ビルマ、パゴダの影で(2004/スイス) | ★3 観光番組の撮影と偽りビルマ(ミャンマー)政府の撮影許可を取り付けたスイス人監督の一行は、指定されたコースを離れジャングルの奥地へ入り、国境地域の少数民族部落や反政府軍の実情を映し出す。ビルマは軍事独裁政権による圧政下にあるが、大多数を占めるビルマ人による、カレン族やシャン族といった少数民族への排斥といった側面もあるのだ。… '07年9月にヤンゴンなどでの反政府デモ鎮圧で起きた流血の悲劇を受け、'04年制作のドキュメンタリーが'08年3月より日本で緊急公開された。配給=アップリンク〔カラー/74分/16:9〕 [more] (死ぬまでシネマ) | [投票(1)] |
弓(2005/韓国) | ★5 大海のなかに浮かぶ漁船とボート。それが老人(チョン・ソンファン)と少女(ハン・ヨルム)にとっての世界の総てであった。彼らの出逢いはいつのことであったか。少女が気づいた頃には、老人が弓矢でこさえた楽器で少女の無聊を慰め、夜には恋人に接するように細心に彼女の髪を梳る、そんな暮らしが続いていたのだ。ふたりが結ばれる日はもうじきやってくる筈だった。だが、彼らの漁船を訪れた青年(ソ・ジソク)が少女の心を射抜く。子供のようにあどけない少女の瞳に、女の誘惑の灯がともる。老人にはそれが我慢ならなかったが、少女の今後を告げる弓占いの結果は…。キム・ギドク監督お馴染みの言葉少なな恋愛劇。〔90分/カラー/アメリカンヴィスタ〕 [more] (水那岐) | [投票(1)] |
緯度0大作戦(1969/日=米) | ★3 海洋学者の田代(宝田明)らは海底潮流の調査中、海底火山の噴火に巻き込まれるも近くにいた潜水艦に救助される。艦の名はアルファ号、艦長はマッケンジー(ジョセフ・コットン)。海底二万メートルに存在するユートピア「緯度0」を拠点とし、世界中の科学者が最高の技術を研究する理想郷の住人だった。そんな中緯度0に来訪予定の原子学者・岡田(中村哲)が、その研究を悪の科学者マリク(シーザー・ロメロ)に狙われ誘拐される。マリクは孤島ブラッドロックに居を構え、マッケンジーを敵対視しているのだ。それを知ったマッケンジーらは、マリクの野望を打ち砕かんと出撃する! [more] (荒馬大介) | [投票(2)] |
ヒトラー 最期の12日間(2004/独=伊=オーストリア) | ★4 1945年4月、アドルフ・ヒトラー(ブルーノ・ガンツ)率いるナチスドイツは連合国相手に敗色が濃厚だった。ソ連軍の爆撃を避けて地下壕の司令部にこもり、戦況を立て直そうとするヒトラーと、その無謀な作戦にもはやついていけない側近たち。そんな中、ヒトラーの秘書であるトラウドゥル・ユンゲ(アレクサンドラ・マリア・ラーラ)は、彼の行動の一部始終を間近で見守っていた。[156分/カラー/アメリカンヴィスタ] [more] (Yasu) | [投票(4)] |
クラッシュ(2005/米=独) | ★4 現代では、誰もが孤独と恐怖を抱えて生きている。その一方で、われわれは誰かと触れ合って、分かりあっていきたいと願っている──。クリスマス前のロサンゼルスで、人種も階層も立場もみな違う人々が、お互いに衝突(クラッシュ)し、それぞれの人生を交錯させていく。彼らが内に持つ差別と偏見、人間の弱さをさらけ出しながら…。ハイウェイで発生した1件の衝突事故から始まる、36時間のあいだに物語られる一編の群像劇。[112分/カラー/シネマスコープ] [more] (Yasu) | [投票(7)] |
ブロークバック・マウンテン(2005/米) | ★4 1963年、ワイオミング州ブロークバック・マウンテン。カウボーイのイニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)は、羊放牧の仕事でお互いに知り合った。2人きりの仕事の中で次第に親密になるイニスとジャック、そしてそれは、やがて男同士の禁断の関係へと…。仕事が終わって山を下り、それぞれに結婚相手(ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ)を見つけた2人。しかし、あの夏のブロークバック・マウンテンでの思い出が、その後何十年にもわたって2人を結びつけることになろうとは、誰も思いはしなかった…。[134分/カラー/アメリカンヴィスタ] [more] (Yasu) | [投票(1)] |
吸血鬼ゴケミドロ(1968/日) | ★4 ある旅客機が謎の発光体と遭遇し山中に墜落、奇跡的に10人だけが助かる。そんな中、一人で脱出を試みた生存者・寺岡(高英雄)は発光体――実は宇宙船――と再び遭遇、導かれるように吸い込まれた彼は身体を宇宙人・ゴケミドロに乗っ取られ、血を求める吸血鬼と化してしまう。救助の手が差し伸べられず、その苛立ちから次第にエゴむき出しになっていた残る生存者9人に、吸血鬼と化した寺岡が襲いかかる。この恐怖から逃れられる術はあるのか……? [more] (荒馬大介) | [投票(1)] |
無法松の一生(1958/日) | ★5 酒と喧嘩と博打に明け暮れる九州小倉の人力車夫・富島松五郎(三船敏郎)は、ひょんなことからエリート陸軍将校・吉岡大尉(井川比呂志)一家と知り合い、その美しい夫人(高峰秀子)と息子(松本薫・笠原健司)のために生涯をささげ無償の愛を貫き通す。///////第二次大戦下に伊丹万作が地元作家・岩下俊作の小説「富島松五郎伝」を脚本化し、自ら映画化を試みるが病のため断念。メガホンを友人の稲垣浩たくすも公開時(43年)に内務省警保局、戦後の再公開時には米国占領軍総司令部の検閲のため11分に及ぶシーンのカットを余儀なくされた。その脚本での完全な映画化を再び稲垣監督が試みた。(104分/カラー/シネスコ) [more] (ぽんしゅう) | [投票(2)] |
ミッション(1986/英) | ★4 1750年、現アルゼンチンとパラグアイの国境付近。イエズス会はイグアスの滝の上に住む「未開人」グァラニー族を教化しようとしていた。その中の一人ガブリエル神父(ジェレミー・アイアンズ)は決死の思いで教化に成功する。「音楽で治められる人々でした。」
一方、奴隷商人のメンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)は三角関係のもつれから弟を殺してしまい、罪の意識に苛まれる。彼は神父に帰依し、共に信仰の道を歩む決心をする。 [more] (ジョー・チップ) | [投票(1)] |
江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者(1976/日) | ★4 時は大正。所は東京下町の、浅草望む東栄館。アパートメントの屋根裏に潜む男がおりました。その名は郷田(石橋蓮司)、定職持たぬ暇男。闇にポッカリ節穴ひとつ、覗いた先は貴婦人美耶子(宮下順子)の隠し部屋。見えるは道化衣装を身にまとう下賎男(夢村四郎)に身をゆだね、交わる美耶子の身もだえ姿。虚空をさまよう美耶子の視線、ぽっかり開いた節穴ひとつ。そのまた先には郷田の目。視線と視線の交わりが、男と女の無言の愛撫。屋根裏男と背徳夫人、さてさて二人の行く末は、この世の悪の棲むところ。江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」と「人間椅子」をいどあきおが翻案。日活ロマンポルノ(76分/カラー/シネマスコープ) (ぽんしゅう) | [投票(2)] |
めし(1951/日) | ★4 大阪で暮らす倦怠期の夫婦(上原謙・原節子)。そこへ東京から姪(島崎雪子)がやってくる。姪に甘い夫に、鬱憤がたまっていた妻は実家へ戻るが、そこで彼女は「夫婦とは何か」を自分自身で問い直すことになる。[97分/モノクロ/スタンダード] [more] (Yasu) | [投票(2)] |
世界大戦争(1961/日) | ★5 プレスセンターの運転手・田村(フランキー堺)は家族の幸せを夢見て懸命に働いていた。妻のお由(乙羽信子)には湯治を、娘の冴子(星由里子)には立派な婚礼を、息子には大学へ行かせてやると心に誓っていた。折しも冴子は下宿している船乗りの青年・高野(宝田明)と恋仲に落ち、とうとう結婚することに。だがその一方で、そんな庶民の感情が全く入る余地もないところで次第に冷戦は深刻化していく。日本国首相(山村聡)達の尽力で和平の道を歩み始めたかに見えた世界も、ついに、緊張の糸が切れた。やがて、最悪の事態が……。 [more] (荒馬大介) | [投票(3)] |
スパイ・ゾルゲ(2003/日) | ★4 第二次大戦の欧州戦線で、最初優勢だったドイツ軍をソ連軍が撃破し、ナチスドイツの崩壊のきっかけともなったスターリングラードの戦い。その影には、日本でソ連のためにスパイ活動をしていたある男の存在があった。彼はナチスの新聞記者に成りすまし、日本の政治・軍事・経済を隅々まで調査し尽くしていた。頭脳明晰にして好男子。そんな彼に、朝日新聞記者だった尾崎秀実(ほつみ、本木雅弘)など、数々の男女が引き付けられた。彼らが日本の機密情報を流していたその男──彼こそが、後に世紀のスパイ事件の中心人物として名を馳せることになる、リヒャルト・ゾルゲ(イアン・グレン)であった。[182分/カラー/アメリカンヴィスタ] [more] (Yasu) | [投票(3)] |
(秘)女郎責め地獄(1973/日) | ★4 その女郎(中川梨絵)、抱いた男が三人死んだ。一人は女の腹の上。次の男は辻斬で、そして最後は流行りの病。ついたあだ名は死神おせん。一流どころの吉原から、落ちて流れて裏見世で、今じゃ客待つ立ちんぼう。ひときは映える美貌でも、噂を恐れて客はなし。そんなおせんに男がひとり。名前は富蔵(高橋明)、博打打。けちなイカサマ遊び人。切っても切れない腐れ縁。ある日、おせんが見た光。心中未遂のさらされ女、お蝶(山科ゆり)の綺麗な目の光。恋しい男と結ばれぬ、定めの恩讐の彼方から、またも男が現れる。女を抱けないその男、人形使いの梅吉(堂下繁)が、おせんを抱きにやってきた。日活ロマンポルノ(77分/カラー/ワイド)
(ぽんしゅう) | [投票(3)] |
光の雨(2001/日) | ★3 連合赤軍による同士リンチ事件を描いた小説『光の雨』を映画化する企画で、樽見(大杉漣)は初めての監督を任される。キャスティングされた若手俳優達は、「役」を演じようと試みるが、なかなかその当時の若者の心情をつかむことが出来ず苦心する。そんな中、突然樽見監督が現場から姿を消してしまう。果たして映画は完成することができるのだろうか?「映画のメイキング」が、事件を描き、事件を通じて今を生きる人々を描く。 (秦野さくら) | [投票(2)] |
盲獣(1969/日) | ★4 ファッション・モデルのアキ(緑魔子)はある画廊で、自分の彫刻を撫でまわして悦楽に浸る盲目の男(船越英二)を見て胸騒ぎを覚える。数日後、仕事でクタクタになったアキのもとへ例のあの男がマッサージ師として訪れ、彼女を麻酔薬をかがせたうえで誘拐する。アキが連れて来られた場所は倉庫のような大密室。目、鼻、唇、乳房など体の一部がオブジェとなり羅列された異様な空間。彼によるとそこはアトリエで、監禁した理由は彼女にモデルになって欲しいからだと言う。最初は抵抗して逃げ出そうと試みたアキだったが男の母親(千石規子)に見つかり失敗。やがてアキに心の変化が…近年再評価されている増村保造監督が独自の解釈で江戸川乱歩の変態世界へあなたを誘う。 [more] (モモ★ラッチ) | [投票(2)] |
人生劇場 飛車角(1963/日) | ★3 世話になった小金一家の出入りに加勢し、人を殺した飛車角(鶴田)。逃げる途中、偶然から三州吉良の侠客・吉良常(月形)にかくまわれる。吉良常の人柄に触れた飛車角は、罪に服す決意をし、翌日、夫婦の約束を結んだお豊(佐久間)の懇願を振りきり、警察に自首。お豊との再会を待ち望み、刑務所での日々を過ごす飛車角だったが、そうとは知らぬ小金一家の宮川(高倉)がお豊に手を出してしまう。互いに許されざる仲と知ったときには、後の祭だった。飛車角の出所の日が近づいた・・・。95分 [more] (G31) | [投票(1)] |
ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔(2002/米=ニュージーランド) | ★5 J・R・R・トールキン原作の指輪物語を映画化した『ロード・オブ・ザ・リング』の第二部。第一部でモリアの暗闇へ落ちたガンダルフとバルログの死闘に始まり、離ればなれになった旅の仲間たちそれぞれの行方を描く。新しい登場人物も多く、監督のピーター・ジャクソン本人が「第一部<旅の仲間>を観ていない人のことなんか考えないでガンガン行くよ!」と言っていただけあり、第一部を観た人たちであっても、覚えてないと分からなくなる部分もある。個人的にはこの作品を観る前に第一部に30分の映像が追加され細部の説明が加えられ、ストーリーも登場人物の心情も分かりやすくなった「SEE版本編(208分)」を観ておくことをオススメしたい。(旅の仲間それぞれの詳しいストーリーは解説で)[シネマスコープサイズ・179分(SEE版は223分)] [more] (JKF) | [投票(2)] |
日本侠客伝(1964/日) | ★4 明治時代の東京深川。ここで古くから運送業を営む木場政一家は、振興の沖山商会(親分:安部徹)の執拗な攻撃に悩まされていた。沖山は人足を脅迫して引き抜いたり、価格破壊によって市場を独占した後で値を吊り上げるなど悪行三昧。そんな時、出征先から”辰巳の長吉”(高倉健)が帰還、子頭となった彼は仲間(田村高廣、松方弘樹ら)や客分の清次(中村錦之助)らと協力して木場政の建て直しを図る。 東映任侠路線の中核を担った人気シリーズの記念すべき第一作目で、監督は巨匠マキノ雅裕が務めた。 <東映京都/98分/カラー/スコープ> [more] (町田) | [投票(1)] |
地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972/日) | ★3 漫画家の源吾(石川博)は、建設中の「世界子供ランド」のキャラデザイン依頼を受けた。だがその組織に兄が捕まったという女性・マチ子(梅田智子)と出会い、謎のテープを手渡される。運営していた人物の正体は宇宙人で、世界子供ランドはなんと地球侵略の基地であり、しかもテープは宇宙怪獣を誘導するものだった!たちまちキングギドラとガイガンが宇宙から飛来、それを怪獣島で察知したゴジラとアンギラスが海を渡りやって来た。源吾はマチ子とマネージャーのトモ子(菱見百合子)、ヒッピーの正作(高島稔)と共に組織に戦いを挑む。一方のゴジラとアンギラスも2大宇宙怪獣と激戦を繰り広げるのだった! [more] (荒馬大介) | [投票(3)] |