コメンテータ
ランキング
HELP

寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★3バルトの楽園〈がくえん〉(2006/日)良心的な映画で、『大いなる幻影』観て映画を志した世代はこういうの作りたかったのだろう。しかし昨今の「教科書に書かれていない」「いいこともした日本人」の文脈にすっぽり収まるキナ臭さは如何ともし難く。 [review][投票]
★5ガラスのうさぎ(1979/日)有名な原作からの取捨選択がたぶんギコチないせいで、物語はゴツゴツした抑揚があるのだが、かえってそれが面白い。そして何度も機微に触れる描写が現れる。原作も読んでみたくなった。主演の娘蝦名由紀子が嵌り役で素晴らしい。 [review][投票]
★4・ふ・た・り・ぼ・っ・ち・ JUST TWO OF US(1988/日)バブルはバブルなりに人は苦労していたものだ。懐かしい古村比呂の似合わないキャリアウーマンがかわった味。話は平凡だけどちょっと好きな作品。 [review][投票]
★3華の乱(1988/日)いつもの東映大人のエロ路線だが、俳優のセレクトよろしく爽やかで、大杉栄の風間杜夫のコメディが愉しく、松坂慶子の松井須磨子再現が見処。後半はいつも通り辛気臭いがいい主張もある。与謝野晶子は立派な人だ。 [review][投票]
★4愛と平成の色男(1989/日)タダ券があったので期待せず観たのだが拾いもの。『メインテーマ』では半端だったバブリーコメディを、アイドル売り出しの制限なしに気兼ねなくフルスイングして、まことにバカバカしい一篇としている。 [review][投票]
★3社葬(1989/日)見処は中盤までの馬鹿サラリーマンもので大いに笑わせてくれる。痴呆なのに役員している小松方正が微妙な造形でやけに印象的。終盤は当たり前になっちゃって残念。 [review][投票]
★4遥かなる甲子園(1990/日)聾学校の野球部を描いて良質のベタ映画。『さらば箱舟』の解説付。小川真由美のお母さんがとてもいい。田中美佐子は当然いい。そしてタイトルがいい。 [review][投票]
★3式部物語(1990/日)教義ではなく性愛を求める奥田英二に仏教の顕教と密教を見ようとする新興宗教のカリカルチャーで、腑には落ちるが理に落ちた感もあり、やせ細った印象。豊穣さを批評したのだからそうなる道理で無い物ねだりかも知れないけど。 [review][投票]
★3ミンボーの女(1992/日)大地康雄らの失敗例と宮本信子の改善例伝授からなるノウハウビデオ系。単純に面白いが劇映画としては限界感じる。鉄砲玉の柳葉敏郎の件だけが突出していい。 [review][投票]
★3花の特攻隊 あゝ戦友よ(1970/日)桜花という特攻機の話で、普通の特攻よりも格下に扱われた自虐が関係者を取り巻いている描写など興味深く観られた。素晴らしいのはオトコ追いかけて特攻機に同乗しようと暴れる梶芽衣子で、この名女優の演じた数多の無茶のなかでも傑出。 [review][投票]
★3野良猫ロック マシンアニマル(1970/日)腰の据わらないタッチがいかにもダイニチ映配らしくて時代。マヤ芽衣子はニコニコして愛想のいいキャラなのが珍妙で面白く、シリアスなのに突然のコメディが存外イケているし、ラストは投げやりだがそれでいいのかも知れない。 [review][投票]
★4朝やけの詩(1973/日)「戦後開拓」について蒙を啓かれ驚愕。しかも満蒙開拓とダブルパンチとは。ああ国策なんてこんなもの。無知を嗤うのは後知恵。いまやガソリン車産業だっておんなじ運命だ。 [review][投票]
★3日本妖怪伝 サトリ(1973/日)人の心を読んで喋り、人は考えることができなくなり、人を追い詰め食べてしまうサトリ。秀逸な設定は茫漠とした終点に向かい、OPタイトルバックの線路の空撮と円環を描く印象。 [review][投票]
★4人間革命(1973/日)大学の下宿の大家の小母さんが学会員で、見延山に参ったら脚が立てるようになったと語っていたのを思い出した。本作、その類の奇跡噺かと思いきや存外理性的な説教連投で勉強になった。入信しようとは思わんが。 [review][投票]
★3昼下りの情事 古都曼陀羅(1973/日)すでに縄もの、エロ密教好みでほとんどヒンズー教、曼荼羅と云えば余りにも曼荼羅。いろんな神社仏閣でプレイしまくる山科ゆり風間杜夫はこのとき即身成仏しているのだろう。常識では決して成仏できないだろうと思わされた。 [review][投票]
★2東京=ソウル=バンコック 実録麻薬地帯(1973/日)いかにも生臭い、菅原通済の三悪追放協会の協力による覚醒剤追放映画。千葉ちゃんが韓国代表金昌淑やタイ代表チャイヤ・スリヤンと地味なアクション合戦を繰り広げ、グライダー地上襲撃の件はヒッチコックに大敗。 [review][投票]
★3多羅尾伴内(1978/日)本家の千恵蔵作品も大した推理劇ではなく面白いのは千恵蔵の親しみやすいキャラだったものだ。本作もこれを踏襲。七変化はファンでなくても愉しめる。筋とは関係なく、キャバレーで白いギター弾いて唄う「昔の名前で出ています」が素晴らしい。 [review][投票]
★3姑娘と五人の突撃兵(1958/日)中国戦線、姑娘味方に引き込んでの『恐怖の報酬』。見処は終盤の混乱で、あっと驚く前衛劇になるが、新東宝末期だから編集する気がないだけかも知れず。 [review][投票]
★3第三の死角(1959/日)森雅之の気障な造形は面白くない。役柄にハマり過ぎで、まるで自身のパロディを演じているように見える。長門裕之葉山良二の確執は、ゴミとゴミにたかる蠅の対決という木村升田論争の様相。 [review][投票]
★4けものの眠り(1960/日)まだ清順らしさは主張されず、典型的な日活活劇として上出来の佳作。序中盤の清張ばりに謎をばら撒く手際が優れており、芦田伸介の陰影が心に残る。 [review][投票]