町田さんのコメント: 点数順
幸福(1981/日) | 銀残しの手法によって東京が全く別の都市に見える。また情けない親たち−憎くまれグチを叩く姉弟に手を焼く駄目親父水谷豊、娘の恋人を拒絶する頑固親父浜村純、嘘吐きで親ばかの市原悦子、無責任な草笛光子、の描写は全て現実味があって胸を激しく揺さぶる。市川ミステリの隠れた秀作。 | [投票(3)] | |
乱れ雲(1967/日) | こういう男を演じて全然厭らしくならないのだから加山雄三の役者としての資質は本当に大したもの。あと二・三本、成瀬に撮って貰っていたら現在の評価も大分違っていただろう。司葉子も相変わらず良い。森&草笛のW光子も十八番を好演。武満徹の音楽も印象的で効果的。 | [投票(3)] | |
リング(1998/日) | 高橋克典、原田芳雄、三浦絢音が出演していたTV版に比べると、「貞子」の設定がマイルドである分、「怖さ」については遥かに下回るが、中田秀夫のミステリ演出は本物で、映画的興奮に充ちている。 [review] | [投票(3)] | |
赤い殺意(1964/日) | 姫田のカメラ、黛の音楽と、映画芸術的見地からみれば今村の最高傑作かも知れない。しかし彼に求められているのはそんな洒落たものではない。『にっぽん昆虫記』から『人間蒸発』への長過ぎたステップ。 [review] | [投票(3)] | |
ぼんち(1960/日) | この毛利菊枝はある意味『雨月物語』を超えてホラー。若尾さんはフェロモン全開。草笛光子に武者ぶりつきたい気持ちも解かる。多数映画化された山崎豊子「船場もの」の中でもキャストの壮麗さに掛けてはコレがピカ一。ギャグとカメラのコンビネーションも相変わらず完璧。 | [投票(3)] | |
あらくれ(1957/日) | じゃじゃ馬が全然慣らされないところが良いね。森雅之の北陸訛りが素敵過ぎる。一見、中途半端に思えるラストが逆に物語=お島のじゃじゃ馬人生の永続を予感させ不気味。 | [投票(3)] | |
妻として女として(1961/日) | この頃は丁度、増加する家出が社会問題となっていたようですね。こんな家庭が沢山あったのだろうか。それにしても、ことあるごとに先に回って「俺が全部悪いんだよ…。」と言ってしまえる森雅之パパの卑劣さには頭が下がります。 | [投票(3)] | |
担え銃(1918/米) | 他のウン十年は先を行く「一兵卒」の視点は極貧家庭に生まれたチャーリーならでは。家族からの連絡不通の寂しさは移民者ならでは。屋外生活に於ける最大の敵は鉄砲玉などではなく雨風だというところにも非常な説得力を感じる。 | [投票(3)] | |
現代やくざ 人斬り与太(1972/日) | 東映東京名物仲沢半次郎の「シネマスコープ縦使い」の迫力。感情移入を頑なに拒絶し行く先も判らずに暴れ廻る半狂乱のエネルギーは、過去の重さに引きずられてテンポを緩め、歪な叙情性を生んでいる。 [review] | [投票(3)] | |
人間(1962/日) | 図式的に過ぎる部分もあるが、実在感溢れる人物演出や臨場感満載の視界表現、サスペンスフルな照明はどれも素晴らしいったらありゃしない。 [review] | [投票(3)] | |
ギルダ(1946/米) | カッティングは下手だし全体の構成も拙いがここには映画だけが持ち得る「華」みたいなものが確実に存在する。 [review] | [投票(3)] | |
限りなき前進(1937/日) | 映画に施されたロボトミー手術の恐怖。 [review] | [投票(3)] | |
新幹線大爆破(1975/日) | 走り出したら止まれない止まれば爆発崩壊してしまう新幹線はそのまま資本主義経済に置き換えられる。高倉・山本、敗残者ならではの気の効いた復讐方である。連載小説(漫画)然としたご都合主義には辟易だが面白さは無類。 | [投票(3)] | |
天国と地獄(1963/日) | プライドを持って働く人達は素敵だ! [review] | [投票(3)] | |
僕の村は戦場だった(1962/露) | 水面に映った月を、それが不可能だと薄々感づきながらそれでも、必死で捉みとろうとした少年時代に捧ぐ一篇の絵物語。 [review] | [投票(3)] | |
無法松の一生(1943/日) | 元宝塚男役スター園井恵子は稲垣監督にボロクソ貶されながら役を演じたそうだが、そういう苦悩が奇しくも未亡人のそれと重なり、更に二年後の悲劇的最期と結びついて神秘的ともいえる趣を讃えている。 [review] | [投票(3)] | |
ガス人間第一号(1960/日) | 外題: [review] | [投票(3)] | |
戦争のはらわた(1977/独=英) | 編集王。 [review] | [投票(3)] | |
顔(1999/日) | 本当に繊細で傷つきやすい人ってのは、どんな言葉が人を傷つけるのかを熟知しているから敵に廻すと恐ろしい。でも、いざって時心底優しいのも実はこういう人だ。阪本順治もきっとその一人。愚にも付かない”お慰め”とは無縁の一人。 [review] | [投票(3)] | |
華岡青洲の妻(1967/日) | 有吉佐和子の神懸り的な心理描写を、表情・声色の変化のみで慎ましく再現した増村&若尾に再敬礼。雷蔵が淡白なのも理に適っている。曼荼羅華の美醜を体現しきった音楽は林光の最高傑作の一つ。 | [投票(3)] |