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disjunctiveさんの人気コメント: 更新順(21/35)

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★4ドント・ブリーズ(2016/米)スティーヴン・ラングという悪乗り配役からわかるように普通の活劇ではない。幸薄い老人を若者が襲撃する筋立ては、若者の生死よりもラングの幸福に気をやらせ、恐怖映画の様式が別種の緊張を強いる。ラングは退治されてしまうのではないか?...またしても。 [review]DSCH, けにろん[投票(2)]
★3ワイルド・レンジ 最後の銃撃(2003/米)ロバート・デュバルの美事な頭部と比較参照させることで、おのれの薄毛の相対増幅を試みる姑息な助平心はまた、美術とガンファイトを精緻にせずにはいられない苛烈な自己認識の産物でもある。 [review]ゑぎ, けにろん[投票(2)]
★4日本で一番悪い奴ら(2016/日)銃の摘発がそこまで特権化してしまう理路がわかりづらい。摘発して得られる利得と銃調達のコストが見合っていない。語り手にも自覚があり、だからこそ摘発が強いられる背景は執拗に説明される。 [review]DSCH, けにろん, ぽんしゅう[投票(3)]
★4この国の空(2015/日)招集の恐怖に揺れ動く繊細な長谷川のエロ顔に素直クールという女のエキセンな生き様をいかに結合させるか。ロマンスの難解な衝動が社会変動と同調している意匠なのだが、戦中戦後を相対化する謎のてよだわ言葉はむしろ宇宙を逆侵略し始める。ぽんしゅう, けにろん[投票(2)]
★4恋愛適齢期(2003/米)老女が70年代ダイアン・キートンそのままの挙動を来す様には、オッサンがモーションキャプチャーを介して3D造形物の美少女に憑依したかのような蠱惑がある。キアヌを熟女趣味だと責めるわけにもいかなくなる。 [review]けにろん[投票(1)]
★3ある日どこかで(1980/米)恋の信憑性に不安を抱く余りただひたすらポートレートに尺を割き続ける強迫観念も、合理性を放棄した時間の楽観的な跳躍も、時への不信の裏返しである。ぽんしゅう, 緑雨[投票(2)]
★4アウトレイジ 最終章(2017/日)マレビトであることがハニカミになればピエール瀧の造形となり、選ばれたことの後ろめたさとなれば老人たちの若い衆への配慮となり、引いては自殺願望になる。そのお馴染みの願望は肉体の老化が精神に追いつくことでもはや自然死のような様相を呈している。 [review]3819695, ぽんしゅう, 緑雨, けにろんほか5 名[投票(5)]
★4仁義(1970/仏)フランソワ・ペリエのネコ愛玩にイヴ・モンタンのおもしろ科学工作。オッサンの行き詰まる単身生活がロボ化した女たちによって重奏される。隙あらばスキンシップに励むアラン・ドロンらのボーイズ・ラヴとの間に、刹那の親和力を生じさせながら。けにろん[投票(1)]
★3スター・ウォーズ 最後のジェダイ(2017/米)男の疲弊に哀憐を寄せる眼差しは、単身オッサンの孤島ライフを記録映画調の豊穣さで捕捉するが、シリーズの基底にある武断肉体主義とは相性が悪い。無茶苦茶になった個々人の戦闘力の位階を破綻の手前で押しとどめるのはデイジー・リドリーの鼻息。けにろん, DSCH[投票(2)]
★4ほとりの朔子(2013/日=米)オッサン向け昼メロというべきハーレム状態を二階堂ふみが観測することで中庸を得ているように見えるのだが、それはタカシくんのアレもアレだらうと思わせる罪深い誤誘導であった。 [review]寒山拾得, けにろん[投票(2)]
★4フライト・ゲーム(2014/米=英=仏=カナダ)孤立が解消され、ネタが割れて通俗化しても、人の評価が変わったといううれしさは残り続ける。 [review]3819695, けにろん[投票(2)]
★3300 スリーハンドレッド(2007/米)習志野の第一空挺と普通科の隊員では結果が自明で対位法のスリラーは働きがたい。どう見ても野暮なモノローグは、したがって人格の強度を減じて公平なゲームを語るための必要悪であり、他方で隠し芸大会でもやって力関係の粉飾に勤しまねばならぬ。「世界を神秘主義から救うのだああ」――露骨すぎて愉しい。 [review]DSCH[投票(1)]
★4ズートピア(2016/米)事態の進行も物語の教条性もキツネにより多くのものが付託されていて、ウサギが当事者だとは言い難い。にもかかわらずウサギの視点で語られるから、キツネの段取りが万能すぎて、物事が円滑に進み過ぎるように見えてしまう。 [review]DSCH, ペンクロフ, 3819695[投票(3)]
★3関ヶ原(2017/日)共感の足掛かりとなるには三成の動機が具体性を欠いている。小早川秀秋の、義理立てができなかった後ろめたさの方がよほど実感が籠っていて、生物としての不甲斐なさを訴える。 [review]けにろん[投票(1)]
★3IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(2017/米)事が恐怖への叛逆となることで、履行されない正義への憤りと不可解への憎悪を包摂するような普遍の感情が表れる。スクールカーストも怪奇も同根であり、ソフィア・リリスの垢抜けのなさがこの手の社会的抗議の果敢な担体という類型を盛り上げる。 [review]けにろん[投票(1)]
★3大いなる沈黙へ グランド・シャルトルーズ修道院(2005/仏=スイス=独)古典芸能のようなモンタージュを想定していない代物を、放映するにあたってカットで割ってしまう。わたしはこれが苦手で、カットを割り振る演出家の恣意に苛立つのである。解釈を押しつけられた心地がしてしまう。 [review]3819695[投票(1)]
★3皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ(2015/伊)フィクションが感化を与えてほしいとする業界人の強迫観念は、フィクションの効用を期待できない不信の裏返しである。劇中劇に内実がなければないほど、そこに内実があると思わせるべく、感化だけは強大になっていく。 [review]3819695[投票(1)]
★4ファニーとアレクサンデル(1982/独=仏=スウェーデン)初出のハスラー演技から始まって、人前で権威を損なわれる事態に当たって体面を繕おうとする悲痛な努力に至るまで、主教ヤン・マルムシェーが笑いを絶やさない。その性格の様式性の突出が絶えず筋を喜劇のような歩調にしようとする。 [review]ゑぎ[投票(1)]
★4Dr.Tと女たち(2000/独=米)顔貌が性欲の表象でしかないことで、性欲では対応できない事態がリチャード・ギアを不穏の源とする。その助平顔が助平顔でありながら仕事ができる然るべき場所に到達するところで、宿命を見失ったファラ・フォーセットの不安と男の不穏がリンクする。 [review]けにろん[投票(1)]
★3ベイビー・ドライバー(2017/米)そのままでは直視できそうもない文系の自己肥大むき出しの陳述を消費可能なロマンスにするのはアヴァンチュールに身を任せるかのような女性心理である。 [review]3819695[投票(1)]