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赤い戦車さんのコメント: 点数順

★4青天の霹靂(2014/日)上出来の96分。冒頭、大泉洋の繰り出すトランプマジックの手元を1ショットで映し出す。追いかけるカメラの動きが少々ぎこちなく感じるが、手品を役者自身に演じさせようという意志にまず好感が持てる。 [review][投票(3)]
★4ラストスタンド(2013/米)皆が期待した通りのシュワ主演映画。西部劇がやりたくて仕方がなかったとみえる。こんなアクションの撮り方でいいはずがないのだが、相当に緩い序盤30分を越えると中々面白くなってくる。トミーガンに機関銃、スイカが山積みになった荷台、スクールバス、トウモロコシ畑での追跡劇、国境上の橋での一騎打ち。やたらに映画的記憶を刺激してくるのだ。 [review][投票(3)]
★4ホーリー・モーターズ(2012/仏=独)冒頭で提示されるマレーの連続写真のように、映画の原初的な力を取り戻すこと。カラックスは突発的アクションの可能性に賭けたのだろう。突然犬が現れ、突然髪の毛を齧り、突然楽隊の行進が始まり、突然歌を歌い出す。『ホーリー・モーターズ』にはあらゆる「突然」が詰まっている。 [review][投票(3)]
★4インサイダー(1999/米)心理説明が一切出てこない。人物は常に「行動=アクション」でもって自らの意思を示す。だからこそ、マイケル・マンの映画の主要登場人物は常に「プロ意識」の塊として現れてくるのであろう。「プロ」はまず行動でもって意思を示すからだ。その無駄のない語り方や持続力といい、私にはこの監督が現代のハワード・ホークスのように思われる。[投票(3)]
★4別離(2011/イラン)久々にきちんとした脚本に基づく映画を観た。作品内で起こる事象、人物の立体的なことといったら。伏線を張り巡らせれば良い脚本になると思い込んでる連中は、一度これを観て勉強すべき。 [review][投票(3)]
★4アンノウン(2011/英=独=仏=米=日)どの場面、どのカットもできる限り面白くしてやろうという強い意志が感じられる。そしてその試みはほぼ成功しているといっていい。ジャウマ・コレット=セラ、これは将来有望株だ。 [review][投票(3)]
★4アルゴ(2012/米)子供たちが写真を組み立てている描写はモンタージュの暗喩なのだろうか。昨今の流行に照らし合わせても、これほどカット数が多い映画は中々お目にかかれない。別々の国で同時進行する物語なのだから必然的とはいえ、細かい矢継ぎ早のカッティングが目立つ。 [review][投票(3)]
★4勝手にしやがれ(1959/仏)ヌーヴェルヴァーグというのはそもそも肩肘張って観るような映画ではない。「映画史を変えた!」などという触れ込みを念頭において観るから面倒くさいことになる。可愛らしい「すれ違い」の映画。 [review][投票(3)]
★4ル・アーヴルの靴みがき(2011/フィンランド=仏=独)相変わらずの厳格な視点を保ちつつも、これはカウリスマキ史上最もポジティヴな映画ではないか?ある種のお伽噺的な趣があり、まるでチェーホフの作品を読んでるような印象。ちなみに『ラヴィ・ド・ボエーム』を観てると小ネタで楽しめるかも。[投票(3)]
★4ドラゴン・タトゥーの女(2011/米=スウェーデン=英=独)MTV風のOPで不安になるが、本編が始まるとあっという間に引き込まれていく。『ソーシャル・ネットワーク』の速度感と『セブン』の禍々しさが最高度に融合された一大傑作。この語りの巧さには舌を巻くばかり。ポランスキーゴースト・ライター』の影響も興味深い。[投票(3)]
★4ゴーストライター(2011/仏=独=英)終始悪天候の空、名前を一度も呼ばれることのない主人公。冒頭から無駄のない語り口で圧倒する、かつてのヒッチコックをも想起させる良質のサスペンス映画。 [review][投票(3)]
★4愛の勝利を ムッソリーニを愛した女(2009/伊=仏)一人の女性の生涯を通じてイタリア近代史を描いた大河ドラマに一見思えるが、内実は過剰すぎるほどにフォトジェニックな画面と面白演出の数々(アニメーションの飛行機が画面を横切る!)で圧倒する野心作。ただし、邦題は痛恨のミスリード。[投票(3)]
★4旅芸人の記録(1975/ギリシャ)話はよく分からんが、どの画面にも力があり、長回しばかりとはいえその中で緩急を巧く付けているので、最後まで飽きずに観ることができた。4時間という長さは我々観客に近代ギリシャの哀しみ、苦しみを共有させたかったのではなかろうか。結婚式のダンスでさえ物悲しい。[投票(3)]
★4フェイシズ(1968/米)場の空気が変わる瞬間に、何度もドキッとする。[投票(3)]
★4ザ・タウン(2010/米)多少人物描写がおざなりの感はあるが傑作。ベン・アフレックを見直した。ロバート・エルスウィットの撮影も要所要所でキメている。 [review][投票(3)]
★4崖の上のポニョ(2008/日)心底怖い映画。今までオブラートに包まれていた宮崎駿の狂気が丸裸になって迫ってくる。こっちまで発狂しそうだった。[投票(3)]
★4最後の決闘裁判(2021/米)リドリー・スコットには何にせよ胆力はある。中世の戦闘、裁判、業務報告、決闘といった『儀式』の細かい描写(甲冑や馬蹄音の重量感!)の積み重ねに監督の様式美を追求する姿勢が合致。反復の面白みがあるとは言い難い脚本だが個々の場面に目を離せない重量感が備わっている。 [review][投票(2)]
★4モンタナの目撃者(2021/米)アンジーが最初に塔に辿り着いたロングショットで手に持ってた斧を放り投げるが、別に何故投げたのかを説明しようともしない。日常的にこういう動作を反復してるのだろうと思わせる。 [review][投票(2)]
★4人生の乞食(1928/米)少し説教臭い部分もあるが、私が観たウェルマンでは『廃墟の群盗』に次ぐ傑作。 [review][投票(2)]
★4ホテル・ムンバイ(2018/米=インド=豪)犯人たちの躊躇いのなさが良い。あくまでも即物的に射殺を捉えていくからこそ、生まれる緊張感は見もの。2019年度公開の中でも特級に怖い映画。[投票(2)]