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ゑぎさんのコメント: 更新順

★3吾輩は猫である(1975/日)いつもながら原作のエピソードをうまく取捨選択かつ並び替えを行い面白いお話にしていると思う。原作にないエピローグの追加も市川映画らしい。苦沙弥の姪・雪江(島田陽子)がマドンナとして大きく扱われている部分も悪くない。 [review][投票(1)]
★4ぼんち(1960/日)毛利菊枝山田五十鈴の母娘の関係が面白い。毛利菊枝は真に怪演だ。また瓦屋根の下に若尾文子が日傘をして立っている真俯瞰のショットこそ、これぞ宮川一夫の刻印というべき素晴らしいシネスコ画面だ。 [review][投票(7)]
★3千と千尋の神隠し(2001/日)冒頭30分の不条理な展開は文句無く良いと思う。矢っ張り宮崎駿作品のオープニングは映画が走り出している。しかし中盤から後半にかけての失速が彼のいつもの癖だけれど、最も甚だしいのが本作かも知れない。特に宮崎駿らしい飛翔のシーンに開放感が無く、落下のシーンに緊張感が全く無いのには決定的に失望した。[投票(3)]
★4青いパパイヤの香り(1993/仏=ベトナム)演劇的な題材だが横移動を基調とする洗練されたカメラワークによって充分に「映画」を息づかせている。前半部の家屋のミニマルな空間演出も見事。少女時代のムイの美しさは特筆すべきでリレーキャストはどうしても違和感が残る。後半、水浴の場面でジャンプカットを見せるのは少女時代の画の強さに拮抗させる為の悪あがきか。[投票(2)]
★3サイン(2002/米)シャマランの『』。この監督の画面は異様な緊張感に満ちている。それは無意味な緊張感と云っても良いぐらいで間の取り方、音の使い方等徹底している。宇宙人の造型は確かに笑ってしまうぐらいチンケかつステレオタイプだが、それ以上に過去の記憶のフラッシュバックが活劇性を阻害する。『』の偉大さを痛感させる。[投票(3)]
★4美しきセルジュ(1958/仏)この映画の時点で既に技巧的にかなり完成度が高く驚かされる。ヌーベル・ヴァーグは実は生みだされた瞬間から既に老成していたのだ。 [review][投票]
★3ロード・トゥ・パーディション(2002/米)前作『アメリカン・ビューティー』でも感じたがサム・メンデスの演出は矢っ張りイマイチだ。 [review][投票(3)]
★4恋をしましょう(1960/米)抜群の安定感とダイナミックさの混在。絶妙のカッティング・イン・アクション。複数台カメラによるマルチ撮影・編集はジョージ・キューカー演出の特徴だが、この映画では殆ど完璧と言って良いぐらい決まっている。 [review][投票(1)]
★4めまい(1958/米)実はこの映画はイマイチ好きになれない。その一つの要因は「とてつもなく悔しい」ということにある。『めまい』が為にどんな犯罪映画も陳腐に見えてしまう。最近とみによく使われる技法「Vertigo」(ドリーしながらのズーミング)を生んだことも銘記すべきだが、女と男と自動車による映画的犯罪性の醸成が圧倒的魅力。[投票(1)]
★3宮本武蔵・一乗寺決闘(1942/日)実は私は大好きな市川春代が演じる吉野太夫見たさにこの映画を見たのだ。あの傑作『鴛鴦歌合戦』のお転婆な娘がどんな吉野太夫を演じているのだろうとワクワクしていたのだが、いやはや登場からなんとも堪らない妖艶な雰囲気で良いですよ。宮城千賀子のお通の印象など吹っ飛んでしまった。[投票]
★4反逆児(1961/日)これは伊藤大輔の渾身の気合いが感じられる全編に亘って緊迫感溢れる映画。とにかく杉村春子演じる築山御前の悪女ぶりが圧倒的で、日本映画史上でも黒澤蜘蛛巣城』の山田五十鈴と並ぶ鬼女演技だ。 [review][投票(2)]
★4宮本武蔵(1944/日)溝口健二版『宮本武蔵』は吉川英治原作ではなく菊池寛原作。大きな違いは本作ではお通が登場しない。代わりに田中絹代が武蔵の弟子でありヒロインとして登場し健気な魅力を放つ。 [review][投票]
★4少林サッカー(2001/香港)矢張りこの映画の良さは饅頭屋で突然すっくと立ち上がり歌いだす作曲家志望の青年が象徴している。次に何が起こるか判らない、何が起こっても不思議でない世界、というのが映画の魅力なのだ。それは凡そ映画というメディアの原初的な魅力でありシリアスドラマであろうとコメディであろうと前衛映画であろうと同じだ。 [review][投票(8)]
★5マルホランド・ドライブ(2001/米=仏)これはリンチらしい不条理劇の目下のところの集大成だ。また女優の多面性を引き出す演出についても抜きん出ている。ナオミ・ワッツの登場の可憐さ、オーディション・シーンの妖艶さ、ラストに向かって加速度的に崩れていく様。もう堪りません。 [review][投票(10)]
★4決闘高田の馬場(1937/日)ラストの高田の馬場での18人斬りの殺陣も凄いが、その前の有名な韋駄天走りの躍動感あるカット繋ぎが圧倒的。この阪妻はバスター・キートンに勝るとも劣らない。しかし、好みは分かれるとは思うが全編を通して私が一番好きなのは「一番星きえたー」のシーン。あと叔父貴の置き手紙を読むシーンも楽しい。[投票(3)]
★3嵐が丘(1988/日)殆ど台詞が聞き取れない。こんなことをやっている限り、日本映画は駄目だと公開時思った。画面がいかに刺激的でスペクタキュラーであろうと、こういうアプローチでは大勢の観客は離れていくだろうと。この映画もワタクシ的には好きなのだが。[投票]
★4荒野の七人(1960/米)私も以前は『七人の侍』と比べて貶していたのだが、見直してみるとこれはこれでヤッパリ面白い!3時間を超える原本をコンパクトにまとめた構成も見事だが、何と云っても群盗の首領カルベラ(イーライ・ウォラック)のキャラクターを膨らませたことが映画としての勝因だ。 [review][投票(11)]
★3OK牧場の決斗(1957/米)とりわけ美しい空を見られることが忘れ難いカラー西部劇。美しい空が見られるから西部劇は好きだ。青空の下、荒野を駈歩(キャンター、かけあし)で行く画面の快楽。 [review][投票(4)]
★4シュレック(2001/米)これは大人向けのアニメーションか?いやこの程度の毒気なら充分に子供向けだろう。元来子供は大人以上に残酷なものだ。例えばラストのフィオナ姫の帰結も私は驚きはしたが、考えてみると教育的というか優等生的だ。蛙と蛇で風船を作る屈託のないシーン等随所に現れるブラックユーモアは子供も大人も楽しめるだろう。[投票(4)]
★3モンスターズ・インク(2001/米)映画内ででっち上げた既成の価値観(こゝでは人間の子供が不浄である、或いはモンスターは子供を怖がらせるものだという思想統制)を逸脱・破壊していく主人公。こういう昔からある筋立てを借りてピクサーは見事な活劇を連打している。私の好みでは映画の中のモンスターはこうあって欲しくないと思ってしまう帰結だが。[投票]