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水那岐さんのコメント: 更新順

★4ブロークバック・マウンテン(2005/米)ジェイク・ギレンホールの哀感を湛えた瞳に、射抜かれる自分を感じる。ゲイを語る資格なぞない自分でも、愛することを知るなら忘れ去ることのできない、臆病だが真摯なひとつのいのちの煌きをそこに見る。 [review][投票(1)]
★3錆びた鎖(1960/日)兄弟の明らかな和解が描かれなかったことで、ずいぶん落ち着かない気分にさせられてしまった。そして何といっても… [review][投票]
★4松川事件(1961/日)3時間弱の長尺を飽きさせない演出力は見事である。政治的色彩が強いが、当時の民衆が何を心の拠りどころとしていたかを理解すれば、全くフェアである。まさに事件の白黒がつく寸前の映画化であることを思えば、警察と裁判所のステロタイプな悪者的描きかたも心情的な理解は容易だ。 [review][投票]
★2戦場よさらば(1932/米)ヘレン・ヘイズが魅力的に見えない観客には何の価値もない映画。戦争を描きながらもそこには悲惨も迫力も存在しない。単なる甘ったるいラブロマンスに過ぎないこの作品が、文豪ヘミングウェイの名作に忠実であるワケもない。[投票]
★4うつせみ(2004/韓国=日)このヘンな生き物は今でも韓国のどこかに暮らしているのです…たぶん。 [review][投票]
★3俺の血が騒ぐ(1961/日)海洋サスペンスとしてはそこそこの出来だが、残念なことに舞台が海である必然性が全くない。殴り合って、陰謀をめぐらせて、ガンファイトを展開するだけなら、いつもの日活の暗黒街でいい。もっとも、赤木圭一郎の存在自体は今まで観た主演作では一番ワイルドな魅力を漂わせており、最高点がつけられる。[投票]
★5侍(1965/日)のちのちの『助太刀屋助六』に通ずる殺しの意味合い。ただしこちらは極めて凄絶である。三船の雇い主となる(すなわち父代わりの)伊藤雄之助の冷酷さを顕わにした顔貌が、三船にとってはあまりにも哀しすぎ、ラストシーンの三船の表情が哀れを極める。[投票]
★4月給泥棒(1962/日)岡本監督の理屈ぬきで楽しめるコメディ作りの資質は、この頃ピークを迎えていたのではないか。ジェリー伊藤が真に迫るニセ外人ぶりを発揮して秀逸。宝田明もなかなかの洒落男ぶりである。[投票]
★3吹けば飛ぶよな男だが(1968/日)緑魔子ミヤコ蝶々有島一郎犬塚弘と好演を見せてくれる役者は顔を揃えているのだが、如何せん説教臭い活弁がドラマを殺している。あんなものがなくとも映画はちゃんと動くことを知ってのお節介が、山田洋次の思想カムフラージュの手段か。 [review][投票]
★3暗黒街の弾痕(1961/日)「誰も知ら〜ない〜」島崎雪子と知らないブラザースの歌が聴きモノ。クソ真面目な加山に較べ、奔放でいかにも胡散臭い佐藤充が魅力を放つ。ミッキー・カーチスのコメディ演技も珍しく冴えていた。もっとも尻すぼみの感が拭えないのが残念。[投票]
★2いいかげん馬鹿(1964/日)ハナ岩下のキャラだけはいいが、笑えないコメディ「馬鹿シリーズ」の中でも、これはクスリとも笑えない。わざとらしい詩情やほのぼの話の中で、ハナが度肝を抜かない安全圏内の騒動を起こす。この保守性の中からは何も生まれない。[投票]
★5かもめ食堂(2005/日)料理が人々のコミュニケーションを媒介し、それに心動かされた思わぬ人の一言で問題は解決してゆく。それは余計な理屈を越えた原始的だが確実な繋がりだ。充分この映画を堪能するために、空腹のまま映画館に足を運ぼう。 [review][投票(12)]
★3純情部隊(1957/日)耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んだ挙句、怒りを爆発させて敵をマットに沈める力道山。その演技が、逆にプロレスが筋書きのあるショーであることを図らずも証明していると言える。だからと言って、力道山のショーマンシップに多くの日本人が励まされた事実に変わりはないのだが。[投票(1)]
★2鳶がクルリと(2005/日)逆『マイ・フェア・レディ』かこれは。鳶の素晴らしさはおざなりに描かれるだけで、ヒロインの引き立て役になっているのはどうしたわけだ? [review][投票(2)]
★5亀は意外と速く泳ぐ(2005/日)思いつきだけの脚本をくだらなく撮れる監督は山ほどいるが、ここまでひとつの映画を意味もなく、刹那的に仕上げて、それが感動さえも呼んでしまう作品は三木聡監督の腕によるものをおいて他にないだろう。『イン・ザ・プール』を凌ぐ痛快無内容ドラマである。 [review][投票(11)]
★5真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章(2006/日)既に出尽くした観のある北斗世界のギャグ部分を廃し、総てのエピソードに関連性を持たせることによって、「北斗正史」とでも言うべき物語が語られ始めた。これはもう、ぞくぞくするほど刺激的だ。 [review][投票(7)]
★5機動戦士ΖガンダムIII 星の鼓動は愛(2006/日)仏の顔も三度バッグ。殴り心地がいいほどいい点数だ、完成おめでとう! [review][投票(8)]
★2赤ちゃん教育(1938/米)ケイリー・グラントキャサリン・ヘプバーンと演技陣は豪華だが、コメディとしてはもう風化しており、むしろヘプバーンの我侭ぶりが神経に障るのみ。暴走する物語をきっちり完結させる手腕は、現在の目から見ればオーソドックスに過ぎる。[投票(2)]
★4いつか読書する日(2004/日)老いても生きてゆく者と充足して死にゆく者。死んでしまうことができれば、あるいはその瞬間、満ち足りた気分を思い切り吸い込むことができるのかも知れない。だが冒険に生きることを放棄し、平凡な多忙さをおのれに課した者には、充足した時間など老いさらばえてもやって来ない。化粧をしないシジフォス、田中裕子が燃えられたのはたった一夜であり、今日も彼女は自転車を駆る。[投票(1)]
★2モモ(1986/独=伊)エンデ・ファンでない自分からすれば、やたらに観念的で諦念に支配されたかのような童話と映る。勝気でアクティブな女(の子)の好きな自分には当て外れ。小説なら面白いのかもしれないが、映画としては退屈な冒険譚であった。[投票]