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★4サンライズ(1927/米)月の光が殺意を、水が受難を、朝日が再生をもたらす。ムルナウの興味は何より人間の情念にある。それは人間の内なる自然であり、自然と交霊する通路なのだ。ダークで美しい映画。[投票(1)]
★3THIS IS ENGLAND(2006/英)ケジメをつけたいという思いがこの映画にはある。大英帝国などもう存在しない、現実は惨めなのだと。悪ガキの〆の潔さ。その激しい気性こそ偉大な父祖達を思わせるではないか。[投票]
★4死刑執行人もまた死す(1943/米)生死を賭けた詐術の網の目。そこには何か超現実的な脆さ、善悪を超えた酷薄さ、異様な美しさがある。人間に自由などない。薄氷の戦いがあるだけ。「執行」のその日が来るまで…。[投票(2)]
★5小早川家の秋(1961/日)上方で撮る小津は普段よりずっと艶めかしい。いや、あの緑の川面、西日に輝く簾の怪奇な色彩は…ここはもう彼岸なのか?あっちの家とこっちの家、あの世とこの世でかくれんぼ![投票(1)]
★4グリード(1925/米)微笑ましい話であるべきものを「金と暴力」で塗り潰すシュトロハイム。辛辣と冷血と激しい自己破壊への衝動。そこには裏返しの貴族趣味のようなものがある。壮絶に寂しい映画。[投票(1)]
★5戦国奇譚 気まぐれ冠者(1935/日)伊丹の歪曲の才に驚嘆!時代劇をナンセンスの曠野へ放って自由自在に駆けさせる。冒険と淡い恋。機転と愛嬌。炭酸入りの清涼感。あの髯!着物の柄!愛さずにはいられない![投票]
★5メトロポリス(1927/独)ラングの描く人間は理性を持たない純粋のエネルギー体だ。その必然として都市は内から爆発するのだ。煌めくアナキズム!悪夢のゴシック機械様式!その時、暗黒神は降臨する![投票(1)]
★5おかあさん(1952/日)ヒヤリと冷たい翳はあっても、太陽の匂いははち切れんばかり。田中絹代や香川京子の何がいいのかと思っていた私は馬鹿だった。彼女達の明るさ、それはもうほとんど奇跡に近い。[投票(1)]
★3サーチャーズ 2.0(2007/米)愚かな時代がかつてあった。今、神話は終わってヒーローは去り、私達は砂漠の静寂に取り残される。新しい混沌へと帰る時なのだ。『捜索者』のジョン・ウェインがそうだったように。[投票]
★3バーン・アフター・リーディング(2008/米=英=仏)賢いCIA分析官のための5ヵ条>>1.裏の裏まで読め。その裏も読め。2.バカそうな奴ほど怪しい。しかし本物のバカかもしれぬ。3.女に気を許すな。4.酒は友達。5.意味など考えるな。[投票(2)]
★3ミルク(2008/米)「美しいものは美しい。それを認めようとしないのは愚かだ」と彼らは訴えたいだけ。あらゆるものが甘くリッチな香気に満ち満ちている。そして当然ながらそこには悲しい儚さがある。[投票]
★3桃中軒雲右衛門(1936/日)これは断然細川ちか子の映画である(自己陶酔男ではない)。崩れた着こなしと濃い化粧。奈落を見ている眼差し。『シド・アンド・ナンシー』のナンシーは彼女がやるべきだったのだ。[投票(1)]
★4グラン・トリノ(2008/米)ロマン主義に生きロマン主義に死す。元々そんなものが成り立たないことはイーストウッド自身が知っている。それは時代遅れの優雅な遊びなのだ。古臭いものこそが格好いいのだ。 [review][投票(7)]
★4モンティ・パイソン ライフ・オブ・ブライアン(1979/英)宇宙には普遍的なものが二つある。水素と愚かさである。と、いう訳でローマ人も反体制派も大衆も預言者も「可哀相な僕」も全員鼻の穴に指を突っ込まれる。イエス?そんな奴知るか![投票]
★5お茶漬の味(1952/日)食べ方が嫌でお箸をバシン!ちょっとやり過ぎ?とびくびく。責められてする子供口調の反論。喧嘩の、夫婦が二人ですることの機微を描く巧みさ。夜のお茶漬けの濃厚さには参った![投票]
★4フロスト×ニクソン(2008/米)現代の剣闘士はTVという四角い闘技場で戦う。そこにあるのは非情と酷薄のみ。死所を求めて彷徨う獣のようなニクソンの痛ましさ。しかしこれは友情のドラマなのだと私は考えたい。[投票(2)]
★3メタリカ:真実の瞬間(2004/米)コワモテのオッサン達の悶え苦しむ様に胸を打たれた。どんな種類であれ戦いを描いた映画は美しい。そこには勇気と連帯と清潔があるから。とりあえず生き残った彼らに祝福を。[投票]
★3ズーランダー(2001/独=米=豪)何やら胡散くさいエレガンスに感涙。『ファッション通信』が決して語らない業界の真実!分け入っても分け入っても青い山。ぎんざじゅわいよくちゅーるマキ、と意味もなく書いてみる。[投票]
★4捜索者(1956/米)赤い砂漠―形をなさない何かへと開かれた場所。エイリアンとの接近遭遇。邪悪と善のせめぎ合う坩堝。壊れた魂が再統合される病棟。『2001年宇宙の旅』を地上でやればこうなる。[投票]
★5赤西蠣太(1936/日)クラシックをモダニズムで再構築するならこうやれ!とぼけたエスプリ。時代劇的大仰を処理する機知。時に前衛。格好いいものを作るのに凄む必要などないことを伊丹は知っている。[投票(1)]