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★4ごめん(2002/日)神社の朱や空の青の上方らしい優美さ。語り口は飄々として、思春期のもやもやもハンナリと語られる。照れずに打ち込む勇ましさに好感。モテない男特有の幼稚さを感じるのも事実だが…。[投票]
★4パプリカ(2006/日)虚の世界の美しさ、生命力、その闇。超自我に支配された空間に噴き出す狂熱的エネルギー。底が割れた日本を、アニメーションにしか出来ない形で娯楽映画に仕立て、とてもリアルだ。[投票(2)]
★5もっとしなやかに もっとしたたかに(1979/日)大人になれない彼ら。それでも、男と女は惹かれ合い、共に暮らし、人は生まれ、そして死ぬ。その厳粛、その倦怠、そのかけがえのなさ。日本の家庭映画が描き続けた主題がここにある。[投票(2)]
★4ロンゲスト・ヤード(1974/米)「フットボールは人生より重大だ」を地でいく映画。癖のある野郎共の反目と団結。粗暴な振舞いと緻密な戦術。ルール内での鮮やかな悪行。何より大事な「タマ」。実にフットボール的。[投票]
★4犬神家の一族(1976/日)華麗かつグロテスクな語り口で、ある一家の闇の歴史が語られる。血と秘密。畸形的な人間関係。不可解な美学に基づく殺人。泥絵具で描かれたような原作と知的な演出が見事に融合。[投票]
★4ワン・プラス・ワン(1968/英)せっせと悪魔の歌を作るストーンズ。いかがわしくも艶めかしい1968年。ハッタリを利かせた演出、過剰なお喋り、加速するクレーンカメラ…不穏な世相の中、ゴダールの詩情は舞い上がる。[投票]
★4バーバレラ(1968/米=仏=伊)無重力空間で一人戯れるフォンダ。チープな美術。ラヴリーな音楽。重いものを徹底的に排除して、皮膚感覚で気持ち良いか・否かだけを追求している。空疎で魅惑的。要するにポップ。[投票]
★3コンボイ(1978/米)バカデカく、力強く、大衆に人気があり、いつもお祭り気分。善良だが無法者であり、呑気な漂泊者でもある。「アメリカ」とは国ではない。転がる石のような一種の永久運動・宗教なのだ。[投票]
★2最後のサムライ ザ・チャレンジ(1982/米)ハリウッドの定番刑事ドラマと黒澤時代劇をブレンド。が、全く溶け合わず失笑ものの映画に。無国籍風(?)日本料理という趣き。それはそれで面白いが、美味かと訊かれれば、ノー。[投票]
★3BROTHER(2000/日=英)野卑な暴力自慢に辟易。ハラキリ・指ヅメ・自決…無闇な自傷行為は小心の裏返しか?照れ隠し?『ソナチネ』の詩情の片鱗もなし。「アニキ」という言葉の晴れがましさのみ印象に残る。[投票(1)]
★4氷壁の女(1982/米)氷漬けになっていた青春。歳月に耐え生き残った老婆の中の何か。氷河のように清冽で、残雪のように輝くそれ。そして、そのすぐ隣にある死。ジンネマンのドラマは内で激しく燃焼する。[投票]
★5青空娘(1957/日)フィルムの色の驚異的な彩度。東京駅に入って来る列車の高揚。滅茶苦茶に明るいが、その底には古い衣を振り捨ててゆく一抹の悲哀が漂い、それがこの映画に気品を与えている。[投票(1)]
★4マリヤのお雪(1935/日)愁いと喜びを同時に表す微妙な笑顔。媚を含んだ気怠い物腰。虚無と紙一重の意地。煙管を吹かす姿の格好良さ。決まっている台詞回し。日本の女優にしか見せられない美しさがここに。[投票]
★3黒の試走車(1962/日)サラリーマンをスマートで近代的な無頼漢として描いたピカレスク映画。高度成長の狂熱に人格を埋没させた男たちの荒廃と無軌道。ニヒリスティックな『巨人と玩具』に比べると、やや甘口。[投票]
★4乱れる(1964/日)これぞメロドラマの様式美。過去と結婚したかのようなヒロイン。真綿で絞められるようなその敗北。クレシェンドで高まる情感。そして、中空に凍りつく結末。成瀬の職人技の冴えを見た。[投票(2)]
★5羅生門(1950/日)廃墟に降り注ぐ終末的豪雨。刃のように網膜に閃く太陽。暗い森に翻る女の衣の白さ。終戦五年目のエゴと獣性剥き出しの世相が平安期に転生する。日本最高のシュールレアリスム映画。[投票(2)]
★3カンバセーション…盗聴…(1974/米)「聴く」ということに、他人と「繋がる」という意味を見出せなくなった男の当然の自滅。もっと面白くなりそうな話だが…。芸術的野心(?)などは捨てて、娯楽映画に徹してほしかった。[投票]
★5仁義なき戦い 頂上作戦(1974/日)開いた窓から舞い込む雪片。スラム・結核・ヤクザ…全ては豊かさの中へ消えてゆき、男たちの闘争も徒労に。戦争で死に損なった彼らに、この時ようやく終戦は訪れたのかもしれない。[投票(3)]
★3ハートブレイク・リッジ/勝利の戦場(1986/米)マッチョな題材だが語り口に愛嬌がある。実人生では敗けっぱなしの鬼教官とボンクラ兵士たちの巧まぬ連帯。ささやかな凱旋に滲む静かな満足。男くさく、キュート。イーストウッドらしい。[投票]
★5仁義なき戦い 代理戦争(1973/日)脅し・スカし・泣きを入れ…日本的擬似家族制度の下、ある時は情愛深く、ある時は敵より卑劣に「親父」は子を翻弄する。ドタバタ喜劇の後味は黒く苦い。小林旭はさすがの存在感。[投票(1)]