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★3シン・仮面ライダー(2023/日)格好いいのは着ているコートだけという困ったヒーローもの。虫になってしまったヘンな人たちがなんだか舞い踊っている、という印象をうける。「シン」と題うつほど突き付けてくるものも感じない。トンネルの場面は目玉しか見えず、ハエの観察をしている気分。[投票(2)]
★5フェイブルマンズ(2022/米)撮影カミンスキーによる光、色彩設計に脱帽。1950年代風の、一見平凡にみえてその実まったく非凡な輝かしい画面だ。スピルバーグは、凡庸な監督が決して所有しないある種の非情さをもって日常の裏側にあるものを取り出し、ただの追憶ではない何かをつくった。 [review][投票(4)]
★3バビロン(2022/米)デイミアン・チャゼルにはシャレっ気というものがない(ジャズ好きのくせに)。引き算がない。強引で大仰なだけのハリウッド地獄ツアーに連れ回され、疲れた。映画創成期のあれこれ、黒人音楽家のサブストーリーはいい。しかし最後のゴ***はスベっている。[投票]
★4イニシェリン島の精霊(2022/英)「内面」などというものとは無縁だった男どもが、突然それに直面してうろたえる。「はじめての一年生」のように。その痛々しいまでの武骨ぶり。ギザギザばかりの風景描写も良。ようは『ライアンの娘』の男性版なのだが、結末は正反対。やはり男はバカなのか。 [review][投票(5)]
★3TENET テネット(2020/米)異なる時間軸に属する「時間」が同一画面上を流れているのが、ちゃんと「見える」。その高度なエンジニアリング(ノーランの場合この言葉を使いたい)には脱帽するも、奇矯な外見を取り払ったら何が残るのだろう。コワモテのわりには幼稚な感じがするのだが…[投票(1)]
★4喜劇 愛妻物語(2019/日)日本映画に貧乏くささが帰ってきた。かつての可愛げは卑屈へ、包容力は言葉の暴力へと変っても、底に流れるものは変わらない。それがいいことなのかどうか知らないが。最初から「喜劇」と銘うって、くたびれた赤パンツはあざとい。しかし抵抗するのも難しい。 [review][投票]
★4アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(2017/米)「底辺娘どたばたフィギュア戦記 〜血煙り純情篇〜」。ヤサグレた態度の裏に、痛いほど何かを切望する可憐さが潜んでいる。これを観て、あ、私だ、と思ってハハハと笑った人は結構いたんだろう。なら、アメリカは悪い国ではない。良い国かはしらない。 [review][投票(5)]
★3ブラック・クランズマン(2018/米)予想していたよりは楽しかったが、しかしどことなく教師の作った映画という印象を受ける。スパイク・リーは若々しく、自分の頭の良さを社会に対してどう用いるかにも自覚的(少しだけゴダールに似ている)だが、それがおもしろい映画を保証するわけでもない。 [review][投票(6)]
★4運び屋(2018/米)何かが終わってしまった気配は濃厚にある。誰もがこわごわゆく「その後」の地雷原のど真ん中を、当人だけはスタスタ歩いて、しかも一番大切なものはちゃんと最後まで待っていてくれる。ご都合主義? いや、ホラ話なのだ。それがご愛嬌というものなのだ。 [review][投票(9)]
★4嘆きのピエタ(2012/韓国)韓国人よ、なぜあなたの愛はかくも容赦無いのか。艶めかしいのか。そして憎しみに似るのか。資本主義にも人倫にも背を向け、すべてを焼き尽くす。そして赤だけが残る。始源と哀しみの色だけが。[投票]
★3加藤隼戰闘隊(1944/日)山本&円谷コンビは前作に続き邦画らしからぬ格好良さを実現。本物の凄味漂う空中戦。爆音。コーヒー・サングラス等の小道具も粋。にしても昔の軍人たちの声の甲高さは一体何だあれは…。[投票]
★3大魔神(1966/日)高度経済成長にあぶれた人々のルサンチマンをインテリとは真逆の地点から救済しようとすればこうなるのだろう。奥行と落差のあるセットや森の木漏れ日が素晴らしく、高田美和も可愛い。[投票(3)]
★4権三と助十(1937/日)空駕籠担いで夜の町を唄いつ流せば絶妙の拍子で音楽が被さってくる。科白回しも冴え渡り、自己憐憫はきっぱり拒否。いなせでカジュアルな格好良さがある。時節柄かナンセンスは控え目。[投票]
★4アメリカの友人(1977/独=仏)他人との深い関わりを避けるヴェンダースがハードボイルド友情物に行き着くのは必然だ。原色を効かせたカメラは感傷を巧みに殺し、この古風な浪漫派崩れの似非活劇に乾いた抒情を添えた。[投票(1)]
★3パーフェクト・ワールド(1993/米)善と悪が仲良く隣人として暮らしていた、実は存在しない世界を描くお伽話。適度に感傷的で、適度に懐古的で、適度に教育的ないつものイーストウッド流。ややホラ話風の語り口に走りすぎか。[投票]
★4ぼくのエリ 200歳の少女(2008/スウェーデン)極端に深度の浅い映像に儚さは宿る。人間のエゴイズムへの冷たい諦めがこの映画にはある。悪意や孤独のために死んだ心を抱えて生きる人のこの世にある限り、ゴシック・ロマンは不死である。[投票(3)]
★4青いパパイヤの香り(1993/仏=ベトナム)物事は自然に「なる」(果実のように)ことを彼女は知っている。待つことは勇気と強さの表れなのだ。虫ケラから人間までを包摂する湿気の多い小宇宙には神秘と優雅と生々しい予感がある。[投票(1)]
★3続丹下左膳(1953/日)もう一歩アナーキーな領域へ踏み込んでほしかった。塀一つで群衆を仕切る豪快な構図など絵的に魅せる部分はある。水戸光子が格好良く、『俺たちに明日はない』のF・ダナウェイのようだ。[投票]
★3丹下左膳(1953/日)やたら人間が出てきて、筋はこんがらがり、大河内はヘロヘロ。しかし娯楽活劇としてはこれで十分かも。高低差と斜めのずらしを巧く使った構築的なセットが素晴らしく、一見の価値はある。[投票]
★3ウディ・アレンの夢と犯罪(2007/米=英=仏)俗物老人アレンの全然身に沁みない教訓話、または中流階級のための見栄講座。車や服や恋人やらの如何にもな感じが嫌みでよい。兄弟を翻弄する金持ちの伯父が恐ろしくダサいのも意地悪。[投票(2)]