悪魔のような女(1955/仏) | ★5 暴君的な学校長に嫌気がさし殺害を計画した二人の女。妻(ヴェラ・クルーゾー)は病弱で繊細。愛人(シモーヌ・シニョレ)は傲慢で大胆。そんな好対照な二人が選んだその方法とは、彼に睡眠薬入りのワインを飲ませたうえで浴槽で溺死させ、その後プールに投げ込んで溺れたようにみせるというもの。計画はまんまと成功したかにみえたが、なかなかあがってこない死体にやきもきした二人が我慢出来なくなってプールの水を抜いてみると…『恐怖の報酬』のアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督による心理スリラー。1955年NY批評家協会賞外国映画賞受賞。 (モモ★ラッチ) | [投票(1)] |
鏡(1975/露) | ★5 40歳代も半ばになる主人公の私は回想する。幼年時代の私(イグナート・ダニルツェフ)は毎年、祖父の家で夏を過ごした。鬱蒼とした木立に囲まれた家で、母(マルガリータ・テレホワ)は、たらいで髪を洗う。干草小屋の火事。そして父(オレグ・ヤンコフスキー)の失踪。母からの電話で目覚めた私は母の昔の同僚の死を知らされ又も回想する。印刷所で働いていた母が致命的校正ミスを犯した気がして印刷所に走った日のことを…。妻のナタリア(マルガリータ・テレホワ)と別れた私は息子イグナート(イグナート・ダニルツェフ)を引き取りたいが息子は拒否する。幼年時代に父に去られた私と同じ境遇にはしたくないのだが…。タルコフスキーの長篇第4作。 (けにろん) | [投票(3)] |
赤い風船(1956/仏) | ★5 35分間の短編映画。セリフはなく、モンマルトルの町並みを行く少年と心をもった(ような)赤い風船の様子を綴っている。モノトーンの町並みと赤い風船の対比はまるで絵の中の世界。少年と風船の映像だけで作られたこの作品。短編とはいえ、最後まで優しい気持ちで楽しめる良質な作品。この監督ラモリスさんは、この後『素晴らしい風船旅行』や『フィフィ大空を行く』など空を題材にした作品を作っている。よほど、空への憧れがあったのだろう。 (kinop) | [投票(2)] |
浮き雲(1996/フィンランド) | ★4 イロナ(カティ・オウティネン)は名門レストランの給仕長。夫のラウリ(カリ・ヴァーナネン)は市電の運転手。ささやかな幸せの中に生きがいを見出した生活を送っていたふたりが、ある日突然職を失う。イロナは大手レストラン・チェーンの乗っ取りにあい解雇、ラウリはリストラに。二人は仕事を探すが、なかなかうまくいかない。それでも支えあい、信じあう二人…夫婦が同時に職を失ってしまったという究極の不幸の中で、あくまで互いを信頼しあう究極の夫婦の姿をロー・テンション、ことば・表情少なに描いたアキ・カウリスマキ監督作品。 [more] (モモ★ラッチ) | [投票(5)] |
ウェルカム・トゥ・サラエボ(1997/英) | ★4 毎日のように殺戮が繰り広げられる戦火のサラエボ。イギリス人ジャーナリストのマイケル(スティーヴン・ディレーン)は、フリン(ウディ・ハレルソン)らと砲火の下、衝撃的なスクープを追い求めていた。そんな中、マイケルは前線で危機にさらされている孤児院を取材する。そこで、一人の少女エミラに出会う。彼女と心を通わせながらも、ジャーナリストとして子供たちの命の危険を報道するマイケル。無反応な世論。そしてついに"人間"としてある決断をするのだった・・・ (ゆう) | [投票(1)] |
シン・レッド・ライン(1998/米) | ★5 THE THIN RED LINEは、1942年から43年にかけて行われた、ガダルカナル攻防戦における、米陸軍の ライフル中隊、「チャーリーC中隊」の 戦いの物語である。 映画の主な舞台は、ガダルカナル島における大規模な攻防戦だ。チャーリーC中隊の任務は、島内「210」 と呼ばれれる丘に設置された日本軍陣地を掃討することだ。物語は、上陸の場面に始まり、その後の数ヶ 月に及ぶ血みどろの苦闘、ジャングルのパトロールと、野営地や病院での休息、そして生き残った者達の 旅立ちに至るまでを、克明に、そしてあくまでもリアルに描き出して行く。 (kenjiban) | [投票(1)] |
エマニエル夫人(1974/仏) | ★3 フランスのソフトコア・ポルノ。エマニュエル=シルビア・クリステルは外交官の若妻でバンコクで待つ主人のもとへフランスからやってくる。バンコクの地で暮らす外国人たちの奔放な生活や性の哲学者マリオ=アラン・キュニーの導きで性の自由の喜びを知ることになる。この時、シルビア・クリステルは22才で映画を撮るまではモデルをしていた。 [more] (kinop) | [投票(2)] |
ニュールンベルグ裁判(1961/米) | ★5 ドイツのニュールンベルグで実際に行われた連合国によるナチ戦犯の戦争裁判を描く法廷ドラマ。裁判長に赴任してきた米国の地方検事ヘイウッド(スペンサー・トレイシー)に任された裁判の被告は、司法大臣として第三帝国憲法起草に関わったヤニング(バート・ランカスター)をはじめとしたナチス時代の司法関係者たち。連合国側の検事ロースン(リチャード・ウィドマーク)は被告らがヒトラーの行為を正当化したと追及し、ドイツ側弁護士(マクシミリアン・シェル)はそれを認めれば全ドイツ人も同罪だと主張する・・・。(179分) [more] (AONI) | [投票(3)] |
ウエスタン(1969/米=伊) | ★5 西部開拓時代のアメリカ。砂漠に住むマクベイン一家が惨殺された。現場の状況から無法者シャイアン(ジェイソン・ロバーズ)の関与が濃厚とされたその犯行は、じつは鉄道用地買収を目論むフランク(ヘンリー・フォンダ)一味の仕業であった。そして今、ただひとり惨劇を免れた新妻・ジル(クラウディア・カルディナーレ)をも狙うフランクであったが、そこへハーモニカを吹く謎の男(チャールズ・ブロンソン)が現れる…。マカロニ・ウエスタンの巨匠、セルジオ・レオーネ監督が奏でる「凄まじき決闘交響曲」。(本篇166分):なお、冒頭の1vs3の決闘シーンではなんと… [more] (ガブリエルアン・カットグラ) | [投票(3)] |
秘密の絆(1997/米) | ★4 高校生のダグ(ホアキン・フェニックス)は兄のジェーシーと母の3人暮らし。町の有力者のアボット家には美しい3姉妹がいた。真面目で純真なダグは三女のパム(リブ・タイラー)に好意をもっているがなかなか言い出せない。それでもふたりの距離は少しずつ近づいていく。一方、ジェーシーは、次女のエレノアと関係を持ち、さらに長女アリスに目をつける。執拗にアボット家に付きまとうジェーシーの行動原理は何なのか。その後大学に進んだダグに、悲しい知らせと許しがたい事件が起き、ダグの苦悩は深まっていく…。主人公ダグが傷つき悩みながらも成長していく姿が丹念に描かれる。1950年代のアメリカを舞台に描かれる、甘酸っぱさとほろ苦い感傷をともなう青春ドラマの秀作。 (ことは) | [投票(1)] |
なまいきシャルロット(1985/スイス=仏) | ★4 13歳のシャルロット(シャルロット・ゲンズブール)は、夏休み、テレビで見て憧れていた、天才ピアニストのクララに偶然出会う。そしてクララの家を訪れて親交を深めるが、そのとき彼女から、付き人にならないかと誘われる。頑固な父親や口うるさい兄、いつも厳しい態度で当たる家政婦のレオーヌに嫌気がさしていたこともあり、彼女はその話に飛びつき、周囲の制止も聞かずに、準備を進めるが…。夏の明るい風景と思春期の揺れる心情が瑞々しく描かれる。シャルロット・ゲンズブールの初主演作にして、セザール新人女優賞を受賞した彼女の記念碑的作品。 (ことは) | [投票(2)] |
真夜中の虹(1988/フィンランド) | ★0 これがフィンランド?と勘違いしそうなほど単純かつ、バカ正直なキャラがすごい波乱万丈物語。しかし話は「劇的」を完全無視。古びた町の炭鉱が閉鎖。オヤジ「俺の真似はするなよ」と息子に車を譲って、あっさり息子故郷にバイバイ。道中カモられるわ、日雇いするわ、子持ち女と出会うわ、刑務所入りするわ、復讐するわ...むちゃくちゃ波乱万丈であるが、クールに決める。まさに「考えるなー!感じろ!」byブルース・リー、とこの映画は貴様の感動を拒否しまくる。私の感動も拒否された...。グラサンかけて決めまくりたくなる74分。国民的英雄アキ・カウリスマキが突きつける一本!観るしかないだろうよ。チェキラ!! (のこのこ) | [投票(3)] |
部屋(1968/チェコスロバキア) | ★5 今日は皆さまを「ヤン’sモデルルーム」にご案内いたしましょう。まずは恐れ入りますがご入室頂く前に二回ほど前転をお願いいたします・・・あっ奥さま!大丈夫ですか。申し遅れましたが、スカートのお客様はなにとぞ閉脚前転で・・・サテ、転がりましたら、表示に従ってお進み下さい。ええ、その矢印です。トイレがお済みでない方はいらっしゃいませんか?そうですか。それではいよいよこちらの扉から室内へお入りいただきます。・・・え?私?私はこちらまでのご案内となっておりますんで。いえいえ、それはお客さまが直接ご自分の目でお確かめ頂ければ。それでは、行ってらっしゃいませ。お気をつけて・・・ (はしぼそがらす) | [投票(3)] |
カリガリ博士(1919/独) | ★5 ふたりの男が並んで腰をかけている。そこに一人の女がフラフラ歩いてくる。美しいがかなり病んでる。視線も定まっていないし動きも異様。どう見てもアヤシイ。そんな彼女を指し示し、男の一人が話しだす。「実はオレ、彼女の婚約者なんだけどね…。」そして、彼らが体験したオソロシイ話が、何もかもが奇妙に歪む不思議な町の映像とともに再現されていく…。サイレントの古典にしてホラーの原型でもあるという狂気の殺人鬼モノ。夜祭り、見せ物小屋、香具師、眠り男、予言、連続殺人、影、おびえる女、拘束衣、精神病院、心の闇、催眠術、古い文献…。本来はもっと短い作品だったが、検閲を恐れた制作者が上記のシーンとエピローグを付け加えさせたとのこと。ドイツ表現主義について→ [more] (tredair) | [投票(16)] |
失楽園(1997/日) | ★1 かつて出版社でバリバリ仕事をしていた祥一郎(役所)50歳。窓際族待遇で閑職にまわされ、ふっと人生の意義を考え始める。そして、カルチャーセンターで書道を教えていた38歳の主婦・凛子(黒木)との出会いが彼らの人生を大きく堕落させるのだった。あとはやってやってやりまくる。どんな時でもやってやってやりまくる。これが幸せっていうものなのかー!とやってやってやりまくるのだ!最後は…言っちゃっていいのか?あらすじで。まあこの映画でネタバレもなんもないやな。なーんて確信犯で書いたら、ネタバレ投票もらっちゃったの。でへ。最後は…●●で●も●も●になって●●●●、●●●●だ!これでどーだ♪ (ピロちゃんきゅ〜) | [投票(7)] |
ナック(1965/英) | ★5 教師コリンが所有するアパートの一部屋に、沢山の綺麗なお姉さま達が数珠繋ぎ状態で並んでいる。コリンは「これは幻か?」と目を疑った。借家人のモテモテ男トーレンは3分30秒で事を済ますテクニシャンである。う・羨ましい・・・しかし、生計を築くためには住居人は必要なところ。でも、毎日こんな状態では身が持ちません状態(迷える子羊)のコリンは「憎呂か真面目な娘」希望の入居募集を提出する。ところが、トーレンはもう一人のナンパ氏男を住居人として向かい入れろと大家のコリンに言い出した。お前だけでも羨ましい・・・基、迷惑ブッこいてるのに冗談じゃないぜ!だけど、モテる秘訣って一体何?トーレン、頼む、教えてくれよ〜。 [more] (かっきー) | [投票(1)] |
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ(1984/米) | ★5 仲間の計画を警察に密告し追われる身となったヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)は、故郷ニューヨークを離れる。長い月日が流れ、ある日1通の手紙が彼のもとに届く。一体誰が、、、手紙の主を知るために彼は再び故郷の地を踏む。老年を迎えた彼の脳裏に浮ぶのは、懐かしく悲しい想い出の数々であった。貧困の少年時代からギャングへと成長した青年時代までの回想と、現在の場面を織り交ぜながら、ユダヤ移民のアメリカでの半生を描く長編抒情詩。セルジオ・レオーネ監督遺作作品。『荒野の用心棒』以来レオーネとコンビを組んできたエンニオ・モリコーネが音楽を担当、ノスタルジックな旋律で物語に深みを持たせている。 (KADAGIO) | [投票(4)] |
フード(1992/英=チェコスロバキア) | ★5 今日はオイラ、レストランでランチさ。なんか気取ってるオッサンと相席になっちゃったけど、まあいいや。あっウエイターさーん!注文・・・あああ、また行っちゃったよ・・・腹減ったなあ。あ、イケね。花瓶を袖にひっかけちゃった。こうやって元通りにして・・・と。ん?向かいのオッサン、オイラの花瓶の直し方、気に入らなかったのかな?花を掴んで・・・掴んで・・・あーっ!ずるい!!そ、それならオイラだって!!・・・『フード』3部作より「昼食」をご紹介しました。「朝食」「夕食」もあわせて、残さずきれいに召し上がれ。 (はしぼそがらす) | [投票(4)] |
石のゲーム(1965/オーストリア) | ★3 チンカラカラリ、チンカラリ♪からくり時計が12時を指しました。可愛い石ころたちが皆さまにご挨拶します。チンカラカラリ、チンカラリ♪それでは皆さまごきげんよう、後片付けはよろしくね。 (はしぼそがらす) | [投票(4)] |
ウエスタン(1969/米=伊) | ★5 「乗車券3枚、7ドル50セントです」弱々しく老駅員が3人の男に請求・・・。汽車が駅に到着し、一人の謎の男が降り立つ。3人の男が言う「馬は3頭だけだ、足りねぇなぁ。」謎の男が返答「いや、2頭余るさ。」そして銃声が響く・・・。一方、マクベイン一家はある女性の為にパーティーの準備をしていた。しかし、フランク率いる5人の男達が現れ一家目掛けて銃を乱射する。家の中にいた少年が驚き飛び出して家族の遺体に遭遇。フランクは「俺の名前を知られた」と言い、子供まで撃ち殺す惨忍卑劣なゲス野郎だった。そして、謎の女性はマクベイン一家の変わり果てた姿に涙。謎の男と女はウエスタンで生き延びる事が出来るのか? (かっきー) | [投票(1)] |