★4 | サッカー小僧(1974/スウェーデン) | 「ああ、僕がプロの選手だったら。そしたら…」という子供の夢想は万国共通。70年代のサッカーは牧歌的だった。スウェーデン代表の選手達がマジメくさって出演しているのが堪らなくいい。 | [投票] |
★4 | バージンブルース(1974/日) | ボウフラのような流れに任せた無為の日々。人生は道草。目的なんてない。そしてそこにも終わりはやって来ると知った時、彼女は何かを喪失する。日本でロードムービーをやるとこうなる。 | [投票(1)] |
★4 | 黒水仙(1946/英) | 異郷の尼僧たちに訪れるデヴィッド・リンチ的崩壊。荒れ果てた修道院のセットが次第に狂気を孕んでくる、そのデモーニッシュな変貌の凄さ。『ブルー・ベルベット』の世界はすでにここに。 | [投票(1)] |
★4 | インランド・エンパイア(2006/米=ポーランド=仏) | 物語は半ばで急速に溶解。鳴り響く重低音と混線したイメージの氾濫から、「帝国」が騙し絵のように浮上して来る。巨大で、不可知で、おぞましく、泥のようなユング的世界。短く感じた。 | [投票(1)] |
★3 | 女番長 野良猫ロック(1970/日) | 地平線の果て(?)から現れる女バイカー。荒野のような新宿。乾いたファイト。何処となくマカロニ西部劇風。クールで馬鹿馬鹿しく、気障でいてマヌケ。スカスカなのがむしろ格好良い。 | [投票] |
★3 | 裸足で散歩(1967/米) | 無邪気で可愛い(美人ではない)ヒロイン。デクノボーの男前。大都会。二人だけの貧乏暮らし。変な隣人。洒落た題と良い音楽。ラヴコメに必要なものはすべてある。砂糖入れ過ぎだが。 | [投票] |
★2 | 機動警察パトレイバー2 the Movie(1993/日) | 映画の中でいくら戦争を語っても、戦争を「知らない」ことの逆説的な証明にしかならない。独り遊びにも似たお喋りにげんなり。映画はオモチャ。戦争がやりたいなら理屈は不要では? | [投票(2)] |
★3 | お早よう(1959/日) | オナラ・噂話・愚痴・我が儘・恋愛。出るものを出すのが人生だ、と言わんばかりの小津のユーモアとニヒリズム。青空に翻るパンツ。便所の換気筒に立つ湯気まで撮る下世話ぶりが凄い。 | [投票(1)] |
★4 | 関東無宿(1963/日) | 女学生とヤクザ、江戸と東京、性と死。対極のようでいてどこかで通底する取り合わせ。厳粛な様式美とアナーキーな即興。ポップで浪漫的。清順は尻尾を掴ませない。彼は空っぽなのだ。 | [投票(1)] |
★5 | シティ・オブ・ゴッド(2002/ブラジル=仏=米) | 福祉政策として建設された街が、剣呑なガキ共の闊歩する魔宮と化すまでの年代記。創世から三十数年、今や事態は超現実的水準へ。ああ、素晴らしきこの世界!彼らは無垢そのものだ。 | [投票(2)] |
★4 | アメリカン・サイコ(2000/米) | エリート男の狂人日記、または「甘い生活」。その後の彼の心境を一言で言うなら、「すべては茶番」だろうか。バカで金ぴかの80年代後半を血のように赤いソースで。グロテスクだが美味。 | [投票(1)] |
★3 | 黄金の七人(1965/伊) | 「教授」の醒めた眼差しに宿る深い倦怠。スマートに、機知を利かせた強奪計画。音楽も、ヒロインも空疎でゴージャス。クソ真面目は避けなければならない。大事なのは「遊び」なのだ。 | [投票(3)] |
★3 | パラダイス・ナウ(2005/仏=独=オランダ=パレスチナ) | 二つの街の天国と地獄のような対比。その間でウロウロしている二人。此処ではない何処かへ行きたいという焦燥が自爆へと行き着いてしまう残酷さ。正気と狂気の境目は限りなく低い。 | [投票] |
★3 | 歌行燈(1943/日) | 『鶴八鶴次郎』の闊達さは何処へやら。戦時だからなのか変に堅苦しい。それでも、障子の桟や二階の手摺の幾何学模様、松原の木洩れ陽のシュールさ、等など細部はさすがの美しさ。 | [投票(2)] |
★3 | 東京湾(1962/日) | 東京五輪前の下町を捉えたロケ撮影。駅前の路地にひしめく飲み屋、老朽アパート群、立ち並ぶ煙突、荒川のボート小屋。殺風景だが精力的。明日への希望と昨日までの悲惨が交錯する。 | [投票] |
★4 | 噂の二人(1961/米) | 子供の悪戯は恐ろしい。時に大人の隠された欲望をずばりと衝くことも。「異常」と言う言葉の邪悪、その甘美。リリアン・ヘルマンの原作らしく、毅然としてpassion(受難・情熱)を感じさせる。 | [投票] |
★4 | 歓びの毒牙(1969/伊) | 妖艶かつドギツい色使い。グラマラスな美女。狂気を孕んだ建築物。スタイリッシュな音楽。パラノイア的なカメラ。トラウマの迷宮に幽閉された殺人者。アルジェントはやはりアルジェント。 | [投票] |
★3 | 修羅雪姫(1973/日) | 雪のように穢れなき復讐心とその裏にある破滅への欲望。自己陶酔的な暴力の爆発。マゾヒズムとサディズムを往復する極端の美学。かなり阿呆な話なのだがB級ならではの楽しさがある。 | [投票(1)] |
★2 | アギーレ 神の怒り(1972/独) | 緑の荒野で国家のパロディを演じる盗賊たち。国の起源とは案外こんなものなのかも。アギーレ=神武天皇?いずれにせよ、彼らは黄金郷を求めて実は自分の頭の中をさ迷ったのだ。 | [投票(1)] |
★3 | 宇宙戦争(2005/米) | worldsと題が複数形になっている通り、侵略者は対話を完全に拒否する。悪夢のような終末を、嬉々として(?)描くスピルバーグの暗い情熱。呆気ない結末にも悪意のようなものを感じる。 | [投票] |