★5 | 再見後3点を5点に付け直した。追い詰められていく男の心理、人格、知性、感情の表現が完璧だ。狩をする森の木漏れ陽、要塞の一室での影の扱い、若い女のアパートメントの窓から射しこむ街灯の明暗の調節、男と女が離れていく橋に漂う霧の処理など目を洗うような美しさ。 [review] (ジェリー) | [投票(3)] |
★4 | フリッツ・ラングとダドリー・ニコルズとアーサー・ミラーでこんな反ナチス映画を作ってしまう、というのは凄いことだと思うし、エンディングは常軌を逸したレベルだとも思ってしまうのだが、しかし、この曖昧かつ徹底的(!)なラストは呆気にとられてしまった。
[review] (ゑぎ) | [投票(1)] |
★4 | 根底に流れるのはシリアスな反ナチ・サスペンス。人の出し入れの妙や明暗演出の格調。少年水夫や兄夫妻とのコメディ。ジョーン・ベネットとの純愛。そんな「要素」が、むき出しのままゴロゴロと綴られながらも不統一が気にならず、かえって不思議な味がある。 (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★4 | ラングの凄みはむしろロンドンに着いてからの充実ぶりにある。ジョーン・ベネットとのロマンスコメディ的な部分と、追っ手が迫るパートの緊張感。この不協和な面白さが突如恐怖と絶望に変わるラストは筆舌に尽くしがたい。また、主人公に危機が近づくと決まって「円」「球形」のモチーフが出てくるところもラング的。 (赤い戦車) | [投票] |
★4 | ジョーン・ベネットのジェリーの造形が素晴らし過ぎて(一挙手一投足がラングの演技指導によるものらしい)、本筋が喰われてしまっていると思う。 [review] (寒山拾得) | [投票(1)] |