菅原謙二の映画ファンのコメント
寒山拾得のコメント |
死の街を逃れて(1952/日) | 第一級の厭戦映画。細部がリアルで胸に迫ってくる。とんでもない話だ、全く。 [review] | [投票(1)] | |
七人の刑事 終着駅の女(1965/日) | 映画は推理劇よりも周辺人物群を肉付け豊かに描写するを本旨としており、変化球として時折見られる手法だが、本作が優れているのはこれを徹底したことにある。 [review] | [投票(2)] | |
氷壁(1958/日) | マスムラ劇画がいけない方へ転んで余りにも元祖大映テレビ。ベストショットは断然山本富士子の破廉恥なネグリジェ。なお、『妻は告白する』と混同させられるが全然別の話。 [review] | [投票] | |
私のベレット(1964/日) | 学生映研レベルの詰まらないコメディのオムニバス。80年代広告批評の先駆的な視点があるが、それも結局は広告でしかない。 [review] | [投票] | |
貴族の階段(1959/日) | 美点は戦前貴族世界の詳述にいろいろと発見があることか。この武田泰淳作を三島はどう評したのだろう。 [review] | [投票] | |
青空娘(1957/日) | 『スチュワーデス物語』系統の煮ても焼いても食えない作品。田舎出の少女東京を行くという東宝系アイドル映画の先駆として、いかにも類型的。敬して遠ざけたい世界。 | [投票] | |
昭和残侠伝(1965/日) | 任侠・ヤクザ映画としても下のほうだが、そもそもテキ屋はヤクザではなく、この点誤認があるのではないか。当時全共闘が支持したのは本作の、土地所有権とは何かという疑問の提示であったはずで、ここをもっと斬り込んでほしかった。 [review] | [投票] | |
七人の刑事 女を探がせ(1963/日) | 推理劇は低調だがいつもながらロケ中心の風俗描写が面白い。本作も荒川映画、葛西橋から四ッ木橋が捜査範囲、荒川は湿地で沼のようだ。浦安の河川に連なる川舟の上を逃走する件もスリリング。 [review] | [投票] | |
台風騒動記(1956/日) | 土建屋系の町会議員三島雅夫ほか助演陣のお祭りのような作品で、これでもかとばかりに露悪的な町議会が、場所を料亭に移してほとんどロマンチックに議事を運営する。多々良純の警官もえげつない。 [review] | [投票(1)] | |
市川馬五郎一座顛末記 浮草日記(1955/日) | ミゾグチにしてもオヅにしても、旅芸人ものは不況解散が相場だった訳で、別の結末を求めたのは立派。花沢徳衛がいい。 [review] | [投票] | |
穴(1957/日) | 京マチ子のコメディエンヌ振りが愉しい一編。政治志向を遠ざけてナンセンスに徹しており、市川崑は以降その傾向が強まるのだろう。撤退しているの印象強い。 [review] | [投票] | |
あなたと私の合い言葉 さようなら、今日は(1959/日) | 前半★5。パロディのまま最後まで通してほしかった。 [review] | [投票] | |
日露戦争勝利の秘史 敵中横断三百里(1957/日) | クロサワの少年倶楽部系「痛快娯楽作」の底の浅さが逆コースと呼応した悲惨な駄作。併映は『赤胴鈴之助』。 [review] | [投票] | |
女経(1960/日) | 市川崑の第二編が秀逸。ナンセンスな導入も望遠多用の室内撮影もお気楽な収束もみな見事、彼のよい処ばかりが出た代表作だろう。 [review] | [投票] |