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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★2注目すべき人々との出会い(1979/英)これ観て中沢新一読んで、という当時の流行は、オウムや某首相夫人のオカルトの最悪に至った。本作の鑑賞はこの道程の再確認であり、覚えるのは諦念ばかりである。 [review][投票]
★4チャーリー(1992/英=米=仏)美点は序盤のいくつかの初期ドタバタの再現で実に鮮やか。ここだけでも撮られた意味はあった。初恋の相手役のモイラ・ケリーを最後の妻に再任用する配役が優しくていい。 [review][投票]
★4オテサーネク 妄想の子供(2000/日=英=チェコ)樹の又抱いて涙流すヴェロニーク・ジルコヴァーでもって、映画は女の涙を信じるなと教えてくれる。この何でも喰らってデカくなる怪獣、カオナシそっくりだがどうなんだろう(『千と千尋』は2001年)。 [review][投票]
★5アフガン零年(2003/アフガニスタン=日=アイルランド)字義通りのネオリアリスモの傑作。撮られるべき映画が撮られ、記録されるべきことが記録されている。胸が悪くなる暗黒世界。 [review][投票]
★4悪魔スヴェンガリ(1931/米)「悪魔くん」のメフィストの元ネタ(ねずみ男にも似ている)に違いなかろう。これは有名な話なんだろうか。話も「ガロ」っぽく、中性的なマリアン・マーシュの宝塚風の造形が強烈な印象を残す。 [review][投票]
★5大地(1937/米)本作は撮影美術を讃える映画だろう。序盤の刈入の嵐がまず凄い。風吹き雨は横殴り、穂が地平の先まで棚引き牛車が斜めになって畔を走る。細かいカット割りの豪胆な描写の連続はソ連映画を想起させる。 [review][投票]
★3邂逅(1939/米)素晴らしいのは単発で登場する人物の一筆描。船内でボワイエと戯れる手すりに乗った少年とか、自分の不幸を陽気に語る躁病としか思えない宿の女主人とか、孤児院のむっつり院長の口上とか。 [review][投票]
★4戦慄のスパイ網(1939/米)ハイルする/させるの上下関係がリアル。このポーズ取るのも最初は照れるのだと知る。上司はオドオドしている初心者を圧倒するように手を挙げる。「連中はヒットラーに取り憑かれ、自分を超人と思っている」 [review][投票]
★4ラインの監視(1943/米)序中盤、観客はホームドラマのようにうるさいお祖母さんとうるさい次男坊とうるさい劇伴を我慢しなければならない。これは意図的な演出なのだと終盤に我々は納得させられることになる。 [review][投票]
★3ベルリン特急(1948/米)ただただフランクフルトの瓦礫の山に圧倒される作品。ドイツ統一の希望を語るドラマは成功していないが、現実の失敗の予感がそうさせているに違いなく、リアルタイムの生々しさが真空パックされている。 [review][投票]
★4山河遥かなり(1948/スイス=米)名画然とした名画。占領下ドイツの瓦礫ばかりの廃墟がロケされていて痛ましい。あんまり批評眼尖らせて観る類ではないが、逃げて川で溺れる子供の件など堂々としている。 [review][投票]
★1不意打ち(1964/米)ジェームズ・カーンが少年院出身と知るとデ・ハヴィランドは突然怒り出す。「あなたは福祉社会がつくった人間のクズね」。デ・ハヴィランドは維新の会の支持者だったのだ。 [review][投票]
★3最後の戦斗機(1956/日)悪魔のような上官西村晃に立ち向かう渡辺美佐子の姉御が素敵。特攻機に写真が飾られる高野由美の茄子みたいなお婆さんが泣かせる。 [review][投票]
★2消えた中隊(1955/日)三村明監督第一作で第二作はなかったのだが、ここまで失敗作なら仕方ないだろう。監督の才能がなかったのだ。話は空疎だしまるで纏められていない。 [review][投票]
★4最後の突撃(1956/日)水木しげる「総員玉砕せよ!」で有名なズンゲン玉砕が描かれる。水木も参照にした原作の映画化で、込められた思いは正反対に見えるが、ともあれ水木ファンは必見。 [review][投票]
★3水戸黄門(1960/日)1960年に御用提灯の後ろ側にいるのが東映のスタンスだったと判ってシラケる由比正雪もの。東映オールスターの真ん中にいるのが杉狂児原健策という配列は好ましい。 [review][投票]
★3スパイ・ゾルゲ 真珠湾前夜(1961/日=仏)電波探知車なる車の天井から突き出てクルクル回るアンテナがとてもインパクトがあり、初期SF映画の間抜けな美術みたいなのだが本物なんだろうか。 [review][投票]
★3金門島にかける橋(1962/日)ロマンスは間抜けなレベルだが、中台紛争を曲がりなりにもリアルタイムでロケした一点で価値高い中央電影公司共同製作作。 [review][投票]
★4王将(1962/日)演れば演るほど阪妻の影を感じざるを得ないなか三國連太郎は好演、豪勢なセットを慈しむように撮るキャメラが美しい。もう少し日蓮宗が大人しければ、愛してしまいたい映画なんだけど。 [review][投票]
★2俺は地獄の部隊長(1963/日)東宝の愚連隊シリーズの対抗企画らしくいかにも安物。『沖縄の民』(56)で真面目に戦争を問うた古川卓巳が、一転こんな玉砕を消費するような映画を撮ってはいけないと思うんだが。 [review][投票]