白いリボン(2009/独=オーストリア=仏=伊) | ★5 第一次大戦前夜のドイツの寒村。何者かによって張られた針金によって医者(ライナー・ボック)が落馬し大怪我をした。その事件が引き金のように不吉な出来事が頻発し始める。地主の男爵(ウルリッヒ・トゥクール)の納屋で小作人の妻が転落死したのだ。息子のマルティン(レオナルト・プロクサウフ)ら6人姉弟に厳しく接する牧師(ブルクハルト・クラウスナー)一家、男爵に仕える家令(ヨーゼフ・ビーアビヒラー)一家、障害児をかかえる助産婦(ズザンネ・ロタール)らの慎ましくも息苦しい日々が続く。季節が移ろうなか、やがて魔手は幼い子供たちにも伸び始める。カンヌ国際映画祭最高賞受賞(144分/白黒/ヴィスタサイズ) (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
ツリー・オブ・ライフ(2011/米) | ★2 無機質な高層ビル街で仕事をこなすジャック(ショーン・ペン)は、子供のころに厳格な父と対立したことを今でも悔い、救いの問いを投げかけ続けていた。1950年代、テキサスの田舎町でジャック(ハンター・マクラケン)は3人兄弟の長男として育った。神の恵みを説く慈悲深い母(ジェシカ・チャステイン)は、子供たちに溢れんばかりの愛を注ぐ。一方、父(ブラッド・ピット)は、社会的成功を望みながらも現実の壁を実感し妻や子供たちを強圧的に支配していた。ジャックの苦悩の問いかけと、少年の日々に呼応するように、地球創世から生命誕生、そして「大きな何か」の存在が先鋭的に再現される。カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞(138分) (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
エクスペリメント(2010/米) | ★3 ■被験者募集■「参加期間:14日間」「日給:$1000」「あなたの人権を侵害する恐れがあります」・・・・・・。こんな広告に誘われて集められたトラヴィス(エイドリアン・ブロディ)、バリス(フォレスト・ウィテカー)ら、24人の男たち。刑務所と同じ環境で、「看守役」と「囚人役」に分かれてすごすと言う実験が始められた。囚人には5つのルールが課せられる。暴力行為が行われたら、「赤いランプ」が点滅し、即座に実験中止になり、報酬は支払われない・・・。実験開始後、あっという間に看守と囚人は対立し、隠されていたエゴや自我が次々と噴出した。果たして彼らはこの実験を最後まで続けることが出来るのだろうか・・・。 [more] (プロキオン14) | [投票(1)] |
ラスト・ワルツ(1978/米) | ★5 16年間にわたって活動を続けてきたザ・バンドが、1976年11月25日、サンフランシスコのウィンターランドで行なった、いわゆる解散記念コンサート「ザ・ラスト・ワルツ」の記録である。映画はアンコールの最後の曲から始まり、監督のスコセッシによるメンバーへのインタビューを所々にはさんで、まるで連想ゲームのように組み立てられている。ビル・グレアムが Concept Producer とクレジットされている。また、コンサートの音楽プロデューサーはジョン・サイモン。
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クロッシング(2009/米) | ★4 犯罪多発地区を抱えるNY市ブルックリンを舞台に3人の警官の姿をアントワン・フークア監督が描く。何事も見ないふりをして過ごして定年まで後7日となったエディリチャード・ギアは新人警官とコンビを組まされる。麻薬捜査課のサルイーサン・ホークは病気の家族のために良い家に引越しをしたいが安月給でその頭金がままならない。長年麻薬密売組織で潜入捜査をしてきたタンゴドン・チードルはかつて命を助けられたボスのキャズウェズリー・スナイプスに信頼に似た感情を持ちはじめていた。犯罪が多発するこの街で3人の警官の運命が交錯する。原題は「ブルックリンの警官たち」の意。(132分) (シーチキン) | [投票(1)] |
儀式(1971/日) | ★3 桜田満洲男(河原崎健三)は、兄の輝道(中村敦夫)から「テルミチシス」という電報を受け取った。電報の発信地へ急ぎ向かう満洲男は、彼が育った地方の旧家・桜田家のことを思い出していた。終戦後戦犯指定を受けながら、それでもなお桜田家に絶対的権威として君臨していた祖父・一臣(佐藤慶)と、一臣に「支配」されている一家の人々の姿を…。彼らの姿を通して、封建日本の天皇制国家・家父長制度を支えてきた「儀式」、そして戦後日本にも巣食うその残滓が描き出される。当初大島渚監督は、タイトルを『日本帝国主義』にしようかとも考えていたという。[122分/カラー/シネマスコープ] [more] (Yasu) | [投票(1)] |
暗いところで待ち合わせ(2006/日) | ★4 事故で視力を失った本間ミチル(田中麗奈)は、ひとり静かに暮らしている。ある日のこと、ミチルの家に忍び込んだ大石アキヒロ(チェン・ボーリン)。無言のまま部屋の片隅に座り込む。テレビからは目の前の駅で起きた殺人事件のニュースが流れる。ミチルもおかしな気配に気づき始めるが…。二人の奇妙な生活がはじまる。(カラー/129分) [more] (ガリガリ博士) | [投票(1)] |
ベスト・キッド(2010/米) | ★5 母と二人デトロイトに暮らすドレ(ジェイデン・スミス)は、母の仕事の都合からアメリカを遠く離れた北京へと移り住む。言葉も通じない異国での暮らしに、「ここには古いものしかない」とこぼすドレ。そんな中知り合った中国人少女メイ(ハン・ウェンウェン)にほのかな恋心を抱き始める彼だったが、それを切っ掛けに学校でイジメの対象にされてしまう。何とか一矢報いようとする彼に、容赦なく襲いかかるいじめっ子たち。そんな彼を救ったのは、ドレのアパートの無愛想な管理人・ハン(ジャッキー・チェン)が繰り出すカンフーだった。 [more] (Myurakz) | [投票(1)] |
告白(2010/日) | ★5 「本日は終業式です。わたくし森口悠子(松たか子)は今日をもってこの中学校を退職いたします・・・。ご存知の通り、わたくしはシングルマザーです。愛するその一人娘は死にました。警察では事故死と判断されましたが、娘は事故死ではありません。娘はこのクラスの生徒に殺されました。犯人はふたり。これからはその二人を「A」と「B」と呼ぶ事にします・・・。13歳のあなたたちは「少年法」に守られています。しかし法律があなたたちを許しても、私は許しません。」 [more] (プロキオン14) | [投票(2)] |
ビッグ・リボウスキ(1998/米) | ★5 俺はデュード(ジェフ・ブリッジズ)、しがない中年男さ。そんな俺がある日ボウリングしてから帰宅すると、待ち受けていた野郎どもに「金をよこせ」といきなりボコボコにされた。どうやら俺の本名「ジェフ・リボウスキ」と同名の富豪だと勘違いされたらしい。憤慨した俺はボウリングしてからリボウスキ氏に事情を話すが、「知るか」の一点張り。しかし数日後、その彼から「妻が誘拐された。身代金の受け渡し人になってくれないか」。報奨金目当てに引き受けた俺だが、やたら好戦的なダチのウォルター(ジョン・グッドマン)を始め、いろんな奴らの思惑が絡んで、話は果てしなくややこしくなっていく。まずはボウリングでもするか……。 (薪) | [投票(2)] |
コララインとボタンの魔女(2009/米) | ★5 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のヘンリー・セリック監督、撮影のピート・コザチクが再びストップモーションアニメで描く。コララインは引っ越してきた家で小さな扉を見つけたけど向こうはレンガの壁。ところが夜中、扉の向こうのトンネルを通り抜けるとちょっとだけ違う「別のママ」と「別のパパ」がいて、ご馳走してくれて、とっても楽しい世界だった。朝、コララインは楽しい夢の話を両親にするが、ろくに聞いてくれない、その上、料理もいい加減、欲しい物は買ってくれない。おもしろくないコララインはついに昼間、小さな扉の向こうへ入り込む。「別のママ」は「いつまでもここにいていいのよ。その代わり・・・」(100分) [more] (シーチキン) | [投票(1)] |
彼女を見ればわかること(2000/米) | ★4 「キーナー医師の場合」、「レベッカへの贈り物」、「ローズのための誰か」、「おやすみリリー クリスティーン」、「キャシーを待つ恋」の5話(5部)構成。それぞれ、年老いた母親を看護する医師、不倫関係を続ける銀行支店長、童話作家のシングルマザー、恋人が病に侵された同性愛の占い師、盲目の妹の世話をしている警官、の5人の女性とその周辺が描かれる。脚本および監督は「百年の孤独」などでノーベル賞を受賞している G. ガルシア・マルケスの息子、ロドリゴ・ガルシア。
(カフカのすあま) | [投票(5)] |
亡国のイージス(2005/日) | ★3 [ネタバレ?(Y2:N3)] 国防の楯となる海上自衛隊イージス艦のいそかぜへ某国の策謀により、毒ガス兵器”グッソー”が持ち込まれた。これの使用を防ぐために、日本の秘密諜報組織ダイスは工作員を乗船させるものの、いそかぜは自衛隊の意思を離れ、東京は未曾有の危機に直面する。守るべき国の形を見失った亡国の楯(イージス)が日本の現状を憂い、自衛隊の有り方を問う、新進作家福井晴敏氏の3つ目の映画化作。 映画を楽しむための原作からの補完解説→ [more] (アルシュ) | [投票(16)] |
曲がれ!スプーン(2009/日) | ★4 クリスマスイブの日、とある喫茶店に集ういわくありげな男たち−実は彼らはそれぞれがテレキネシス、透視、テレパシーなどの超能力を持つ男たちだ。日頃はその能力をひた隠しにしている彼らが年に1回、同じ境遇の者たちと思う存分能力を競い合う楽しいエスパーパーティーの日だったのだ。ところがなんと!そのパーティーに超能力とはいえない能力を持つ男が紛れこみ、しかも全国から寄せられる「超常現象」お便りを取材のために片っ端からカメラを抱えて回っているテレビ局のAD長澤まさみまでもが現れる。どうなる、エスパーパーティー??(106分) [more] (シーチキン) | [投票(1)] |
10番街の殺人(1971/英) | ★4 <「これは実話であり、会話は実話に基づいて作られた」>実在した連続猟奇殺人鬼、ジョン・クリスティを描いたスリラー。 [more] (モモ★ラッチ) | [投票(3)] |
センチュリアン(1972/米) | ★3 パトロール警官たちの厳しい現実を描いた異色の警察ドラマ。生活の為に警官になったロイ(ステイシー・キーチ)はベテラン警官キルビンスキー(ジョージ・C・スコット)と組み、多くの事件を通じ彼からプロの警官としてのノウハウを教わる。仕事に対しそれなりに生き甲斐を覚えてきたロイだったが、生活環境から妻とすれ違いを起こすようになり・・・。(103分) (AONI) | [投票(1)] |
戦場の小さな天使たち(1987/英) | ★3 1940年の英国。ラジオがドイツとの開戦を宣言。ビル(セバスチャン・ライス・エドワーズ)は戦争が始まり密かにワクワクする。しかし父の出征やドイツ軍の空襲などで厳しい現実を目の当たりにすることに。(108分) [more] (AONI) | [投票(1)] |
恋のゆくえ ファビュラス・ベイカー・ボーイズ(1989/米) | ★3 フランク(ボー・ブリッジス)とジャック(ジェフ・ブリッジス)兄弟はピアノのデュオで生計を立てて15年になる。腕は良いのだが風采がいまいちのためうだつが上がらない。仕事を打ち切られたことから苦肉の策、と女性ヴォーカリストを入れることを覚悟。オーデションを行ったもののどれも音痴ばかり。最後の一人となったスージー(ミシェル・ファイファー)は生意気だが美人で唄も上手い。そして3人での生活が始まった・・・。実際の兄弟であるボーとジェフの息の合った共演、そして魅惑の歌手を演じるファイファーの美しい歌声が見所。 (ゆう) | [投票(1)] |
アドレナリン:ハイ・ボルテージ(2009/米) | ★4 前作で死んだと思われていた殺し屋シェブ・チェリオス(ジェイソン・ステイサム)は、実は生きていた。謎の組織によって蘇生されたものの、心臓を摘出され、代わりに人工心臓が埋め込まれたのだった。彼は自分の心臓を取り戻す為に、「箱」を持って逃げた中国人を追跡しようとするが、埋め込まれた人工心臓のバッテリーは壊れてしまい、彼は何度も何度も、自らの体に電流を流し、直接心臓に充電をしなければならなくなってしまった。そのためにスタンガンを自分で当てたり、車のバッテリーを己の体に接続したり、ある時は高圧電線に突進したりする羽目に。彼は心臓を取り戻す事が出来るのか・・・? (プロキオン14) | [投票(1)] |
白夜(2009/日) | ★5 冬のフランス、リヨン。橋の上で女が人待ち気に佇んでいる。相沢朋子(吉瀬美智子)。昨日フランスに着いたばかりの日本人OL。「日本人?」そんな彼女に声をかけた男。木島立夫(眞木大輔)。1年以上を海外で放浪し、その日の晩のパリ行き最終列車で日本に帰国する予定。冷たくあしらう朋子に為す術なく去った立夫であったが、数時間後、再度訪れた橋に朋子はまだ立っていた…。トリュフォーとブレッソンにインスパイアされた小林政広劇場映画監督第9作。
(けにろん) | [投票(1)] |