★3 | 東京の宿(1935/日) | この頃の東京には広い原っぱがあった。茫漠として、存在の不確かを突きつけるような。そこは疑念を知らぬ者の王国。だから子供だけが大人を救い得る。弱き者汝こそは貴き哉! | [投票] |
★3 | モンティ・パイソン・ライブ・アット・ザ・ハリウッドボウル(1982/英) | つまらない…。その後の世の中が彼らよりヒネてしまったからか、それとも幼稚になったせいか、意外に古臭いと感じてしまった。「T・ギリアムの毛沢東」や「哲学者サッカー」は好き。 | [投票(1)] |
★5 | 8 1/2(1963/伊) | 芸術家に必要なものは、愛と受容と「自分殺し」。矛盾と逸脱と刹那の輝きに身を投げて、甘美なる溺れ死にを。そして、「記憶」や「現在」や「願望」などという幽霊たちと踊るのだ。 | [投票(2)] |
★5 | プレイタイム(1967/仏) | ガラスを多用したカフカ的建築様式。啓示の如きTVの燐光。そして深夜のレストランは混沌へと疾走する…。極北に達したスーパーフラットな表現に20世紀後半の美と悪夢は降臨する! | [投票(1)] |
★3 | スラップ・ショット(1977/米) | 汝のバカを受け容れよ。下品な青ジャケットと格子柄のズボンを着、四文字言葉を使い、他人の女を寝取り、拳もて人を打ちなさい。されば扉は開かれるべし。妻には逃げられるが。 | [投票(1)] |
★4 | モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975/英) | 要するに英国はその始まりから気違いと変人の国だった、と。王だろうが騎士だろうがパンツを引きずり下ろさなければ気の済まない偏屈ぶりが爽快。微妙なゲテ物臭も相応しい。 | [投票(1)] |
★3 | ロバと王女(1970/仏) | ディズニー映画を実写にしたような感じ。蔦はそこら中に絡まり、馬はパカパカ、ガラス玉はキラキラ。歯が浮くほど甘く、ゲロを吐くほどロマンティック。うーん、でも何か気持ち悪い。 | [投票(1)] |
★4 | 成功の甘き香り(1957/米) | ううむ、卑しさに酔った。ピカレスクな味わいと共に、必然の敗北を避けようと足掻く虚しさが、容姿・声・立振舞いと非の打ち所がないランカスターだけに、一層際立つ。悪こそ甘露。 | [投票] |
★5 | フレンチ・カンカン(1955/仏) | ルノワールの女の好みは頭と尻は軽く、足腰は丈夫。体育会系なのだ。じゃじゃ馬どもに鞭をくれて走らせる群舞シーン!爆発するマッスは暴動に近い。全てが薔薇色に輝いている。 | [投票(3)] |
★3 | 八月十五夜の茶屋(1956/米) | 「強く正しいアメリカ」に飽いて、異国の女にあやして貰いたがる男達のバカみたいなお伽話。M・ブランドが日本人になり京マチ子が芸者をやる、というだけでも観る価値はあるが。 | [投票] |
★4 | トラック野郎 御意見無用(1975/日) | 晴れがましい語り口、コントそのものの演出、フリークス感漂う連中の無茶苦茶な服装センス、豪快かつ小学生レベルの言動…。愛さずにはいられない!「寅さん」などくたばっちまえ! | [投票] |
★4 | 現金に手を出すな(1954/仏=伊) | 渋い!優雅な物腰の悪党が心底恐れるもの―それは「老醜」。その哀しさ故に、若い者には真似のできない格好良さが漂う。パジャマ姿でさえ威厳がある。沈みゆく船のような…。 | [投票] |
★5 | 肉体の冠(1952/仏) | 水も滴るメロドラマ。川の流れはとろりと甘く、木漏れ日は優しく、夜の町はいかがわしく、策略は容赦無く、死はただ痛ましく…。昔の白黒映画は何故こうも艶めかしいのだろう? | [投票] |
★5 | モンティ・パイソンの ザ・ラットルズ(1978/英) | 過去を振り返る時はこれくらい余裕と洒落っ気を持っていたいもの。称えているようで実は完璧におちょくっている立ち位置が絶妙。ビートルズの四人も草葉の陰で喜んでいるだろう。 | [投票] |
★4 | 赤い風船(1956/仏) | 空想がちな子供の見る幻影をちょっと引いた場所から撮る。その距離感は現実と非現実の中間あたりに浮かんでいる。大人と子供の中間あたり。石畳と曇り空の中間あたりに。 | [投票(1)] |
★4 | 白い馬(1952/仏) | 不毛・荒涼・孤立・逃走―「負」の札ばかりを集めて、非人間的とも言える美しさを構築している。一貫して拒絶的な語り口には人知を超えた何かへの激しい憧れが満ち満ちている。 | [投票(1)] |
★4 | チェブラーシカ(1969/露) | 時々見せるつまらなさそうな顔が堪らない。ぶ厚い外套を着た動物達・心のねじけた婆さん・黄昏れた音楽…。キュートで童話的で何だか情けなく、ああロシアだなあ、と思わせられる。 | [投票] |
★5 | ダークナイト(2008/米) | 昔からある話ではある。善と悪の対決であり、『ドン・キホーテ』である。しかしそれをかくも現代的に説得力をもって語るのは簡単ではない。全編に漲る破格の馬力と量感には脱帽だ。 [review] | [投票(7)] |
★4 | 非常線の女(1933/日) | 拳闘・ダンスホール・ビルヂング・アール=デコ…モダーンで不良っぽい小津。『どうせアタイは―』のセリフをうそぶくのが山田五十鈴だったら、完璧に格好良い映画だっただろう。 | [投票] |
★3 | のんき大将・脱線の巻(1949/仏) | ブリューゲルの絵のようだ。酔っ払ったり悪戯したり色目を使ったり「アメリカ式」で走り回ったり。祭日の三色旗の陽気に誰もが感染している。そして隅では婆ァが不気味な笑いを…。 | [投票] |