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disjunctiveさんのお気に入りコメント(9/40)

女と男の観覧車(2017/米)★4 ブリキ玩具のような毒キノコ色のコニーアイランド。どす黒いオレンジ色に染まる女の部屋。窓外には観覧車が血を滴らせた骸骨のような姿をさらす。いつしか女を包む希望もどきの青ざめた光も生気なく虚ろだ。女は自分の閉塞と願望の振れ幅の極端さに気づいていない。 [review] (ぽんしゅう)[投票(5)]
女と男の観覧車(2017/米)★4 劇作家志望の海水浴場監視員ジャスティン・ティンバーレイク=ミッキーによるカメラ目線・モノローグの進行は相変わらず鬱陶しくて、好きになれないのだが、ヴィットリオ・ストラーロの超絶照明には驚愕する。 [review] (ゑぎ)[投票(4)]
真昼の決闘(1952/米)★5 我が身を鑑みて加勢するしないの問題に留まらず現状の維持と打破をめぐる政治的な視野に至る点でナウである。彷徨するクーパーレインの主題歌、時計の進行と駅で待つ3人を執拗に反復しつつ一方で4角関係の緊張が行方を定まらせない。強靭な設計。 (けにろん)[投票(2)]
爆裂都市 Burst City(1982/日)★3 映画の暴動というシステム破壊の意図はクライマックスで暴動を描いた映画にすり替わってしまう。殻を破砕して観客に突きつけるべき何かは現場の狂騒への自己充足で収縮してしまった。若気の至りとも言うべき薄さ故に、あまりに一本調子で途中で飽きがくる。 (けにろん)[投票(2)]
アシュラ(2016/韓国)★4 いやーホントすごいねえ… 洪水のような暴力の果てに、なんだか判らない解放感がある。我々小市民には縁がない(と思っていたい)特大の暴力を振るったり振るわれたりを、血みどろ役者たちが代行してくれている。 [review] (ペンクロフ)[投票(3)]
ミッドサマー(2019/米=スウェーデン)★3 狂気とは確信である。当事者には忌避される理由がわからないから隠そうともしない。全てが開けっぴろげに晒される。闇がない、白夜。聖域がない。壁がない。同じ共同体の暴力でも、空間の扱いについて、幾多の壁で仕切られる『ローズマリーの赤ちゃん』の都市的空間(聖域の集合体)との対比から見ると前半は面白いが、後半はそのコンセプトと矛盾していく。 [review] (DSCH)[投票(3)]
転々(2007/日)★3 成る程コンセプトはわからんでもない。俺も散歩は嫌いじゃないし追いつめられた男の今生のセンチ旅は解る。が、若者には迎合して欲しくもないし、疑似家庭に涙なんぞ絶対に流して欲しくない。ちゃうやろと思う。ギャグは5本に4本がこっ恥ずかしく笑えない。 (けにろん)[投票(3)]
浪人街(1990/日)★2 素晴らしい脚本だと思うが、それを生かすためには浪人たちも悪徳侍たちも、もっと思い入れたっぷりに描かなければ物語の面白さは出てこない。しかし、最もケレンを嫌うのが黒木和雄監督なのだからどうしようもない。明らかに脚本と監督のミスマッチ。 (ぽんしゅう)[投票(2)]
魚影の群れ(1983/日)★3 本来単純な構図の世代間の相克劇の筈が、歪な拘りで男と女の劇に執心し、実際映像に凝縮された内実のテンションもそっちが圧倒的なのだ。緒形十朱の邂逅シーンの奇跡的達成と反するクライマックスのマグロ釣りのシーンの緩さが全てを象徴している。 (けにろん)[投票(1)]
その夜の侍(2012/日)★2 平凡の喪失を描くにあたって「平凡」を台詞にしてしまった時点で不吉な予感。案の定、前半の意気込みに比して豪雨の対峙以降ラストカットに至るまでのイメージがあまりにも貧相。平凡をわざとらしく象徴する留守電の平凡さにも辟易。堺、山田、安藤の怪演が台無し。 (ぽんしゅう)[投票(5)]
その夜の侍(2012/日)★3 予断を許されぬ、曰く言い難い偏執味を湛えた夢幻的展開だが、終盤の帰結に決定的に失望した。知れたことを見たいわけじゃない。諦念を経た自己回復は座りは良いが釈然としない。自壊して世界を全否定するしかないんじゃないかね、映画なら。演者は皆高度だ。 (けにろん)[投票(6)]
夜に生きる(2016/米)★3 背骨通らぬ主人公のとっ散らかった物語。2人の親分間を蝙蝠よろしく行ったり来たりのうえ警官の親に手心加えてもらい矜持が無い。ただこの男、人種的偏見だけは一切皆無でKKK団をぶち殺しまくる。そこだけ溜飲が下がる。孤立主義へのベンアフの抗言。 (けにろん)[投票(2)]
劇場版 鬼滅の刃 無限列車編(2020/日)★3 原作未読、過去のアニメ化作品も全て未見の状態で見る。なので、この映画一本(単体)に対する映画ファンとしての私の感想を書きます。(今さら何を、と思われることも多いでしょうが。) [review] (ゑぎ)[投票(4)]
妖怪ハンター ヒルコ(1991/日)★3 塚本的湿度の高さが気色悪い一方そこが全てとも言える及第の和製ドタバタホラーで当時の香港映画のレベルに唯一追随し得ただけでも賞賛に値するが、やっぱ歪な要素が神経を間々逆撫でもする。当時の黒沢スウィートホーム』と併存する異色作。 (けにろん)[投票(2)]
拳銃(コルト)は俺のパスポート(1967/日)★5 全盛期のフランス映画を志向し続けた日活アクションの、たぶん最高の達成。後半に進むにつれて加速度的に面白く、切なくなる。 [review] (寒山拾得)[投票(2)]
不知火檢校(1960/日)★4 主演の勝新太郎の悪いのなんのって。もうここまであくどいと、かえってすっきりする。 [review] (シーチキン)[投票(1)]
不知火檢校(1960/日)★4 面白い!主人公がこれだけ徹底して悪い奴、という映画はちょっと無い。(ま少しはあるんだけど、とりあえず無い、と云っておこう)。そういう意味では、勿論、勝新の役者生命を賭けた一世一代の造型が面白さの源ではあるが、プリプロダクション(企画・脚本段階)の功績も大きい。 [review] (ゑぎ)[投票(2)]
座頭市血笑旅(1964/日)★4 高慢で計算高いお香が母性に目ざめ家族に憧れていくさまを高千穂ひづるが好演。所帯を持つなど叶わぬことを知っている兇状持ち渡世人だからこそ、誰よりも家族に憧れる気持ちの強さを知りつつ揺れ動く市(勝新太郎)。流れ者たちの悲哀に溢れた秀作。 [review] (ぽんしゅう)[投票(3)]
レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019/米)★4 なんだこの爽やかな肯定感は。良い意味でアレン映画じゃないみたいだ。男と女を描いて相かわらずの“からかい”はあってもかつての皮肉や毒がない。そもそも古今東西、80歳過ぎの爺さんが20歳そこそこの恋愛模様を撮った例を知らない。ましてこんなに面白いなんて。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019/米)★4 ビング・クロスビーで始まり、コール・ポーターエロール・ガーナーで締められる。また、ティモシー・シャラメによる「Everything Happen to Me」のピアノの弾き語りがとてもいい。全体、シャラメが主人公だが、しかしエル・ファニングの良さが際立った映画だ。 [review] (ゑぎ)[投票(3)]