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寒山拾得さんのコメント: 更新順

★3美味しんぼ(1996/日)味覚表現の空々しい科白で有名な原作だが財津一郎がこれを実に巧みに喋る。俳優の実力ってこういう処でも出るものなのだ。尊敬を抱いてしまった。 [review][投票]
★3チャンプ(1931/米)ディケンズ調の貧乏と金持ちの往還話でチャップリンの影響も色濃く、快活な序中盤はとても愉しい。映画の作りはまだ31年なのにハイレベル。子役のジャッキー・クーパーはとても上手く、上手すぎるような気がしてくるほど。 [review][投票(1)]
★4ゾラの生涯(1937/米)有名人の半生もので、前半は来歴を駆け足で追いかけ、後半に突然腰を落ち着けて、ひとつの事件を詳述する、という手法、たまに採用されるものだが、本作などこの元祖なのだろうか。 [review][投票]
★4波止場(1954/米)お膳立ての効いた美術生かしたボリス・カウフマンの技冴えまくりで、二箇所ある縦構図が抜群だ。ひとつは冒頭の殺害の件で、アパート(縦を強調するために鉄梯子が設置されてある)の上下の目線の交換がいきなり白熱する。 [review][投票(1)]
★3ソイレント・グリーン(1973/米)「人間がいっぱい」の映画化。60年代SFの科学的想像力は「温室効果による酷熱」をすでに予言している優れもの。映画はスケール感の欠落甚だしく、カーペンターを予告しているがそれなりに面白い。 [review][投票]
★3プラダを着た悪魔(2006/米)出涸らし感激しいコメディで、コンピュータに書かせた脚本みたいだ。このジャンルはもう細部のギャグまで出尽くしていて、あとは俳優と背景をどう取り換えるかが問われるだけなんだろう。 [review][投票(1)]
★4越境者(1950/伊)村や町の描写はジブリ好みの美しさで、並置された群像のシュール寄りな描写はオーソン・ウェルズが想起させられる。カルロ・ルスティケッリの抜群に歌う劇伴もキャリアの最初期からさっそく素晴らしい。 [review][投票]
★2革命前夜(1964/伊)革命と革命前夜は違うとか云って煙に巻くだけの二時間。ゴダールの物真似なら突き放して陽気に撮ればいいのにメロウでセンチで辛気臭い。革命はする気ないしアドリアーナ・アスティは魅力ないし面白い画もない。 [review][投票]
★4格子なき牢獄(1938/仏)俳優のその後の履歴からヴィジー政権との関わりを無視して観るのが難しい映画だが、皮肉なことに作品自体は純粋にフランス建国の理念を説いて優れている。「必要なのは鉄拳の脅しではありません。それが困難でも、愛情です」 [review][投票]
★2裏切りのサーカス(2011/英=仏=独)雨後の筍のように増え続ける登場人物を整理せよと映画は観客に面倒を強制してくるのだが、その労力は実に不毛である。 [review][投票(1)]
★2キムチを売る女(2005/中国=韓国)美点は中国周辺部の風景の切り取りで、キアロスタミ系列の無口な話法は無口な街並と相性が良かった。話は才覚溢れた断片が積み重ねられるが終盤は酷い。 [review][投票]
★5中国娘(2009/英=仏=独)中国の田舎町から重慶、ロンドンへ、横移動人生の娘の目を借りていろんなものを眺めさせてくれる秀作。片桐夕子みたいなルー・ホアンが好演。P.J.ハーヴェイの片腕のジョン・パリッシュがいいギターを聴かせてくれる。 [review][投票]
★4汚れなき祈り(2012/ルーマニア=仏=ベルギー)修道院とは、信仰のない者は救わない場所、来てはいけない場所、出て行ってほしい場所だということが徐々に判明してくる。私にはそれがショックだった(含『尼僧ヨアンナ』『エクソシスト』のネタバレ)。 [review][投票(1)]
★3受取人不明(2001/韓国)キム・ギドク観てグロいと云っても何も云ったことにならないけど、この初期作はグロが的外れのように見える。後のいい作品はもっとグロがこなれていると思うのだが。 [review][投票]
★3素晴らしい一日(2008/韓国)茫漠として取り止めがないのが味なんだろう。コメディのようでコメディではない。チョン・ドヨンの造形が重すぎるように感じるのだけど、女性映画としてはこれでいいのかも知れない。 [review][投票]
★4明日へ(2014/韓国)本邦では四半世紀ほど見かけない組合運動実録。こんな地味な映画にスターが主演して女優賞が与えられている。ヨム・ジョンア。昔の香川京子みたいだ。 [review][投票]
★3新感染 ファイナル・エクスプレス(2016/韓国)「感染」の続編の「新感染」だろうと前作を探した時間は見事に無駄になった。なんで新感染なのだろう邦題。新幹線の洒落のつもりなのか。 [review][投票(1)]
★2完全な遊戯(1958/日)さっそくに太陽族の看板畳むような教条道徳志向で演出も嫌味が多く退屈。ただ小林旭芦川いづみのユーモラスな偽デートの件だけは感じいいけど。[投票]
★5思ひ出(1927/米)桃色の店』と並び称されるべきルビッチのメロドラマの傑作。ジャンルの本質を見事に射抜いており、身分違いの恋の悦びと切なさを描く映画は以降、全て本作に似てしまっているだろう。 [review][投票]
★4山猫リュシュカ(1921/独)モテすぎで左遷された中尉のパウル・ハイデマンは上原謙のように誰にでも優しいから山賊の娘にも優しい。なんて喜劇的な人物だろう。待ち受けるポーラ・ネグリは春川ますみの野蛮を彷彿とさせる。春川ますみVS上原謙! [review][投票]