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★5ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト(2008/米=英)花道をフットボール選手みたいなフォームで走るM・ジャガー!ぞくぞくするほど格好良い。類稀なダンサー。両性具有の天才的扇動者。騒乱事件の組織者。悪魔のような奴なのだ。[投票(4)]
★4ジャッカルの日(1973/米)時計仕掛けの官僚機構と暗殺者。緻密と冷血をもってせめぎ合う国サイズのチェス。明晰過ぎる頭脳の戦いはシュールな泥試合へ。優秀な頭は勝利を約束しない。いや、正気すらも。[投票(2)]
★3ショーガール(1995/米)ヴァーホーヴェンは荒野をゆく。私達が純真を守るためには戦いが必須であるから。そして戦いとは常に下種なものなのだ。ゲロの街に掲げられた聖戦の旗。そこには染み一つ無い。[投票(2)]
★2スクール・オブ・ロック(2003/米=独)ロック魂なし。豚の首を投げるとかギターに火をつけるとか学校に火をつけるとかJ・ブラックに火をつけるとか、何でもいい、ぶち壊してくれ。保育園児の方がよっぽどガッツがある。[投票(2)]
★3ドッジボール(2004/米)フィットネス・ヘルシー方面におけるアメリカ人のバカ度は高い。幼稚すぎる戦いに挑む真剣さが不思議な感動を呼…ばないが、「股間自尊心増大ショーツ」の優秀さは評価できる。[投票]
★3ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007/米)ロメロ、御年68歳にして健在。これからも長生きして、「生きていても仕方がない」「そもそも人間は歩く死体でしかない」などという光度0の暗黒映画を撮り続けてもらいたいものだ。[投票]
★4トラフィック(1971/仏)排ガスと田園・渋滞と軽い短靴・効率とお遊び・進歩と道草…冴えた配色と対位法で展開される憂鬱で楽しい自動車時代のパノラマ。迷子の私達のための役に立たないガイドブック。[投票]
★5双頭の鷲(1948/仏)襞飾りと金モールと凝った結髪と浮彫り細工によって飾られるべきもの―君主制とメロドラマ。絵空事に命を懸ける高貴さの他に、淋しい私達の慰めに相応しいものがあるだろうか。[投票]
★3サンダーボルト(1974/米)眉をくいと上げて「まさかそんな話はなかろうぜ」てな顔をしつつ、ヌケヌケとお伽話(赤い内装のキャデラック!)を演じるイーストウッド。そのロマン主義はぶ厚いコンクリをも貫くのだ。[投票(3)]
★4ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005/米)夫と妻、父と息子の間にある血塗れの何か。生温かく、ひくひくと動く、そしてかけがえの無い何か。どんな家にも幽霊がいる。家族には秘密が必要なのだ。私達は共犯者なのだから。[投票(2)]
★5リリー・マルレーン(1981/独)黄昏色の光の溢れる中に、不思議な美しさと痛みがある。メロドラマの甘美。醒めた後の無残。愚か者は常に敗北する―気怠い旋律がそう囁いている。私たちはいつもそうなのだと。[投票]
★4大いなる幻影(1937/仏)白い手袋・折れた背骨。一つの幻影が死に、新たな幻影が生まれる。ラ・マルセイエーズ・奴らと俺達。幻影なしに遊びは成り立たない。そして戦争もまた、悲惨な「遊び」なのだ。[投票(2)]
★3エロス+虐殺(1970/日)観念遊戯の自爆か?哀切なる心中か?革命の虚/実は痴情の実/虚。1916年の実/虚は1969年の虚/実。世界とは合わせ鏡。座標軸の交わる中空に、「不可知」は磔にされている。[投票]
★3スキャナーズ(1981/カナダ)クローネンバーグさんのお花畑には不思議な花が咲いている。ぽんといって咲くのや、その他種々。花を愛でる人に悪人はいない。余りに珍奇な光景に思わずあなたの頬も弛むはず。[投票]
★3不毛地帯(1976/日)二度と繰り返すまいと思っていた―闘争へのパラノイア的没入・組織の論理の冷血・熱狂の後の恐ろしい空虚。ああ、なのに結局戦いの中に…。戦中派による痛切なる「告解」。[投票]
★4殺しが静かにやって来る(1968/仏=伊)異端と耽美のコルブッチ西部劇。否、そこは西部ではない。それは閉じられた激情の生んだ内なる風景なのだ。雪はただ人魂のように飛び交い、支配するものは完璧なる静寂…。[投票]
★5鉄路の白薔薇(1922/仏)機械文明は私達を不幸にする。でも私は機械を愛する。愛さずにはいられない。―20世紀のための鋼鉄製メロドラマ。そこでは愛と妄執と破壊衝動が分かち難く結び付いている。 [review][投票(1)]
★4エル・トポ(1969/メキシコ)血と精液と革命と西部劇とヒッピーとガルシア=マルケスを異種交配した地獄絵図にして大曼陀羅。メキシコに生きるとは分裂を呑み込むこと。失われた断片を求め巡礼の旅は続く…。[投票(1)]
★5赫い髪の女(1979/日)冬の海のように荒々しく、海鳴りのようにどよめき、流木のようにささくれだって、霧雨のように優しく、焚き火のように暖かい。かけがえのないオモチャ。避難港。幸せ過ぎる映画だ。[投票(2)]
★4ぼくの伯父さんの休暇(1952/仏)タチという人は本当は屈託があるのだろう。決してそれを見せたりはしないが。避暑地の淡い交遊。花火。短か過ぎるズボンの丈に似た軽い語り口に、一刷けの憂鬱が滲んでいる。[投票(1)]