか、などなど、その後の石井映画を構成するいろいろなテーマが実験されている。でもきっと時間とお金がなかったのかな。それが立ちすぎて物語の邪魔になってるもんね。すでに引きの絵が素晴らしいけど。[投票]